Dへの扉

謎生物、地球でやりたい事をする

長閑な国の王とケモノ 第十八話『参の春 天耀と紅玉の情報共有』

これは『著者:藤間麗 / 出版社:小学館』が権利を有する漫画『王の獣~掩蔽のアルカナ~』の非公式二次創作物です


◆注意する事ばかりで長くなった注意◆

 これは

  • 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
  • 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
  • 女体化
  • 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
  • 滲み出る変態性

 を含みます。
 そして私は

  • 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
  • あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
  • 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
  • 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在

 です。
 それでも見たい人は続きへGO! GO!


第十八話『参の春 天耀と紅玉の情報共有』

 天耀は紅玉と個室に入ってゆく。
 そして情事……には当然ならず、頼んでおいた藍月・蘇月と雪の情報を聞いていた。
 ちなみに天耀は妓楼に出入りするようになってから、こうして部下の紅玉を指名し話を聞く事が多かった。
 なので紅玉は天耀のお気に入りだと、事情を知らない者から思われる様になったという訳である。

■紅玉からの情報

藍月・蘇月について

 彼女らは自身の母が務める妓楼近くの医院の離れで暮らしていたが、八歳になる年に彼女達にとっての唯一の肉親である母が死亡。
 その後は周囲の大人達に助けられながら医院の離れにそのまま暮らしつつ仕事を手伝い、二人で生きていた。
 十歳になる年、藍月は妓女になる為に妓楼に移動し、蘇月は従獣になり宮廷に移動。

 そして、そんな二人と紅玉は知り合いである。
 蘇月は従獣になる前に文字の読み書きを習いに妓楼に出入りする事もあったし、藍月は十歳になる年から紅玉の世話係をしていた為だ。
 しかし藍月は蘇月がよこした失踪を告げる手紙を紅玉が読んで聞かせた後、妓楼を出た切り帰ってこなかった。

***

「あの時。私が読んで聞かせずにいたら、もう少し違う未来だったかもしれませんね……」
 紅玉は後悔からそう言って肩を落とし、天耀は「紅玉、お前は悪くないさ」と優しく、しかしどこか悲し気に微笑んだ。

藍月と蘇月の行方

 藍月・蘇月共に現在もどこにいるか分からない。
 妓楼の女主人や医院の医師も探している様子だが、年齢と外見的特徴が一致する亜人はぼちぼち見つかれど、どれも彼女達ではなかった。

***

「男のふりをしているかもと探していたのですが……*3
 紅玉は知っている情報から、もしかしたら少なくとも片方は見つからない様にしていたのかもと考えていた。

誕生日に金平糖

 藍月・蘇月の誕生日である壱の秋の始めに、必ず金平糖を送る人がいた。しかし藍月が失踪してすぐに来た誕生日の日には送られてこなかった。
 それからずっと金平糖は送られていない。

***

「……」
 天耀はそれに引っかかる物を感じるが、具体的には思い当たらず黙っていた。

藍月と蘇月の親

 母は金華という名前のアルカナ持ちの狐系亜人。髪の色は金色で治癒のアルカナを持っていた。
 父親は皇帝の従獣・彊虎。

 そして藍月・蘇月は、アルカナを継承する子孫を残す為の人為的な繁殖で生まれている。
 故に金華と彊虎は連絡を取り合う事もなかったようだ。

***

「あぁ……、なるほど」
 天耀は苦笑いをした。とある事の裏事情が何となく分かったからだ。
「紅玉にも聞いてほしい話なのだが……」
 と、金華と宗現の関係性を話すと、紅玉も苦笑いをする。
「なるほど。彊虎様は皇帝陛下を慕っておりますし、それで……かもしれませんね」

金華の経歴

 幼少期は亜人を繁殖させる施設で育つ。
 十歳前にアルカナが開花して、この妓楼近くの医院で働きながら離れで暮らす。
 十四歳になる頃にそのアルカナ故、宮廷に招かれ働く。
 十八歳で藍月・蘇月を産み、元居た花街の医院に返される。
 二十六歳の頃、大きな戦が起き兵の傷を癒す為に戦地に赴いていたが、十か月後に殉職。

雪について

 宗現の親友であり宗現直属の部隊・隊長*4の孔先が拾い、育てた少年。
 拾われるまでの記憶がない。
 また、孔先が見つけた時に怪我をしていて男●と睾●が失われている。
 拾われた時期は藍月が失踪し行方不明になった後の壱の秋。

***

 ここで、天耀は自分達が知った情報を紅玉に伝えた。
 内容は、雪はサラシを巻いていて好きな色は青だという事、雪が来てから乱れた蘇月の部屋、太博が今まで隠していた事、自分達の予想、雪が持っていた簪の柄、そして赤いリボンの事などである。
 そしてこれら情報を伝え終わると、紅玉は少し考えて口を開く。
「簪の柄は銀色で、植物の模様が彫られていましたか?」
「ああ。模様もじっくり見た訳ではないが、植物っぽい物が彫られていた」
「でしたら、藍月も似た物を持っていましたよ。いつも肌身離さず……」
 紅玉は目を伏せた。藍月が人目を避けてその簪の柄を悲し気に見つめていた当時を思い出したのだ。
「紅玉は雪を見てどう思う?」
 その質問に彼女は銀髪に空色の瞳の狐系亜人は多くはないが少なくもない事、むしろ縁起がいいからと銀髪の亜人は好んで作られる傾向が過去にあった事を考慮しつつ。
 雪は藍月・蘇月に似ているとして、絶対ではないが情報や仕草・立ち振る舞いなどから雪は藍月だと思うと告げた。
「右腋のホクロが確認できれば、もっと確かな物になるのですが……」

最近何か変わった事はあるか?

 二つほどある。
 一つはアルカナを持つ子供を意図的に作り、アルカナ持ちの子供に苦痛を与える事で強制的にアルカナに目覚めさせ兵器として育てていた組織を宗現が壊滅させた事。
 もう一つは彊虎が以前ほど宗現に付かなくなった事で彊虎が病気では? と話す者がいる事。

***

「父上はまた……」
 宗現はあまり他人を頼ろうとしない性格だ。だからそういった事で子供達に相談しないし頼らない。
 もちろん子供達が先に、きな臭い事件を嗅ぎ付けた場合は違う。
 だが宗現の部隊が優秀というのもあり大体は宗現が先に見つけて、いつの間にか事件を解決し、そしてその結果だけが天耀達の耳に入る事が多かった。
 しかし天耀達としては、何でも自分で何とかせずに子供達も頼ってほしいと思っているが。
 ちなみに今回は紅玉が早めに教えてくれたので、いつもより早く知る事が出来た。
 そして天耀は頭が痛いと言わんばかりに片手で頭を押さえていたが、大きなため息を付くと姿勢を改め。
「あと、彊虎さんが病気だなんて話は特に耳にしていないな……。でも確かに最近父上と一緒にいないような?」
 生活の節々で見かける父を思い出しそう答える。
「そうなのですね。では、それ以外に特に変わった事はありませんわ。
 所で、今日はどうしますか?」
 いつもならもう少し酒を飲んでまったりしてから帰る所だが。
「今日はもう帰るよ」
「雪さんが心配ですか?」
 そう紅玉が聞くと天耀は困ったように笑う。
「お前と部屋を出た時、ショックを受けていた様だったからね」

 天耀と紅玉が情報共有をしている頃。
『今頃天耀様と紅玉姉さんは……』
 雪は妓楼の露台*5に座り込み、そんな事を考えて頭を振り酒をあおった。
 実は雪の中には『知り合い同士が個室に消えて行った』という以外にモヤモヤする原因があるのだが、本人はその気持ちに気が付けない。
 だから雪は嫌な気持ちを抱えながら子供みたいに拗ね、酒とつまみを口に運んでいた。
 すると、煙草の臭いを漂わせながら何者かが近寄って来る気配がして慌ててフードをかぶる。
 扉に背を向けているし、今いる露台の近くに来る人はいないからと煩わしさもあり外していたのだ。
 しかし何者かは扉越しに雪の前に立つと、しわがれた声で笑う。
「お前は第三皇子・天耀様の従獣・雪なんだろう? なら顔を隠さなくていいよ」
 声の主はこの妓楼の女主人。そう、ババァだ。
 ババァはキセルをプカプカさせて、「これは私の独り言だ」と言うと昔話を始めた。

 

第十八話『天耀と紅玉の情報共有』終

 

 妓楼には情報が集まるので、逞牙が子供だという話は既に出回ってたよな?
 なったが、今年アルカナ検査を受けたばかりの十歳児とは思っていなかった(すでに軍とかに努めていた人だと思ってた)って事にした!
( ・`ω´・ )

 あと金華は幼少期アルカナ持ち亜人繁殖施設で育ったが、知らない兄弟多数っていうの変かな?
 って思ったが……。
 複数人のアルカナ持ち亜人を繁殖させていて、基本は生まれた子供もここで育てるけど、キャパオーバーしている場合はよそに預けられる。
 とかかな?
 とか考えたりした。
 でもえげつない!

 

前回

ayano-magic.hatenablog.jp

 

次回

ayano-magic.hatenablog.jp

 

関連記事

ayano-magic.hatenablog.jp

lunatic.hatenablog.jp

ayano-magic.hatenablog.jp

 

原作の広告(2023/2/24 情報)

Cheese!(チーズ!)

 2019年3月号~2023年4月号に王の獣が掲載されている。
 2023/2/24時点で電子版で全号購入可能。
 割高にはなるが連載中なら最も早く王ケモが見られる。
 また、マイクロ&単行本で修正された箇所が電子版でも元の状態で見られると思われるので、単行本とセットで買って変化を楽しみたい人向け。

 

王の獣~掩蔽のアルカナ~【マイクロ】

 52巻まで発売中。
 1巻で大体1話分くらいが見られる。(ページ数による)
 先行配信をしているサイトもある。
 連載中に雑誌より安く、単行本より早く王ケモを見たい人向け。

 

王の獣~掩蔽のアルカナ~

 11巻まで発売中。
 1巻に大体4話入ってる。(1話分のページ数による)
 時間が掛かってもある程度安くまとめて読みたい人向け。

 

*1:なお、小説を賞に応募した事もあるが1次審査すら通過した事はなかったし、評価シートありの所では常に構成の評価が最低ランクだった

*2:試し読みや読者の感想等も36話くらいでよく見なくなり、大して分からない

*3:女の子より男の子の方が多少は犯罪に巻き込まれにくくなる為

*4:皇帝直属の軍部で一番偉い人かそれに近い人。名称はこれで合っているか分からないが、軍事関係はあっぱっぱーな私には複雑すぎるので適当にしてる

*5:ベランダみたいな場所。この言葉で合ってるか分からない