Dへの扉

謎生物、地球でやりたい事をする

長閑な国の王とケモノ 番外編『彊虎と子供達』他二本

これは『著者:藤間麗 / 出版社:小学館』が権利を有する漫画『王の獣~掩蔽のアルカナ~』の非公式二次創作物です


◆注意する事ばかりで長くなった注意◆

 これは

  • 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
  • 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
  • 女体化
  • 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
  • 滲み出る変態性

 を含みます。
 そして私は

  • 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
  • あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
  • 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
  • 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在

 です。
 それでも見たい人は続きへGO!GO!

番外編『彊虎と子供達』他二本

彊虎と子供達

 後宮には実は宗現と一緒に彊虎も入っていた。
 そして彊虎は宗現の子供達をあやす事も多く、おんぶをしたりおしめを変えたりもしていたし、更に。
「あらあら、いけませんよ。彊虎さんの尻尾をしゃぶっては……」
 彊虎の尻尾を掴んで口に入れる赤ん坊と、それを止めようとする妃。そして
「綺麗に洗ってきたので、私は構いませんよ」
 と、特に嫌がるそぶりも見せず尻尾をしゃぶる子供をそのままに、抱っこをせがむ別の子供を抱き上げる彊虎。
 という子供達に懐かれている姿がよく見れた。

 そんな宗現の子供達は皆、虎になった彊虎の背中――完全獣化の彊虎のアルカナだ――に乗せてもらっている。
 天耀ももちろん乗せてもらっていたのだが、ある日。
「なんだ、天耀はガキだな」
 天耀が虎になった彊虎の背中にまたがり、父と母と共に宮の中を散歩していると三つ上の江凱からそう言われ……。
 天耀はショックを受け、そろそろと降りると物陰に行き、うつむいて泣きそうな顔で口を尖らせてしまう。
 そんな天耀を桂花は慰め、宗現も
「江凱はあんな事を言っているがな、お前くらいの年には喜んで乗っていたぞ」
 と慰める。
「ゲッ……ばらすなよ!」
 慌てる江凱をよそにその情報を聞いた天耀は顔を上げ、また「よいしょ」と彊虎の背に乗って江凱に顔を向けると、にんまりと笑ってやり江凱をムカつかせていたのだった。

 

宗現が彊虎を選んだ訳

 天耀が子供の頃のある日、宗現の膝の上に乗って本を読んでもらっていた。
 内容は皇子と従獣の話だ。
 落ちこぼれと言われていた心優しい皇子が、従獣と心を通わせ人々を幸せにしてゆく、そんなお話の。
 その時、天耀は父がどうして彊虎を選んだのかが気になったから聞いたのだ。
 すると宗現はやや気まずそうな顔をしてこう答えた。

 従獣選びの時、本当は心を読めるアルカナが覚醒している狸系の女の子を選びたかった。
 しかし従獣は男がなる事が望ましいとされていたし、周囲の目が気になった宗現はその子を選ぶ事が出来ず……。
 結局、大人達が薦める彊虎を選んだのだ。

「だがあの時あの女の子を選んでいれば、もう少し楽に過ごせたかもしれないな」
 と宗現は天耀に苦笑いを向ける。
 しかし天耀は「むしろ大変になりそうです」と言った。
「何故だい?」
「だって父上は、本来なら知る事のない心の声を知ったら色々気が滅入ってしまいそうです!」
 そう言われ宗現は『確かにそうかもな』と困ったように笑う。
 しかし天耀は次にニコニコとこう言ったのだ。
「それに彊虎さんじゃなかったら背中に乗せてもらえませんでした! だから彊虎さんでよかったです」
 宗現はそれが嬉しくて、天耀に笑顔を向けたのであった。

 

彊虎

 無茶な繁殖で生まれ、宗現の従獣選びの時に大人達の勧めで従獣に選ばれた彼は、初め皇子に特別な感情は持っていなかった。
 むしろ気弱そうで周囲に流されやすそうな彼を、情けない皇子と思っていた。
 しかし、違った。
 彼は底なしの優しさがあった。
 大好きな兄が殺されてからは、それに勇気と、行動力も備わった。
 彊虎はそんな彼を、味方もいるが敵も多い彼を、常に守って来た。
 大切な主として。

 ある日。
 彊虎はアルカナがある故、適齢期にアルカナ持ち狸系亜人の娘と繁殖行為を強いられた。
 宗現はそういう事を嫌がり変えている真っ最中だったが、最低でも一度はしなくてはならず……。
 それは彊虎にとっていい思い出ではなかった。
 自分の出生が原因で元々そういった事にいい印象はなく、その上初めての事で上手くいかず、最終的には薬と人間の手を借りて……。
 だから元からあった、そういった事への苦手意識が強くなった。

 それから彊虎は女遊びもせず、浮いた話もなく数年経過したある日。
 彊虎に二度目の繁殖が決まってしまい、宗現は酷く落ち込んだ。
 彼に二度も望まない事をさせてしまう事と、その相手が金華だという事に。

 金華とは一度目以上に上手くいかなかった。
 彊虎は苦手意識が強くある所に、大切な主である宗現の思い人が相手になり精神的に参ってしまったし、金華は金華で彊虎を心配しつつも、やはり慣れてない事と思い人がいる事で上手くいかず。
 だから序盤から薬と人間の手を借りる羽目になり……。
 金華は妊娠をした。
 そして彊虎の方は、もうそういった事が出来ない体になっていた。

「宗現様。私はNTR物が、大嫌いです」
 宗現と二人きりで酒を飲み交わしている時、彊虎がおもむろにそう言った。
 彊虎は酔うと時々唐突にそう言ってくるのだ。
 そして宗現はそんな時、「そうか……」としか言えず……。
 子供が好きなのにもう子供を作る事が出来ず。
 そもそも自分の事情を考え相手女性に悲しい思いをさせてしまうと恋愛すらしようとしない彊虎を不憫に思い、自分の至らなさを責めてしまう宗現であった……。


 ちなみに。
 彊虎は戦闘や体を動かす事は得意なのだが、文字の読み書きや楽器などは苦手である。
 だが絵は宗現より上手く、子供が喜びそうな絵を描く。

 

『彊虎と子供達』他二本 終

 

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次回

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*1:なお、小説を賞に応募した事もあるが1次審査すら通過した事はなかったし、評価シートありの所では常に構成の評価が最低ランクだった

*2:試し読みや読者の感想等も36話くらいでよく見なくなり、大して分からない