Dへの扉

謎生物、地球でやりたい事をする

長閑な国の王とケモノ 第二十二話 参の春『春のお茶会三』

これは『著者:藤間麗 / 出版社:小学館』が権利を有する漫画『王の獣~掩蔽のアルカナ~』の非公式二次創作物です


◆注意する事ばかりで長くなった注意◆

 これは

  • 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
  • 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
  • 女体化
  • 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
  • 滲み出る変態性

 を含みます。
 そして私は

  • 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
  • あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
  • 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
  • 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在

 です。
 それでも見たい人は続きへGO! GO!


第二十二話 参の春『春のお茶会三』

 雪の入れた茶には、いつの間にか毒が入っていた。
 と言ってもこの毒は体を痺れさせる程度の毒だ。
 臭いよりは味に特徴があり、亜人の雪なら大量に摂取しない限りは痺れる事もない程度の。
 そういえば匂いも、本番で使う茶葉で練習していた時と若干違っていた。
 緊張で気が付けなかった事にふがいなさを感じつつも、雪は口に含んだ茶を飲み込んだ。
 そして会場を見渡す。
 本来なら堅苦しい雰囲気で行われそうなこの茶会は、何とも和やかな雰囲気が漂っている。
『家族で茶会……。絶対、この雰囲気は壊したくない!』
「配らないのか?」
 江凱が毒見をし終わったのに茶を配る準備に移らない雪に冷たく問い掛け、天耀は何か様子がおかしい気がすると、じっと雪の事を観察した。
「申し訳ありません。どうやら入れ方を間違えてしまったようで……、酷くまずい茶になってしまいました。
 これはお配りする事はできませんので、片付けてきます」
 雪はそう言い頭を下げると毒入りの茶を片付けついで、毒はどこに盛られていたか?
 この茶器一式が元あった厨房でおかしな所はないか探ろうと、会場を出ようと企んでいた。
 のだが……。
「入れ方は問題ないと思ったが……」
 皇帝・宗現が席から立ち、雪の元にやって来た。
「そんなにまずいなら、かえって飲んでみたいなぁ。どれ一口……」
 宗現は興味津々で毒茶入りの茶杯に手を伸ばす。
『何してくれるんだこのおっさんはー!』
 雪が心の中で怒りながら茶を取り上げた。
「これは、まずいから出せないんです! 飲んじゃダメですよ」
 子供に言い聞かせるように諭す。
 しかし。
「えー、平気だよ~」
 皇帝はなおも茶に手を伸ばしてくるので、雪は手に持った茶を全部一気に飲み干した。
「熱くないかい?」
 麗雲が笑いながら声を掛け
「お父様……雪を困らせてはいけませんよ……」
 旺眞も控えめな声で父を止めた。
 だがしかし宗現はとまらない。
 残っている茶に手を伸ばし、なおも飲もうとしてくる。
 しかし雪はそれもグイっと飲み干した。
「いけません」
 と言って。
 皇帝はしばらくあっけに取られていたが、懲りずにまだ手付かずの茶に手を伸ばし……。
 やはり雪が奪って全部飲んでしまう。
「面白そう。私もやってみたいわ」
 翡翠がそう言い、翡翠に付いていた女官が「いけませんよ」と窘めた。
 天耀達はあっけにとられ、麗雲と翡翠はニコニコと眺め、とんだ茶番劇に謡尾の手は止まり演奏が終わる。

 こうして。
 雪の入れた毒入りの茶は、雪が全部飲んでなくなった。
「そんなに私に飲んでほしくないとは、よほどまずかったんだなぁ」
 宗現は笑って席に戻り、雪はようやっと「では、片付けてきます!」と会場を後にする。
 しかし天耀は何か変じゃないかという不安の方が強くなり……。
「なれない事で緊張をしていたのかもしれません。様子が気になるので、申し訳ありませんが席を外しますね」
 と、雪を追った。

 

 天耀が様子を見に厨房へ向かう途中、物陰の目立たない場所でちょっと痺れた雪が座っていた。
「なっ?! どうした雪!」
「毒です。茶に毒が入っていて……」
 天耀は青ざめ、急いで雪の口に指を突っ込んで吐き出させる。
 背中をさすり、口をゆすがせ、しばらくして落ち着いた頃。
「何で飲んだりしたんだ! 毒見の時に吐き出せばいいだろう?!」
 怒る天耀のその言葉に、雪はムッとした。だから不機嫌に言い返してしまう。
「これはただの痺れ薬です! 口に入れた時すぐに何の毒か分かりましたし、あの量を飲んだ所で大した事にならないと分かっていたから飲んだんですっ!」
 今度は天耀がムッとした。だから
「そうではなくて! 毒なら飲まなくてもいいしそう言えばいいと言っている!」
 と怒鳴ってしまう。
 それに雪は、ますますイラっとした。
「せっかくの家族団欒のあんなほのぼのした茶会の席で、「お茶に毒がありました」だなんて言える訳ないじゃないですか! だから不味い茶って事にしたんです!
 なのにただのまずい茶吐き出したら不自然でしょう?! どんなに入れ方に失敗したって元の茶葉がいいんですから錬金術でも使わなければ吐き出すほどまずくなりませんしっ!」
「そんなこと気にしている場合か!」
「気にしますよ!」
「そんなのどうでもいい!」
「どうでもよくないです! そもそも僕が大丈夫だと言うんだから大丈夫ですよ! 自分の体は自分がよく知ってます!! 天耀様は黙っててくださいっ!!!」
 ゴゴゴゴゴゴ……と、二人は険しくにらみ合い。
 ぷいっ! と、そっぽを向いてしまったのであった。

 

第二十二話『春のお茶会三』終

 

 この世界には色々な文化が入って来ているし、道具も形を変えている部分もある。
 なのでティーカップや湯呑茶碗も普及している。
 が、春のお茶会は伝統的な行事なので、茶杯とかがある中国のお茶入れセットを使っていた。

 と、「そういえばあのおちょこみたいな湯呑、名前あるよね?」と調べた後、『亜人毒殺事件』では湯呑と書いたがハテどうした物か?
 となったが、色々な文化が入って来てるし道具だって形を変えてる部分もあるだろうよと、上記捏造を生み出した。

 まぁ、お茶を飲む為の道具なんだから、湯飲みと書いていても茶杯だったでいいじゃん。とかも思うが。

 

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*1:なお、小説を賞に応募した事もあるが1次審査すら通過した事はなかったし、評価シートありの所では常に構成の評価が最低ランクだった

*2:試し読みや読者の感想等も36話くらいでよく見なくなり、大して分からない