- この物語はとある版権物の影響で制作されている
- 純粋な漫画でも小説でもない
- 矛盾が生まれる可能性アリ
- 私は小説や漫画等を描くのが得意ではない
【卯月 陰(うずき いん)】
黒狐系妖魔の女の子。17歳。
父と母に家を追い出され
いまは男の娘として暝玉に仕えている。
【暝玉(めいぎょく)】
訳あって実家から離れて旧図書館に暮らす男。
いつも本を読んでいる。
陰より少し年上。
【フレイ・アイシル】
暝玉の親友。人間。
仏頂面だが……?
暝玉より若干年上。
前回
まとめ
陰がここに来て数日後。
「さて陰、男装使用人の仕事はどうだ?」
「思ってたより大変じゃないです。暝玉様とはあまり会わないから気を張る事も少ないですし、使用人の仕事も苦じゃないので」
暝玉との接触は食事を持って行く事と食器を片付ける事、そして掃除くらいしかまだしていない。
使用人としての仕事もフレイが教えてくれるし、家事全般なので特に困る事もない。
そして理由が謎の庭に畑を作る作業もしているのだが、それも実家にいた頃に農作業をしていたのもあり楽しかった。
「そうか、しかしそれでは困る」
「えぇ?!」
「陰、お前には暝玉の脱童貞の為に男装してもらう事は告げていたが」
(え、脱童貞の為なの?)
「まだ詳しい事を話していなかったな」
「そういえばそうですね」
なんとなく
(女性を見ると緊張するとか事情があるんだろう)
などと考えてはいたが、まだ詳しく話を聞いていなかった事に陰は改めて思い至る。
「では、今からその説明をする」
「暝玉は女に苦手意識がある。だからいきなり女性従業員を雇っても暝玉は壁を作ってしまい、仲良くなる所か苦手意識の克服すら無理だろう。
それにただでさえあいつはコミュ障だからな。
そこでまず男装してもらい、男として接して仲良くなってもらう。
できれば友達になってやってほしい」
「友達ですか」
(できるかなぁ……?)
と、今までの暝玉の反応を思い出し不安になる陰だが、そんな彼女の様子を見てフレイは察し
「まぁ、友達になるのは無理強いしないが」
と告げて話を続けた。
「でだ、暝玉とある程度仲良くなったら女だとばらす。
そうすれば女だとバレた後もある程度仲が良い状態が継続され、更に女に対する苦手意識も多少緩和される。
……といいな、と考えている」
「えー……。
それ、上手くいきますか?」
「うむ。
さすがにそれだけでは俺も不安でな、もう一つ保険として用意した物がある」
「あ、そうなんですね」
フレイは見ていた物から視線をあげた。
「それで、お前はこの仕事を続ける気はまだあるか?」
「……。やっぱ少し迷いますけど、続けようと思います」
「そうか、ならば近々新たな任務を与えよう」
(やっぱ物々しいな……)
ちなみに今更ですが陰はフレイに会った時、自己紹介でフレイのフルネームを聞いているが
「フレイと呼んでくれ」
と言われて名前で呼んでいる。
次回