◆注意する事ばかりで長くなった注意◆
これは
- 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
- 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
- 女体化
- 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
- 滲み出る変態性
を含みます。
そして私は
- 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
- あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
- 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
- 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在
です。
それでも見たい人は続きへGO! GO!
第十五話『弐の春 亜人毒殺事件二』
雪は質問の答えを聞いた後、また黙って考えた。
そして旺眞と天耀も何か暗い顔をしている。
ちなみにこれまでの聞き取りで、その毒が何という名前でどのような効果があるか一行は説明を受けていた。
そして、雪は元からこの毒の事を多少は知っている状態で、旺眞に至ってはこの手の事にも詳しく十分な知識がある状態である。
だからある違和感を強く感じているし、知識が大してない天耀も話を聞いただけで大体の事は察してしまっていた。
だから各々このような反応をしているのだが、逞牙は相変わらずよく分かっておらず、しかし何か張り詰めたような空気は感じてた。
ただ特に何かする事もないので、出されていたお茶とお茶菓子に手を付け始めていたが。
しばらくして、天耀はシンクーが倒れた現場が見たいと言い一行は移動した。
そこは景色と日当たりがいい窓辺の席だ。
当日は窓を開け、向かい合って座っていたとチュンツイは話す。
そこで考え込んでいた雪が「あの」と声を掛け、シンクーに使われた毒と同じ物は今あるか聞いた。
「商人に問い詰めた時に、参考になるかもしれないと買った物がありますが……」
「見てみたいのですが」
ならばとチュンツイは毒を持って来てくれる。
雪は薬包に包まれたそれを受け取り、慎重に中身の臭いなど嗅ぐと口を開く。
「これを茶に混ぜてみてもいいですか?」
雪の提案で当時の毒入りの茶の再現を行う為に台所に移動した一行は、早速茶を入れそこに毒を混ぜる手順に移る。
毒の量は薬学に精通している旺眞が推測できた。
『亜人が茶碗に入ったお茶を三分の二は飲んで亡くなる量なら、このくらいね』*3
旺眞は普段似たような事をしているので手慣れた手つきで、しかし毒なので慎重に量を計って湯呑に注がれた茶に入れる。
「粉、下に沈んでますね」
嫌な臭いがするなと思いながら、茶の底に沈んだ粉を覗いて逞牙が呟く。
「この毒は比較的溶けやすいけど、混ぜてやらないと下に残るのよ」
逞牙に答えてやりながら旺眞は匙で混ぜた。
天耀はその光景を見ながら『毒が付着した匙はこうして使われたのだろうな……』と考える。
そうして毒入りの茶が出来上がった頃、雪は湯呑を手に取った。
「やはり、独特な臭いがありますね」
茶をクンクン嗅いで、茶の物とは違う特徴的な嫌な臭いを感じそう言った後、とある確認の為に「味は……」と湯呑に口を付けて少量含んだ。
天耀は「おい!」と慌てるが、雪は涼しい顔で吐き出す。
「やっぱり。この毒は妙な苦みが強いですし、少量口に含めばすぐに分かるはずですが……」
亜人ならなおさらである。
何故なら彼らは五感のすべてが人間より優れているのだから。
「口を! 雪、早く口をすすぐんだ!」
「大丈夫ですよこれくらい……致死量じゃないんで」
雪はそう言ったが、天耀は問答無用で口をすすがせた。
「チュンツイのお母様、ツーシャンの様子を見たいのですが」
毒入りの茶の再現の後、雪の口内を綺麗にしてから。天耀はそう言いチュンツイと二人で気配を悟られない様に様子を見に行った。
すると彼女は確かに様子がおかしい。
何か不安に思っている事がある様な、もしくは……。
「様子は分かりました、ありがとうございます。あぁ、それから……」
「今日はお辛い中、色々お話を聞かせてくれてありがとうございました」
「いえ! こうして呼んだのは私なのですから……」
そろそろお暇しようとした天耀の態度に恐縮するチュンツイに「何かありましたら、またすぐに行きます」と別れを告げ、一行は一旦宮廷へと帰った。
◆
天耀達が去って一週間後のチュンツイの屋敷・深夜。
ツーシャンは何か聞こえた気がして目を覚ました。そして妙な明るさを感じ窓を見る。
『カーテンは閉めたはずだけど……』
彼女は何故か開いていたカーテンを閉めようとベッドから立ち上がり……驚愕する。この夜は満月で、暗さに目がなれた彼女は外の様子もしっかり見る事が出来てしまったのだ。
窓の外には、人がいた。
それは花嫁衣装を着て踊る犬の耳と尻尾をした亜人、シンクーだった。
深夜の屋敷に、ツーシャンの悲鳴が響いた。
◆
天耀達一行はチュンツイに呼ばれて再び彼の屋敷に来ていた。
しかし新たな事件が起きた訳ではない。事件の真相が全て分かったので手間を取らせたお詫びと事情の説明の為に呼ばれたのだ。
出迎えてくれたチュンツイは、以前会った時よりもやつれている。
事件が解決したというのに、明るさはない。
そして以前のように自分の応接室に通した後、彼は絞り出すように真相を話した。
数日前の深夜、ツーシャンが悲鳴を上げて倒れた。
そして目が覚めるなり事件の真相を涙ながらに語ったのだ。
「確かに私があの子のお茶に毒を仕込んだ。
でも殺すつもりなんてなかったのよ!
あの毒は独特な苦みと臭いがするから、あの子ならすぐに分かって飲まないって思ったの。
だからあの子がお茶を入れてる時に会いに行って、飲む事は考えないで適当に毒を入れて匙でかき混ぜた。
匙でかき混ぜた所も見られた気がしたわ。でも別に良かったの。
私から毒を盛られたと分かればいいと思っていたから。
そうすればあの子はどれほど私から疎まれているか分かるから。
あの子の性格なら、チュンツイとの恋は諦めて家を出て行くと考えたから。
出て行った後の引き取り先も考えていて……。
でも違った。あの子はお茶を飲んでしまった!
あぁ、ごめんなさい。私は殺すつもりじゃなかったのよ……。もっと別の物を使っていれば、別の方法を取っていれば、死なずに済んだのに……。
ごめんなさい、ごめんなさい……」
それからチュンツイはシンクーの部屋を調べると、日記帳が出てきた。
亜人や平民は基本、文字の読み書きができない者が多い。
しかしシンクーはチュンツイから文字の読み書きを教わっていて、まだ教えてもらって日が浅い頃に「毎日書いてごらん」とチュンツイに日記帳を送られ、それから書き続けていたからあった物だ。
そしてその日記には、以下の事が書かれていた。
■シンクーの日記・一部抜粋
○月×日
私はチュンツイ様を愛している。
しかしこのままではチュンツイ様が不幸になるかもしれない。
チュンツイ様が不幸になるのは、嫌だ。
○月×日
奥様はチュンツイ様に結婚相手を与えた。
屋敷に来ていたのを見たけど、とても綺麗な人だ。
私にも気さくに話しかけてくれた。
きっと、あの人はチュンツイ様に見合う良い人だ。
○月×日
チュンツイ様から駆け落ちの話をされた。
私を愛人にはしたくないと言って。
私は一緒に行くと答えたが不安だ。
チュンツイ様は身分は捨てる、いらないと言っているが、それは彼にとって本当に幸せな事なのだろうか?
それに……。
アルカナもなく器量も良くないからこの屋敷に来た私を、この家の人達は良くしてくれた。
なのにこのままでは、私は今までお世話になった人達を裏切る事になる。
そんなのは嫌だ。
なんで、私は亜人なのだろうか?
***
「結局、シンクーを一番追い詰めていたのは私だったのかもしれませんね」
こうして、亜人毒殺事件は幕を下ろした。
???
彼は窓の外を眺めて「本当だ。ぽつぽつ咲いている」と今朝、私が話した花を見て言っている。
私は、茶を一口含む。酷い臭いは感じていたが味も酷い。
これは、毒かもしれない。
奥様が何か混ぜていたのは見たので知っている。私を彼から引き離す為の企てなのだろう。
だから、数日前に奥様は私を雇いたいというお友達を紹介していたのか。
私が奥様からここまで嫌われると知ったら、この屋敷を出て行くと考えて。
でも、もしこれが本当に毒ならば……。
私は一気に茶を飲んだ。
でも、最後まで飲み切れなかった。
苦しい。痛い。息が、出来ない……。
彼の悲痛な声が聞こえ、喉の奥から熱い物がこみあげて…………。
***
私は彼と幸せになりたかった。
彼なしの生活なんて、考えられなかった。
でも、私の一番の願いは彼の幸せ。
だからどうか幸せになってほしい。
そして……。こんな方法しか取れなかった私を、いつか許してほしい。
第十五話『亜人毒殺事件二』終
宮廷からチュンツイの屋敷は、帰りだけ一泊するくらいの距離かな?
とか考えたりしてた。
ちなみにチュンツイはちゃんと天耀達にお菓子とか手土産を渡してる。
シンクーの職場変更は、変更先の仕事が今の仕事とさほど変わらない事と引き取り手の身元がしっかりしてるので、手続きはあるが比較的簡単に行えるって事にしてほしい。
それと、毒は呼吸困難に陥り死に至るような毒なので、実際には血は吐かないかも?
でもこの世界は架空の世界なので
『致死量に達する量を飲むと瞬時に肺の細胞を破壊し呼吸困難に陥らせ血を吐きながら窒息死する』
的な毒があるのかも。*4
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