◆注意する事ばかりで長くなった注意◆
これは
- 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
- 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
- 女体化
- 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
- 滲み出る変態性
を含みます。
そして私は
- 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
- あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
- 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
- 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在
です。
それでも見たい人は続きへGO!
記憶◇🎀白狐・六つ
母の簪
お母さんはいつも同じ簪を付けている。
それはキラキラ輝いて、お母さんのお日様の様な金色の髪を飾っていた。
でも、別にお金がないとかそういうわけではない。
だって蘇月と一緒にその簪が「綺麗だね」って話をした時。私お母さんに「私にちょうだい!」って言って、蘇月も「私も欲しい!」ってた事があるけど
「ごめんね。あげられないわ」
って、お母さんは困ったように笑ったから。
それからお母さんはこう言ったんだ。
「これはね、お母さんの好きな人から貰った物なの」
その時のお母さんは、まるで恋する女の子の様だった。
「お母さん、その人はどこにいるの?」
私がそう聞くと、お母さんは宮廷の方を指さした。
母の好きな人
「お母さんの好きな人って誰だろうね?」
「宮廷で働いてる人だよね、きっと」
医院に勤めるお母さんの手伝いの合い間、軒下に座って私達はそう話していた。
「もしかして、その人がお父さんなのかな?」
私達はお父さんの事を知らない。
もちろんお母さんにお父さんの事を聞いた事はあるけど、お母さんは困った顔をして教えてくれなくて、私達も聞きづらいからお互い聞かなくなっていた。
だから蘇月とそう話して、まだ見ぬ父親の事を想像していた時だ。妓楼の女主人であるババァがやって来たのは。
「白子狐はまだまだ夢見がちだね」
「何の用よ、ババァ」
「別に通りかかっただけだけどね」
医院は妓楼の近くにあるから、このババァとも遭遇率は高い。
そしてババァは私のいつもの悪態にはいつも通り特に気にも留めず、「ふぅ」とため息を付くと言葉を続けた。
「アルカナ持ちは好きな男以外とも子供を作らなくちゃいけないんだよ。
金華はアルカナがあって、それで一時期宮廷勤めになってお前たちができてこっちに戻って来たがね、その好きな男がお前達の父親とは限らないよ」
ババァはいつも私達に現実を突きつけて夢を壊してくるから嫌いだ。
この日も近くで働くおじさんから「あまり夢を壊すような事を言うなや。相手はまだ子供だぞ?」と言われていたけど
「夢はいつか覚めるもんさ。それならさっさと目覚めて現実見た方がいいだろうよ。それが、自分に都合のいい夢ならなおさらさね」
と、つっけんどんな態度をして去って行った。
私は絶対ババァを名前で呼んでやらないと何度目かの誓いを心の中で立て、すっかりしょげてしまった蘇月の手を引いてお手伝いに戻る。
「でも、お母さんの好きな人が私達のお父さんじゃなくても、会ってみたいね」
「うん……!」
蘇月がちょっとだけ元気を取り戻したみたいで、笑顔を向けてくれた。
「会えたら、いいな」
夏至祭
今日はお母さんと蘇月の三人で夏至祭に出かけた。
お祭りの会場では色々な物を売っていて、私達は出店を回って普段は買ってもらえないお菓子を一人一個買ってもらう。
甘い物なんてお誕生日やお祭りの時以外はあまり食べられないから、こういう日は特別。
それから「武道会をやってるよ」と聞いて見に行った。
けど、階段を上った先にある券が無くても見られる立見席は、人ごみで前が全然見えない。
だからお母さんの手を放して人ごみの隙間を縫って前に向かう。
「戻ってきて、藍月!」
そう叫ぶお母さんの声は、好奇心の前に搔き消えた。
人ごみを抜けた先には、戦う白い虎の亜人がいた。
かっこよかった。
だから「すごーい! あの人かっこいい!」って言ってた。
そうしたら「あれは皇帝陛下の従獣、彊虎だよ」って、隣にいたおじさんが教えてくれた。
それから彊虎さんは勝ち続け、優勝した。
日が傾きお日様がオレンジ色に染まろうとしている頃。
私はお母さん達の事を思い出し、一足先に人ごみを抜けて階段を下りる。
すると「藍月!」と私の名を呼ぶお母さんが蘇月と一緒に駆け寄ってきた。
「藍ちゃん心配したよ」
蘇月が泣きそうな顔を向ける。
「藍月、もうお母さんの手を離しては駄目よ」
そう言ってお母さんは安心した顔をして、私の手を握った。
亜人の子供をさらう悪い人もいると聞いた事があるし、お母さんはとても心配したのだろう。
お母さん達は立見席に行ける二つの階段が見える場所に立っていたけど、多分この場所で待っていたのも私が出て来るのを待つ以外に、不審な人が出てこないか見張ってたんだと思う。
「ごめんなさい……」
私はお母さんの手を握り返す。
「分かればいいのよ」
お母さんは優しく笑って、恐らく私がいなくなったと伝えていた警備の人に私が見つかったと報告した後、三人で家に帰った。
「あのね、武道会凄かったよ!」
私は帰り道、武道会が見れなかった二人の為に一生懸命見た事を説明した。
「白い虎のね、えーと……彊虎さん! とても強くてかっこよかったの! それでね、他の亜人を何人も倒して優勝してた!」
「私も見たかったなぁ……」
蘇月がふくれっ面をした。
「私ね、大きくなったら従獣になる! それで彊虎さんに会いに行くの!」
私はこの時すっかり彊虎さんのファンになっていたから、そう言っていた。
それに従獣になれば、お母さんの好きな人にも会えるかもしれない。
お母さんは……ちょっとビックリした顔をした後、優しく微笑んでくれた。
「なれるといいわね」
夕焼け空の下。歩く私達の影が長く、長く伸びていた。
???
『記憶◇🎀白狐・六つ』終
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