◆注意する事ばかりで長くなった注意◆
これは
- 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
- 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
- 女体化
- 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
- 滲み出る変態性
を含みます。
そして私は
- 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
- あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
- 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
- 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在
です。
それでも見たい人は続きへGO! GO!
第十九話 参の春『ババァの昔話』
娘は幼い頃、村の為に妓楼に売られそれから妓楼で育った。
周りには亜人も多く、同い年の亜人と仲良くもしていたから娘に特別差別意識はなかったし、むしろ仲間意識の方が強かった。
こうして娘は妓女となって奉仕したが、見受け先も決まらず気が付けば妓楼を任せられるようになり、年老い、老女になっていた。
◇
これは今から30年近く前の事。
妓楼近くの医院に金華という亜人がやって来た。
大層可愛い娘だった。アルカナを持っていなければ妓楼で働いていたであろうと言われたほど。
ただ最初は暗い顔をしている事が多く、あまり笑わない娘だった。
けどこの辺りの連中は気のいい奴らが多いせいか、段々と笑顔を見せるようになっていったが。
そんな金華だが、やって来て数年で宮廷の仕事に就く為医院を一旦離れ。それから数年後、双子の白狐を抱えて再び花街へ帰って来た。
帰って来た彼女は、ますます笑顔を見せるようになっていた。
しかし……。
双子が八つになる年。戦争が起き、金華は戦地で傷ついた兵を癒す為に子供を置いて再び医院を出て……今度は死んで帰って来た。
下の子はわんわん泣いていたが、上の子は歯を食いしばって泣くのを我慢しているのを、老女は今でもよく覚えている。
それからこの双子は、周囲の大人達が育てて行く事になった。
◇
白い双子の子狐は可愛らしい子供だった。将来は母親に似て美人になるだろうと噂されるくらいに。
だから、彼女らの就職先は随分前から妓楼だとされていた。
そして子狐が十歳になる年。
アルカナ検査で反応が出た妹は従獣に選ばれ宮廷へ、残った姉は妓女になる為妓楼に入り……。
しかしそれから一年もたたない内に妹が行方をくらませ、数日後。
消えた妹から姉に手紙が届いた。
その手紙を読んでもらった文字の読み書きが下手糞な姉は、老女や警備が止める声も聞かずに妓楼を飛び出してしまう。
続いて手紙を読み聞かせた妓女が慌てて老女に手紙の内容を伝え、それが妹の白狐からの失踪を告げる物だと知った老女は警備の男を連れると後を追った。
どうせ城門に向かって中に入れろ、事情を聞かせろなどと問い詰めに行ったんだろうと考えて。
この妓楼は亜人を守る為の組織でもある。
だから老女はこの時慌てていたが努めて冷静に行動し、責務を果たす為にも警備の男共と一緒に周囲に気を配りながら宮廷へと向かっていた。
というのも、白狐は本当に可愛い女の子なのだ。おまけに白い毛の狐系亜人とくれば、人攫いのリスクも高い。
更に。まだかどわかされていなければ、ただの亜人の子娘が宮廷に入れてもらえる訳はないので追い返されているはずだ。
そうしたらきっとあの子は尻尾を巻いてトボトボ帰ってくるか、途中で人目に付かない場所に行って泣くに違いない。
そう推理した老女達はおかしな連中はいないか、白狐が路地裏で泣いてはいないか確認しながらゆっくり城門へ向かう。
もし見つけたら叱って、そして顔が利く自分が一緒に行って門番に話を通そうと思いながら。
こうして老女達は城門まで、いつもより時間をかけて向かった。
なのに、不審な者も白狐も見つからない。
次に老女は門番の胸倉を掴みながら問い詰めた。
しかし門番は確かに白狐が来たと言うが、追い返した後どうなったか知らないと言うばかりだった。
***
「それから、あの子も行方不明になって妓楼に帰って来る事はなかったよ。
それが誘拐なのか失踪なのか、私にゃ分からないけどね。
けど失踪届を出した後、客から話を聞いてそれらしい子がいないか個人的に探してはいたんだよ。
ここいらの連中みんなでね。
て言っても、今までそれらしい子は見付からなかったけどね」
そして深く、深く息を吐く。
「まぁ、あの子らがいなくなったのは何か事情があるんだろうさ。
ただねぇ。元気に生きているんなら、しのご言わずに顔くらい見せてほしかったね。
それに……」
ババァは深く煙草の煙を吸い、吐く。そして握りこぶしを作った。
「ほんっとうに可愛い将来有望な子だったんだよ!
まだここに居たらバカとは言え一番の稼ぎ頭になる程度にはね!
まったく、下の子は従獣になっちまうし上の子は失踪だなんて商売あがったりだよっ!」
そう言ってからババァはドスドスと大股でこの場を去って行った。
雪は袖で滲み出ていた涙をゴシゴシ拭うと『やっぱババァはババァだ』と、泣いた事を後悔し……。
「お~い! 雪、どこにいる?」
外から大声で自分を呼ぶ声がして、雪は立ち上がり聞きなれた声の方を見る。
すると警備を数名連れた天耀が外に出ていて、顔を出した雪に手を振っていた。
「天耀様?」
雪は二階の露台からシュタッと飛び上がると天耀の近くに着地し、「どうかなさいましたか?」と聞く。
紅玉と朝までコースだと思っていたので、意外な物を見る様な眼差しで。
「いや、そろそろ帰るから雪も用がないなら一緒に帰えろうかと思ってね」
「え? あの……用はもうないんですか?」
「ああ」
天耀はニコニコしている。
『少し短い様な? 早く終わったのかな……』
そう思いながらも雪も帰ると言って天耀達に同行した。
「そうだ、この近くに美味しいラーメン屋台があると璃琳から話を聞いているんだが、雪、一緒にどうだ?」
「ラーメン、ですか?」
「ああ。あと紅玉の事だが……」
そんな話をしながら去る天耀達を、紅玉は窓辺から微笑ましく思いながら見送った。
それから。
雪は天耀と紅玉の関係性を聞いて、胸をなでおろした。
どうして胸をなでおろしたのか、よく分からないまま。
でも、その話を聞いた後に食べたラーメンはとても美味しかった。
◆
妓楼へ行った次の日。麗雲が天耀に会いに来た。
「妓楼は楽しかったかい?」
「ええ楽しかったですよ。麗雲兄上の提案だったそうですね」
「ああ。楽しんでもらえたようで良かったよ。所で昨日の夕方、西洋の物語に出て来る魔導士の様な姿の雪を見たが……あれは仮装かい?」
「いえ……雪はどうもああいう場所が苦手なようで、それゆえにあんな格好をしたようです」
麗雲はアハハと笑った。
「それに、妓女達は独身の従獣が来ると目の色を変えるものな」
「雪の様な線の細いイケメンタイプを好む妓女もいるでしょうから……」
天耀は苦笑いをして返す。
「うちの謡尾も引っ張りダコで……」
「僕の事はいいよ!」
今まで大人しく話しを聞いていた謡尾が怒った。
第十九話『ババァの昔話』終
こちらの世界の藍月さんは文字の読み書きが苦手ですが、踊りと歌と接客は得意。
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