◆注意する事ばかりで長くなった注意◆
これは
- 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
- 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
- 女体化
- 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
- 滲み出る変態性
を含みます。
そして私は
- 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
- あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
- 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
- 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在
です。
それでも見たい人は続きへGO!
第二話『弐の春 蘇月の部屋』
太博が雪との模擬戦に負けた頃、天舞は花瓶の花の手入れを終わらせて次の仕事に移る為に庭を移動する。
向かった先で待っていたのは服の砂埃を払う太博と、自分を助けてくれた白い狐の亜人であった。
「天舞、来たな。雪を案内してやってくれ」
そして太博は雪に向き合う。
「この娘がお前の世話係だ。何か分からない事があれば彼女に聞いてくれ」
「よろしくお願いします」
雪はぺこりと天舞に頭を下げ、天舞は
『! 王子様!!』
と、無駄に運命の出会いを感じドキイベポイントを上昇させた。
「雪さんは従獣だったのですね! 私てっきり宮廷で働いている亜人の方だと思っていました」
天舞はニッコニコで雪を案内し、雪は『無邪気な子だなぁ……』と思いながら後を付いて行く。
「じゃーん! ここが雪さんのお部屋でーす!」
そう言って紹介された部屋は、カーテン、ベッド、タンスなど最低限の家具は付いている広めの部屋だ。
この部屋専用のお風呂とトイレも付いており*3、雪は贅沢だなと感じる。
「昨日突然お部屋の掃除をお願いされて、私が一人で頑張ったんですよ!」
ちょうど手が空くのが私しかいなかったのだと説明しつつも、どこか誇らしげな天舞に雪は礼を言う。
「ありがとうございます」
「いえいえ。あ、そうだ! 荷物の荷解きとか何か必要な事はありますか? 手伝いますよ」
「いえ、それは大丈夫です」
「そうですか。じゃぁ何かあったら遠慮なく頼ってくださいね? では私はこれで」
そう言って天舞は去って行った。
雪は天舞と別れた後、運び込まれていた少ない自分の荷物の荷解きもそこそこにベッドに寝転がり、懐からある物を取り出す。
それは飾りがない簪で、古びた赤いリボンが掛けられていた。
「やっとここまでこれた……」
そして雪は思う。
時間が大分掛かったが、それでもまだ望みはある。
まだ、ここに蘇月がいるかもしれない。
と……。
◆
午後。
従獣としての仕事は明日からというのもあり、雪は警備の観点から天耀の宮を見て回りつつ情報収集をしていた。
その途中、空き部屋から出てきた天舞と出会う。
「天舞さん。お掃除ですか?」
「あっ、雪さん! はい、そうですよ~」
天舞は嬉しくて顔がにっこにこだ。
「今、警備の為にもここに慣れるためにも宮を周っているのですが……この部屋は?」
ここが空き部屋だという事は、見取り図を事前にもらって覚えたので知っている。
しかしチラリと見えた中の様子は客室でもないのに綺麗に整えられ、まるで誰かの部屋の様に見えたので聞いてみたのだ。
「この部屋はですねぇ、前従獣の蘇月さんの部屋です。
天耀様はいつ蘇月さんが帰ってきてもいい様にって、私にお部屋のお掃除を頼んでいるんですよ」
天舞は『自分に与えられた特別で大事な任務!』と言わんばかりに誇らしげだ。
「……なるほど。所でこの部屋は鍵を掛けていないのですか?」
雪は扉に鍵が無い様だったので聞いてみる。
「天耀様が、蘇月さんがコッソリ帰って来てもすぐに入れる様にって言って、付けてないんです。それに貴重品もないので」
「そうでしたか……」
この時、天舞はハッ! となり慌てた。
従獣は亜人にとって憧れの職だ。給料も待遇もいい。
だから天舞は雪が、蘇月が帰って来たら解雇されないか心配したかもと思ってしまったのだ。
だから
「でも天耀様は蘇月さんが帰って来ても雪さんを追い出すような事をする心の狭い人じゃないから安心してください!」
と一気にまくし立てる。
しかし当の雪は『ここなら簡単に侵入できそうだな』と考えていたのだが。
◆
天舞と別れてしばらくした後。
宮を一通り回り切りまだ日の落ちない内に、雪は人気がないのを見計らい蘇月の部屋へ侵入した。
そしてなるべく物を動かさないように手がかりを探す。
特に目ぼしい物が見つからないまま机の引き出しを開けた時、雪の目に見覚えのある物が飛び込んできた。
『懐かしいな……』
それは、押し花をあしらった便箋だ。
月日が経ちすっかり色あせてしまっていたが、これと同様の物を使って書かれた手紙を雪は受け取っていた。
いつも自分の所に来るのは青い花の便箋だったが、ここに残っているのは黄色い花の便箋が多い。
『青と黄色の花の便箋セットだったのか。僕が青色が好きだから、それを優先して使っていたんだろうな。蘇月……』
便箋を元に戻して引き出しをそっと閉める。
それから雪は気を引き締め、手がかり探しの続きを行った。
しかし部屋をくまなく探しても、これと言ってめぼしい物は見当たらない。
雪は顔をキリッとさせて考えた。
『簪、ないな……。貴重品はないって言ってたし。
持っているとしたら天耀様……?
いや、そもそも簪は残っているのか? 失踪に見せかけた誘拐なら簪は置いてある可能性もあると思ったけど、蘇月が肌身離さず持っていた可能性はあるし絶対じゃないよな……。
あと天耀様は、天舞さんの話が本当なら誘拐犯候補から外してもいいけど、偽造の線はまだ消えてない』
一しきり考えを巡らせた後、雪はため息をついて部屋を出て行った。
『弐の春 蘇月の部屋』終
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