これは『著者：藤間麗 / 出版社：小学館』が権利を有する漫画『王の獣～掩蔽のアルカナ～』の非公式二次創作物です
◆注意する事ばかりで長くなった注意◆
これは
- 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定！」
- 原作のネタバレと世界観＆キャラ崩壊
- 女体化
- 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
- 滲み出る変態性
を含みます。
そして私は
- 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
- あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん！
- 王の獣は単行本７巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
- 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在
です。
それでも見たい人は続きへGO！
金華①
宮廷に努めてしばらくした頃。
私は人気のない庭の茂みで、一人で泣いていた。
自分の母親の事を思い出したのだ。
普段は忘れているのだが、往診している時に亜人の繁殖の話を耳にして思い出してしまった。
その時だ。誰かが私に優しく声を掛けたのは。
「どうしたんだい？ 何か意地悪をされたのかな？」
涙でにじんだ向こうに見えたのは、男の人だ。誰かは分からないが服装は文官の様だった。
「違うんです。私……」
そう言って最初は言うのをためらっていた。
「言うのが嫌なら言わなくてもいい。だが、嫌じゃなかったら聞かせてくれ。そうしたら心が軽くなるかもしれないだろう？」
そう言われて、気が付けば私は全部話していた。
治癒のアルカナを持った母の事。会った事もない兄弟が沢山いる事。母は度重なる繁殖の最中、心が壊れて自ら死んでしまった事。自分は母以上の治癒のアルカナがある事。
そして私も母と同じように沢山の子供を作り、母の様に心が壊れるのではないかと怖い事。
その人は、私の話しを黙って全部聞いてくれた。
「随分辛い思いをしてきたのだね」
そう言って私の頭に優しく手を置いて、涙をぬぐってくれる。
その時ようやっとその人の顔がはっきり見れた。その端正な顔立ちの人は優しく微笑んでくれていたけど、私は急に恥ずかしくなって下を向いた。
「普段は、大丈夫なんですけど……。あの、私そろそろ仕事に戻らなくてはいけないので。お話を聞いてくれてありがとうございました」
お礼を言って私は足早にその場を後にした。
頬と耳が熱かった。
◆
今日は皇帝陛下の問診に同行する事になった。
皇帝陛下は遠目で見たりすれ違う事はあったが、すれ違う時は頭を下げているので顔までよく分からない。
だからこの日、私は皇帝陛下の顔を始めてよく見た。
その人はこの前と同じように優しく微笑んでいた。
「初めまして、ではないな。今日はよろしく頼むよ、金華」
私の頬と耳がまた熱くなった。
『金華①』終
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