Dへの扉

謎生物、地球でやりたい事をする

長閑な国の王とケモノ 番外編『チョコレート・パニック!』

これは『著者:藤間麗 / 出版社:小学館』が権利を有する漫画『王の獣~掩蔽のアルカナ~』の非公式二次創作物です


◆注意する事ばかりで長くなった注意◆

 これは

  • 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
  • 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
  • 女体化
  • 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
  • 滲み出る変態性

 を含みます。
 そして私は

  • 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
  • あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
  • 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
  • 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在

 です。
 それでも見たい人は続きへGO!GO!

チョコレート・パニック!

 蘇月が元の生活に戻って来て、初めての弐の冬。
「これ、新作お菓子の試作品なんだけど」
 と、璃琳は蘇月の休憩時間中に会いに来て彼女に箱を差し出す。
「綺麗な箱だね」
 そう言って箱を受け取った蘇月は中を開けて見る。すると、一口大の茶色いハート形の物が二つ並んで入っていた。
「なあに? これ。すごくいい香り……」
「海外のお菓子でね、チョコレートっていうの。まだこの国には普及してなくって、これから広めていこうと思ってるんだけど」
 璃琳は服や化粧品の他に、食べ物の事業にも力を入れている。
 そしてその一環で、自国のお菓子の輸出と自国での海外のお菓子の普及を目指しているのだ。
「それで、これって恋人に送って食べる風習もあるみたいで、だから恋人同士で食べられる物を作らせて今日やっと届いたのよ。
 ま、恋人同士って言ってもアンタはまだ恋人にはなってないみたいだから、藍月と一緒に食べてちょうだい。
 あと、ちゃんと感想聞かせてね」
 蘇月は『恋人にはなってない』の部分で恥ずかし気にしたが、すぐに喜んで「うん分かった」と返事をした。
「でも、璃琳ちゃんの分は?」
「安心しなさい。試作品は二つ届いているから」
 そう言って去って行く璃琳の背中を『墨さんと一緒に食べるんだろうなぁ』と蘇月は見送り、早速姉を探して一緒にチョコを食べる事にした。

「というワケで、これがチョコレートよ! まぁこれ、結構高くてそのまま販売しても庶民には中々手が出せないんだけどね……」
 つまり、今の所は高収入層向けである。
「いい香りだ」
 そう言って墨はお茶を二人分テーブルに置き、既に椅子に座っていた璃琳の前に座る。
 ちなみにここは墨の部屋だ。近くに二人を邪魔する人間もおらず、寛いでいる。
「じゃ、早速食べるわよ」
 璃琳がそう言って一個を口にし、墨も『酒の香りもするような?』と思いながらもう一個を口に放り込んだ。
 舌の上に乗せたチョコは甘くておいしかった。そして噛むと、中からドロッとした甘い液体が出て来る。
 それは酒の味がしたので『あぁ、中に酒が入っていたからか』と墨は思いながら飲み込んだが、相当強い酒だったようで少量なのにフワフワした気持ちになって来た。
「璃琳、これ相当強い酒を使っているが……大丈夫か?」
 璃琳は酒をあまり飲まない。なので気遣って墨は璃琳の方を見たのだが、彼女はうつむいていたかと思うと急に「ふふふ……」と不気味に笑い立ち上がり、墨を引っ張ってベッドに押し倒した。
「墨、大人しくしてなさ~い!」
 そんな璃琳を前にするも『いつもとちょっと様子が違う様な、そうでもない様な……』と思うばかりで、墨は特に何も抵抗しないでいた。

 一方その頃。
「なんかこれ、酒の香りがするけど」
 蘇月は藍月と一緒に、自分達の部屋で休憩時間中にチョコを食べようとしていた。
「中に入ってるのかな?」
 蘇月は二人分のお茶をテーブルに置き席に着く。
 そして二人一緒に口に放り込んだ。
「中からドロッと濃厚な酒が出てきた……」
 口の中でチョコをモゴモゴしながら藍月が言い、蘇月は飲み込んだ後お茶を飲む。
「外側は美味しいけど、中のはお酒の味がちょっときついかも……」
 蘇月はさほど酒が得意ではない。だから酒はいつもアルコール度数の弱い物を飲んでいるくらいなので、早速顔を火照らせた。
「でもなんかこれ、酒以外にも何か薬っぽいのが入っているような?」
 藍月も舌の上で注意深く転がしていたが、ようやっと飲みこんでお茶をすする。
 そして、異変はすぐに表れた。

 そろそろ休憩時間が終わろうとするのに、藍月と蘇月が揃ってやって来ない。
「何かあったのかもしれませんね。探してきます」
 蘇月に対してやや過保護気味の太博が執務室を出ようとしたので、「私も一緒に探すよ」と天耀も部屋を出た。

 取り合えずと、初めに向かったのは藍月達の部屋だ。
 蘇月が戻って来た後、彼女らは少し大きめの部屋に移って同じ部屋で暮らし、同じベッドで寝るようになった。
 そんな仲良しさんの部屋の前にやって来た天耀達はドアをノックするが、返事がない。
 ただ部屋の中でうめき声の様な物が聞こえたので慌てて中に入り、驚愕した。
 ベッドの上で、服が乱れた藍月と蘇月が伸びていたからだ。
「あ……天耀様……」
「なっ、何があったんだ?!」
「いや……璃琳様から頂いたお菓子を食べたら、媚薬が混ぜられていた様で……」
 ちなみに説明しているのは藍月だけだ。蘇月はもうそれをする余裕すらない。
 そんな中
『アルカナを使えばどうにかなるだろ! あ、気持ちいいから使おうとしないのか……!』
 と天耀と太博はそろって心の中で思う。
 それから、天耀は皇子フェイスで何かを考え始めた。
『天耀様がまた真面目な顔をして、ろくでもない事を考えている予感がする……!』
 太博がそう思いながら見守っていると、天耀は藍月をお姫様抱っこして出口に向かう。
 そして振り向きざまに
「添え前喰わぬは男の恥!」
 と叫んだ。
 逆光が無駄に天耀をカッコよく演出している。
 そして、彼は再び前を見て走り去ったのであった……。

『「添え前喰わぬは男の恥!」と言ってもな、蘇月と私は天耀様達みたく付き合ってるわけではないし……』
 あまりにも蘇月が辛そうで不憫だった為、ベッドで隣り合って座り頬に手を添えてみたり耳を優しくなでながら太博はそう考えていた。
 もちろん色香を振りまく蘇月を前にしても賢者モードを保つため、妹の天舞を想像する事も忘れていない。
 蘇月の方は太博の手に頬や耳をスリスリさせ、尻尾を彼の腰に添えるように巻いて寄り添い座っていた。
 が、それだけでは満足できなくなり、太博に体を更に寄せて縋り着く。
「あの……もっと他の所も、触ってほしい……です……」
 太博の本能メーターが上昇した。が、それを可愛い天舞が抑え込む。
 そして太博は深く息を吐き感情を整えた。
「蘇月、そういう事は好きな人にやってもらえ」
 そのセリフを蘇月はとろんとした目で見つめ、ほんのり微笑む。
「大丈夫、です。私……太博様の事、好きなので……」
 ピクリと太博の体が動き感情が乱れ、心の天舞がより一生懸命荒ぶる感情を鎮めた。
「それは、お前が変な物を食べて……こうなってるからそう思うだけだ」
 妹にするように、頭をそっとなでてやる。
 元からウトウトしていた蘇月は
「え……私、ちが……」
 と何か言い終わる前にとうとう眠りに落ち、ホッとした太博は蘇月を布団に入れて部屋から出た。

 その後。
 藍月も蘇月も一時間ほどで媚薬効果は消え、仕事に戻った。
 天耀と藍月は何か良い事があったかの様にウキウキとし、太博と蘇月は気まずげにお互いあまり近寄らず過ごす事になったが。

 翌日。
 天耀と藍月は今日も何か良い事があったようにしている。それに何だか肌もツヤツヤだ。
 太博と蘇月は昨日よりは多少ましになったが、まだ気まずげにしている。
 そんな彼らの元に、ツヤツヤの肌の璃琳が謝りに来た。
 昨日渡したチョコは、お酒や薬草で発情効果を付けた『媚薬チョコ』だったと。
 なんでも『恋人達が食べるチョコレート』という注文に対し、どういった物がいいか議論していた開発チームが暴走した結果、このような物が生み出されてしまったらしい。
 だが天耀の好感が高かった為、普通のチョコレートとは別に媚薬チョコの方も効果を抑え気味で一般流通する為に開発していく事となるが。

「あの、太博様。話があるのですが……」
 璃琳が帰った後、蘇月は太博を人気のない庭に呼び出した。
 そして
「昨日は申し訳ありませんでした! あんな……はしたない態度を取ってしまい……」
と頭を下げて謝る。
「いや、仕方がないだろう。私も気にしてはいない。
 あれは事故のような物だから、お互い忘れる事にしよう」
 その言葉を聞いて蘇月は段々と、不機嫌な顔になった。そして太博から顔を逸らす。
「でも私、あの時確かにいつもと違う状態でしたが、いい加減な気持ちだった訳ではありませんから!」
 そしてこの場を後にした。
 残された太博も、立ち去った蘇月も、顔が赤かった。

 

『チョコレート・パニック!』終

 

 こちらの世界の蘇月はEカップの女の子。
 そして璃琳たんは嫁には行かず、墨と付き合ってる。
 それと、璃琳たん絵は神吉李花さんのケモ耳ちゃんのザコ好き猫ちゃんとかを参考に描いた。
 Bカップのはずなのに大きく見えるのは、私の欲が反映された結果。

 ちなみに太博さん的には、ほっぺに手を添えたりお耳を撫でるのは恋人じゃなくてもOK判定の様だ。

 

前々回

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前回

番外編『だ~れだ! がしたい天耀様』

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次回

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*1:なお、小説を賞に応募した事もあるが1次審査すら通過した事はなかったし、評価シートありの所では常に構成の評価が最低ランクだった

*2:試し読みや読者の感想等も36話くらいでよく見なくなり、大して分からない