Dへの扉

謎生物、地球でやりたい事をする

長閑な国の王とケモノ 番外編『蘇月の戦闘訓練』

これは『著者:藤間麗 / 出版社:小学館』が権利を有する漫画『王の獣~掩蔽のアルカナ~』の非公式二次創作物です


◆注意する事ばかりで長くなった注意◆

 これは

  • 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
  • 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
  • 女体化
  • 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
  • 滲み出る変態性

 を含みます。

 そして私は

  • 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
  • あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
  • 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
  • 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在

 です。

 それでも見たい人は続きへGO!

蘇月の戦闘訓練

 蘇月は木刀を抱えて落ち込んでいた。
 せっかく太博に稽古をつけてもらったのに、攻撃がこちらに来ると目を瞑ってしまって上手くいかない。
「太博様、ごめんなさい……」
 すっかりしょげかえった蘇月は、うつむいてか細い声で謝った。
 ただでさえ人見知りが激しく、いきなり見知らぬ者に稽古をつけてもらうのは酷だろうと気を利かせてもらっているのに結果がこれなので、顔を合わせる勇気もない。

 おまけに剣の稽古に限った話ではなかった。
 素手での格闘術が剣の稽古と同じ結果なのは言わずもがなで、弓の稽古でさえも射った矢が変な音を立てて手前に落ちてしまう始末。

 しかし太博はそんな蘇月を責める事はしなかった。

「誰でも得手不得手はある。謝らなくてもいい」
「でも、従獣なのにこんな事もできないなんて……」
 その言葉を聞くと太博はため息をついて、蘇月の頭に優しく手を置いた。
「歴代の従獣は確かに戦闘技術も優れた者が多い。しかしそういった者ばかりではない。
 中には戦う事は苦手だが、戦略や情報収集など自分の得意分野を生かし皇子を支えた従獣もいる」

 というか、蘇月は明らかに文系だった。
 従獣になる前からある程度の文字の読み書きができていたし、計算も教えた事をみるみる吸収していく。
 その上歴史や周辺諸国の情勢などの勉強も呑み込みが早い。
 だから太博は蘇月には武闘系ではなく、学術的な要素を伸ばして天耀の手助けをさせようと考えていた。
 そしてその考えは天耀も同じである。

「という訳でだ、私も天耀様も無理に蘇月が戦闘術を学ばなくてもいいと考えている。この宮の戦力は十分にあるし、私もいるからな」

 しかし蘇月は首を振った。
「でも、私も天耀様達に何かあったら守りたいです! だから……太博様が迷惑でなければ、稽古を続けてもらえませんか?」
 うるんだ瞳でこちらをまっすぐ見つめて来る蘇月を見て、太博は
『やけに必至だな』
 と思いながらも、そこまで言うならと稽古は続ける事にした。
「ただ、まずは護身術だな。自分の身を守れれば何かあった時に足手まといにはならん。それに真っ先に助けを呼んだりもできるだろう」

 という事で、蘇月は敵に囲まれた時や体を拘束された時に使える護身術を学び出した。

 

 そして現在。
 時は雪が宮廷にやって来た頃辺り。

◆◆◆太博◆◆◆

『あの時の蘇月、やたらと必死だったな……。真面目な子だったし、従獣なのにと負い目もあったのだろうが。
 なのに、何故……』

 

◆◆◆蘇月◆◆◆

『あの時、太博様だけに危ない目に遭ってほしくなかったんだよなぁ……。
 人間はもろいからっていうのもあるけど、好きな人に傷付いてほしくないし。
 天耀様と違って不愛想だったけど、初めて会った時からお世話してくれて優しくて、好きだったんだよね。
 これってほぼ一目ぼれかな?
 でも、妹さん……天舞さんがいるから私の事も妹みたいに思ってたんだろうな』
 そしてため息一つついた所でノック音が響く。彊虎が来たのだ。
「蘇月。そろそろ稽古を始めるぞ」
「はい、今行きます」
 蘇月は手早く髪をまとめると、彊虎と共に外に出る。

 蘇月は今でも武闘の稽古をしている。そして人間のチンピラ相手なら誰かを守りつつ逃げる程度の力は付いていた。
 もちろん、自分の身は自分で守れるようになっているし、戦闘訓練を受けた亜人数人程度に襲われても一人で逃げる事が可能なくらいになっている。

 全てはもし万が一があった場合、母の様にならない為の物だ。

 

 そして蘇月は思う。
『太博様、今の私の姿を見たらほめてくれるかな?』
 と……。
 もちろん会える事はないだろうし、会えたとしたらその時は何かとんでもない事が起きた時なのだろうと分かってはいるが、それでもそう思ってしまう蘇月ちゃんなのであった。

 

『蘇月の戦闘訓練』終

 

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次回

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原作の宣伝広告

Cheese!(チーズ!)

 2019年3月号(2019年1月24日発売)~2022年8月号(2022年6月23日発売)に王の獣が掲載されている。
 2022/06/23時点で電子版が全号購入可能。
 割高にはなるが連載中なら最も早く王ケモが見られる。
 また、マイクロ&単行本で修正された箇所が電子版でも元の状態で見られると思われるので、単行本とセットで買って変化を楽しみたい人向け。


王の獣~掩蔽のアルカナ~【マイクロ】

 1巻で大体1話分くらいが見られる。(ページ数による)
 先行配信をしているサイトもある。
 連載中に雑誌より安く、単行本より早く王ケモを見たい人向け。


王の獣~掩蔽のアルカナ~

 1巻に大体4話入ってる。(1話分のページ数による)
 時間が掛かってもある程度安くまとめて読みたい人向け。

*1:なお小説を賞に応募した事もあるが1次審査すら通過した事はなかったし評価シートありの所では常に構成の評価が最低ランクだった

*2:試し読みや読者の感想等も36話くらいでよく見なくなり、大して分からない