Dへの扉

謎生物、地球でやりたい事をする

長閑な国の王とケモノ 第二十七話 壱の夏『パルクール対決!一』

これは『著者:藤間麗 / 出版社:小学館』が権利を有する漫画『王の獣~掩蔽のアルカナ~』の非公式二次創作物です


◆注意する事ばかりで長くなった注意◆

 これは

  • 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
  • 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
  • 女体化
  • 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
  • 滲み出る変態性

 を含みます。
 そして私は

  • 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
  • あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
  • 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
  • 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在

 です。
 それでも見たい人は続きへGO! GO!


第二十七話 壱の夏『パルクール対決!一』

 夏至祭の催し物が従獣パルクール対決に決まり、江凱が墨達と共にコースを下見して天耀達に意地悪をして帰った後。
 璃琳がやって来て「ちょっと墨を借りるわよ!」と、いつも通り江凱の返事も聞かず墨を連れて行ってしまった。

 

「墨! あたし、従獣パルクールの一位景品が欲しいの!」
 璃琳は夏至祭の催し物の豪華景品が気になって、個人的に調べていた。
 すると一位の者に送られる景品の中に、天耀の姉・明鈴が嫁いだ先で取れる石でできたペンダントが含まれると知ったのだ。
 しかもそれはただのペンダントではない。恋愛成就に効果的な、地元で話題のアクセサリーだったのだ!
 もちろん本来であれば文系の謡尾に子供の逞牙は敵ではなく墨の優勝間違いなしなのだが、突如として現れた雪という存在が厄介である。
 だから璃琳はとある作戦を考えたのだ。
「だからね、お祭りの当日は雪を妨害しつつ、あなたが優勝しなさい!
 でも、ばれない様にこっそりとよ? もしバレちゃったら一番次期皇帝になる可能性が高い江凱お兄様の印象が悪くなりかねないから」
 璃琳としては江凱が皇帝になってくれないと困る。だからそう付け加えた。
 そして墨はこの幼稚なお願いに、躊躇う事無く頷く。
「分かりました。でも璃琳様、もし俺が優勝したら璃琳様から俺にご褒美をください」
 墨は時々、璃琳にこうしたお願いをしてくる時がある。
 からかっているのか何なのか、璃琳にその理由は明確には分からない。ただ、恋愛感情が多少なりともあればいいなと思いながら口を開く。
「分かったわ。とっておきを用意するから、当日負けるんじゃないわよ!」
「はい」
 心なしか墨の目が光った気がして、璃琳は若干不安を覚えた。

「あの、江凱様って天耀様の事が嫌いなんですか?」
 パルクールのコース下見から帰って数日後。雪は太博にそう聞いてみた。
「嫌い、と言うほど嫌いではないと思う。むしろ好きかもな」
「はぁ……」
『好きなら優しくすればいいと思うけど?』
 雪は好きなのに意地悪をする気持ちが分からなくて、眉間に皺を寄せる。
「まぁ、子供の頃から天耀様に何かと突っかかっていたな」
 そう言って太博は天耀達が子供の頃の話を始めた。

 江凱は子供の頃からこまっしゃくれたガキで、そして何かと天耀を虐めて遊ぶような性格をしていた。

 天耀が江凱に褒めてほしくて習字で書いた文字を見せると。
「何だこの下手な字は。ミミズがくねったようだな」
 と鼻で笑い。
 天耀が楽器の練習していれば。
「ガラスを爪で引っ搔いているみたいだな」
 と、わざわざ嫌味を言いに来ていた。
 そして天耀はそう意地悪な事を言われるたびに、兄を見返したくて頑張って練習をしていたのだ。

「とまぁ、他の事に対してもそうやって天耀様を虐めていた。
 私が見ている所でもそうだったのだから、恐らくもっとされていたと思うぞ」
『嫌な兄貴……』
 雪は心の中で呟いた。

 夏至祭当日になった。
 この時期は城下町はもちろん、地方も賑わっている。
 宮廷もこういった祭の時は普段一般人が入れない宮廷の一部を開放し、よほどの不審者でなければ誰でも自由に行きかう事が出来た。
 そして従獣パルクール前。
 競技用の衣装に着かえた雪は、時間まで町内を巡る事にした。
 目当ては町内の出店である。
 この間下見で町に出た時も、この日の為にと特に買い物をせずお金を残しておいたのだ。
 というワケで雪が尻尾をフリフリ道を歩いていると「雪」と太博が声を掛けてきた。
 なんでも天耀は他の警備と一緒にどこかに行って、暇なので妹達の贈り物を探すのだという。
「あぁ、夏至祭ですからね」
 この国の夏至祭と冬至祭は、とある習わしじみた事が執り行われていた。
 それは、夏至祭は男から女に贈り物をし、冬至祭は女から男に贈り物をする。である。
 そしてそれは家族や恋人の間で行う以外に、男女の告白イベントとしても使われていた。
 更に夏至祭では恋人や好きな女性にアクセサリーを贈るのがいいとされていて、この時期になると贈り物を求める男性が装飾品店によく出没するようになる。
「太博様は何人に贈るんですか?」
「私は母と、姉と、妹の三人だな」
 ちなみに職場内で贈り合う人もいるが、贈る人数が多いほど分けられる食べ物などを購入し配るという方法を取っている事が多い。
「雪は誰かに贈るのか?」
「いえ、特には……」
 と言って、ふと天舞の顔がよぎる。
 いつも世話になっているし、何か贈った方がいいかもしれない。
 そう思った時、雪はとある店の商品に目が釘付けになった。
 それは、ぬいぐるみだ。
 しかもただのぬいぐるみではない。皇子・皇女と従獣のぬいぐるみである!
 そのぬいぐるみを凝視し固まる雪を見た太博は
『そういえば、蘇月は姉が可愛い物を好きだとか言っていたな……』
 と見つめる。
 雪は雪で『男がぬいぐるみって、どうなんだ?』としばらく悶々と考えていたが、結局全種類のぬいぐるみを購入した。
「プレゼント用に袋に詰めてください」
 とラッピングを頼んで。
「誰に渡すんだ?」
 太博が『意地悪かな?』と思いつつ雪に聞く。
「いつもお世話になっている天舞さんへ。なので太博様は被らない様に別の物を買ってください」
 それに太博は呆れたようにため息を付いて、買う物を選び始めた。

 雪と太博が一緒に町を巡っている頃。天耀は太博とは別の護衛を付けて平民のふりをして店を回っていた。
 というのも、太博がこの日に家族の贈り物を買うのを知っているので、ゆっくり選べる時間をあげたかったのだ。
 ちなみに、天耀も家族に毎年贈っている。
 今年は旺眞と璃琳と母に贈り物をする予定で、三人共リクエストがあったからすでに購入済みだ。
 だから今日、特に買う物はなかったのだが……。
 とある装飾品店の店先で、若い男女のカップルが目に入る。
 男は女が選んだ簪を買ってやり、髪に挿してやっていた。
夏至祭だからな。あ、そうだ』
 天耀もその店に入ると、いかにも女物の髪飾りを見てから我に返る。
『いや、駄目だ』
 そして改めて地味目の髪を結う為の紐を選び出した。
 途中で護衛に「これは男でも変じゃないよな?!」と聞きながら。

 ちなみにその後、雪ぬいぐるみも無事発見して入手していた。

 

第二十七話『パルクール対決!一』終

 

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 1巻に大体4話入ってる。(1話分のページ数による)
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*1:なお、小説を賞に応募した事もあるが1次審査すら通過した事はなかったし、評価シートありの所では常に構成の評価が最低ランクだった

*2:試し読みや読者の感想等も36話くらいでよく見なくなり、大して分からない