Dへの扉

謎生物、地球でやりたい事をする

長閑な国の王とケモノ 第十一話『弐の春 天耀の決意』

これは『著者:藤間麗 / 出版社:小学館』が権利を有する漫画『王の獣~掩蔽のアルカナ~』の非公式二次創作物です


◆注意する事ばかりで長くなった注意◆

 これは

  • 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
  • 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
  • 女体化
  • 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
  • 滲み出る変態性

 を含みます。
 そして私は

  • 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
  • あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
  • 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
  • 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在

 です。
 それでも見たい人は続きへGO! GO!


第十一話『弐の春 天耀の決意』

 天耀の部屋にて。天耀がすっかり綺麗になって、雪も足を綺麗にした後。
「雪に、突然蘇月に付いて調べ始めた理由を話しておきたいんだ」
 天耀はベッドに腰かけ、雪に隣に座すよう命じてからそう口を開く。
「でもその前に、蘇月が失踪した時の事を詳しく説明しなくてはな」
 こうして天耀は『蘇月失踪事件』の詳細を雪に話した。

 

■蘇月失踪事件詳細

●蘇月が姿を消す前後
 蘇月が姿を消した日は、璃琳十歳の誕生日祝いの日。
 璃琳誕生日祝いは家族みんなで過ごす為、後宮の外にある大広間に集まって祝った。
 その宴が終わった帰り道。
「少し疲れたので、夜風に当たってから帰ってもいいですか?」
 と蘇月が言い、天耀は一緒に居ようかと言ったが「一人で大丈夫です」と断られ、彼女に一人で居たい様子もあったのでそこで別れて先に帰った。
 それ以降、蘇月の姿を宮廷内で見た物はいない。

 次の日。
 蘇月の部屋から夜逃げにちょうどいい程度の彼女の荷物と全財産、そして貴重品が無くなっていた。
 消えた主な貴重品は、母親の形見だという簪。


『簪の飾り、あの部屋には最初からなかったのか。
 そして現状蘇月と最後まで一緒だったのは天耀様。
 でもまだこの証言が嘘で、天耀様が蘇月を誘拐した可能性はあるな……』
 雪はそう思いながらも、何となく疑うのは嫌だなという気持ちが湧いていた。


●その後の天耀の行動
 蘇月の部屋の状況から失踪の可能性が高かったが、蘇月は可愛い少女だったので誘拐の可能性も視野に入れ調べた。
 ただ、現在の宮廷は比較的治安が安定していてそういった事件は他に起きていなかったし、誘拐は考えづらいという判断をしていた。
 なので蘇月がホームシックになり荷馬車に紛れ外に出て家に帰った可能性を考え、太博に蘇月唯一の家族である姉の元へ行かせ蘇月が帰ってないか聞くも、帰ってないと答えが返る。

 蘇月失踪から六日後。
 天耀の元に蘇月からの手紙が届いた。
 内容は
『私は私の幸せの為に、しなくてはいけない事が出来ました。
 だから天耀様の従獣はもうできません。ごめんなさい』

 その手紙を読んだ後、アルカナ持ちの亜人は最低でも一度は決められた相手と子作りに励みアルカナを持つ子を増やす為に貢献しなくてはいけない事。
 従獣になった目的である妓女になる予定の姉の見受けが難しいと、どこかで知ってしまった可能性がある事を考慮した天耀は、蘇月は失踪したと決めてその後特に何もしてこなかった。

「私は亜人の見受けが難しいとは、蘇月と初めて会って話を聞いた時から知っていた。
 ただ、私が口添えすればうまくいく可能性もあった。
 しかし絶対にうまくいくとも言えない。
 だから蘇月には亜人の見受けが難しい事も、私の口添えで何とかなるかもしれない事も黙っていた。
 だが蘇月から失踪を告げる手紙が届いた時、こう思ってしまったんだ。
 私が『姉の見受けは難しい』という事を知っていたのに何も言わず黙っていた事実を、蘇月がどこかで知り悪い方に捉えてしまったら……と」
 それから天耀は、蘇月の姉も失踪した事を知ったが二人どこかで暮らしているのだと思い過ごしてきた事。
 それでも、もし返ってきた時には温かく向かい入れたいから蘇月の部屋の手入れをさせていたし、従獣の席は常に空けていた事を話した。
「そうやって今まで、自分は愛想を尽かされたのだと言い聞かせ、蘇月と向き合う事を拒み、目をそらし続けてきたんだ、私は……。
 だが雪が来たのを切っ掛けに改めて蘇月の事を考えたら、不自然な所に今更気が付いた」

 

■蘇月失踪事件の不自然な箇所

 蘇月はとても真面目な子で、そもそも失踪するまでそういった気配すらなかった。
 璃琳誕生日前。蘇月の誕生日がもうすぐ来ると知っていた天耀は、璃琳誕生日の次の日に蘇月と一緒に買い物をする約束もしていた。
 更にそれ以外にも不自然な箇所がある。
 それは、失踪を告げる手紙が太博にはなかった事だ。

 

「あの子……蘇月は、太博が好きだったんだ。
 太博はあの子に良くしていたし、あの子も太博に良く懐いていたよ。だから自然な事だと思う。
 よく私に太博の誕生日や好きな色を聞いていたし、約束していた買い物の時には太博の誕生日も一月後くらいに来るからと、誕生日祝いを買う予定も立てていた。
 だから、そこまで慕っていた太博への手紙がない事はおかしいんだ。
 特に蘇月は真面目な子だったし失踪事態もそうだが、世話になった相手に手紙一つよこさないという礼儀に欠いた行動を取るのも」
 それにと天耀は続ける。
「これは後から知った事だが、蘇月の姉にも私に届いたのと似た内容の手紙が来ていたそうだ。
 だが蘇月は姉を妓楼から出したい一心で、控えめな性格なのに相当無茶をして従獣をやっていた。
 そんな子が姉に会わずに失踪するだろうか?
 もちろん、姉への手紙は私達の目を欺く為の物だった可能性はある。
 太博への手紙がないのも、好きだからこそ手紙が出せなかったとも思える。
 しかし……」
 天耀はゆっくりと雪に目を合わせる。
「仮にそうだとしても、私は蘇月があの日、何を思って姿を消したのか知りたいんだ。
 もちろん、人の心の内など計り知れないが……。
 それでも私は蘇月がどう思いどう感じ、どうして姿を消したのか知りたい。
 今更だが、向き合いたい。
 そしてもしあの失踪が何らかの事件に巻き込まれ起きたのなら、私は全力で解決したい。
 だから今日、麗雲兄上に話を伺いに行った」
 それから天耀は一呼吸する。
「それで雪にお願いがある。
 私は手始めに今回の様に家族に蘇月の話を聞いて回るつもりなんだが、それに付き合ってはくれないだろうか?
 これは私の問題で雪は関係ないのだが、今回もそうだが次も雪がいてくれると助かると思うんだ」
 当然だが、雪にそのお願いを断る理由はない。むしろ好都合だと心の中でほくそ笑んだ。
「天耀様が望まれるなら、僕に断る理由はないですよ。それに僕はあなたの従獣です。
 わが主の望みを叶える為、主の意のままに従うと誓います」

 こうして雪は天耀君の手の平でコロコロされているのも気が付かず、『好都合』と心の中でほくそ笑みながら蘇月の事を堂々と調べる事に成功させた!

 太博が雪の部屋での家探しを済ませて布団を動かしたのがばれない様偽造した後、女官から雪の靴を持って来るようにと天耀からの伝言を聞き『裸足で逃げたからな……』と靴を運んでいると、天舞と出会った。
「太博様、それって雪さんの靴ですか?」
「ああ」
「どこかに隠してイジメるとかではないですよね?」
「そんな事はしない! ……天耀様の頼み事でな」
「もしかして、雪さんが裸足で走っていたのと関係あります?」
「まぁ、そうだが。あまり余計な詮索はするなよ」
 まぁ、見られてるよな。と思いながら太博は妹にくぎを刺した。
 天舞は天舞で『あれは特殊な訓練か童心に帰った遊びだったのろう』程度で終わらせ、「そうだ!」とポケットから一枚の紙を取り出す。
「雪さんの好みとか色々聞いておいたのを纏めておきました! あとで天耀様と一緒に見て、いいプレゼントを用意してくださいね。
 あとプレゼントはサプライズ制が大切ですから、雪さんに悟られないようにしてください!」
 と去ってゆく。
 太博は天舞が去ったのを見届け、先に内容を読んだ。
 しばらくして深く息を吐くと、メモを懐にしまい天耀の元へ向かった。

 

 天耀が雪に決意を伝え終わった頃、会話が終わるのを静かに待っていた太博が入って来て雪に靴を渡す。
 何かもの言いたげな顔で。
 雪は申し訳なさそうに耳を寝かせつつも、お礼を言って靴を履き業務に戻った。
 雪が遠ざかり話を聞かれないくらい離れた頃、太博は天耀に「天舞が雪の好みを纏めた物です」と紙を渡すと一部分を指差す。
「この好きな色は青という部分ですが、以前蘇月から姉の好きな色は青だと聞いています。
 それから天耀様達が部屋を出た後ベッドを調べたら、蘇月が付けていた物とそっくりな赤いリボンが出てきました」
「そうか……。太博、覚えているが? 蘇月がまだここに来たばかりの時、簪の飾りを手に持っていた時の事を」
「はい」
 太博は頷きあの頃を思い出す。

 まだ蘇月が従獣になりたての時。彼女の姿が見当たらず迷子になっているのでは? と、天耀と一緒に探した事があった。
 蘇月はすぐに見つかった。宮の人目に付かない場所で手に何かを持って立っていたのだ。
 そして顔には涙の痕。
 事情を聞けば、寂しくなってこれを見ていたのだと手に持っていた物を見せてくれた。
 それは赤い宝石が付いた母親の形見だという簪の飾りだ。
「家を出る時、寂しいからと……飾りの部分と柄の部分で半分こしたんです」
 その時蘇月から、いつか直して姉に返したい事、その時喧嘩をしてしまったので謝りたい事を聞いた。
 そういう事情を聞いていたのもあり、天耀は外に出る時なるべく空いた時間を作って蘇月を藍月に会わせに行かせた。
 しかし結果はタイミングが合わず、いつも会えずじまいだったが。

「雪が必死になって私から奪い取ったあの簪の柄には、飾りがついてた痕跡があった。
 あそこには元々、蘇月が持っていた物が付いていたのかもしれない。
 ならば……」


 私はあの時、蘇月は失踪したと決めつけた。
 藍月の失踪も、二人でどこかへ行ったのだと思い込んだ。
 しかしそれは違っていたのかもしれない。
 恐らく雪は藍月だ。
 そして藍月は、蘇月と合流していない。
 ならば私は彼女に協力し、消えた蘇月を見つけ出そうと思う。
 今まで事実と向き合う事をせず、目をそらし続けた私の罪を滅ぼす為にも。

 

おまけののどケモ『天耀は男』

 夜。今日の業務が終わった所で天耀は真面目な顔をして考えていた。
『お仕置きって言って服を脱げと命令すればよかったか? いや、これはまたマニアックな感じになるな。
 ……良いが。非常に良いが』
 そんな天耀の姿を見た太博はこう思う。
『天耀様が真面目な顔で、また何かしょうもない事を考えている予感がする……!』

 

第十一話『天耀の決意』終

 

 のどケモキャラを『不徳のギルド』の世界に突っ込みたい。
 墨と謡尾以外女にして。

 ちなみに私的には

  • キクル=墨
  • ヒタムキ=藍月
  • メイデナ=璃琳たん
  • ノマ=謡尾

 だ。
 でも墨キクルはメイデナ璃琳たんとしか恋愛はしない!
 これは絶対だ!

 あと不徳のギルドのOP&ED見てると、これののどケモバージョン作りたいなぁなる。
 技術的にも気力的にも無理なんだけどね(´ω`)

 

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次回

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原作の広告(2022/12/24 情報)

Cheese!(チーズ!)

 2019年3月号~2023年2月号に王の獣が掲載されている。
 2022/12/24時点で電子版で全号購入可能。
 割高にはなるが連載中なら最も早く王ケモが見られる。
 また、マイクロ&単行本で修正された箇所が電子版でも元の状態で見られると思われるので、単行本とセットで買って変化を楽しみたい人向け。

 

王の獣~掩蔽のアルカナ~【マイクロ】

 50巻まで発売中。
 1巻で大体1話分くらいが見られる。(ページ数による)
 先行配信をしているサイトもある。
 連載中に雑誌より安く、単行本より早く王ケモを見たい人向け。

 

王の獣~掩蔽のアルカナ~

 11巻まで発売中。
 1巻に大体4話入ってる。(1話分のページ数による)
 時間が掛かってもある程度安くまとめて読みたい人向け。

 

*1:なお、小説を賞に応募した事もあるが1次審査すら通過した事はなかったし、評価シートありの所では常に構成の評価が最低ランクだった

*2:試し読みや読者の感想等も36話くらいでよく見なくなり、大して分からない