◆注意する事ばかりで長くなった注意◆
これは
- 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
- 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
- 女体化
- 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
- 滲み出る変態性
を含みます。
そして私は
- 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
- あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
- 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
- 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在
です。
それでも見たい人は続きへGO! GO!
第三十四話 弐の夏『花の簪』
蘇月の友達探しは、天耀が宮で勤める者達からも聞いているが特に情報は出て来ておらず。
璃琳からも情報がなく。
更に雪はここに来てから宮廷内のあちらこちらを探っていたのだが、誰かを隠して置いている様な場所も特に見当たらず。
しかし、まだ探していない場所があった。それは、後宮だ。
『と言っても、あそこは警備がきつめだからな……。どうしたもんか』
雪は人面樹の池にて、クッキーを口に放り込みながら途方に暮れて草の生えた木陰に寝転んだ。
今日も良く晴れている。空は青く白い雲がゆっくり流れていく。
ここは池の傍の日陰なのもあって、夏だが比較的涼しい。
時々頬を撫でる風も気持ちよかった。
ちなみに蚊取り線香も付けているから、蚊にも襲われる心配はない。
しばらくボケーと空を見ていた雪だが、おもむろに起き上がると近くに咲いていた手の平サイズの桃色の花を引き千切り、池を鏡に耳の下に当てがってみた。
「……似合わない」
ポイっと花を地面に投げ捨て、また大の字に寝転がると「うまい」とクッキーの残りを食べる。
が、何者かの気配を感じその方に顔を向けた。
「雪、寝ながら食べると牛になるぞ?」
彼は雪に近寄ると、上から顔を覗き込む。
「! 天耀様!?」
雪は慌てて、でも主に頭をぶつけないように起き上がる。
「あはは、いいよ寝たままでも。ごめんね、一人でゆっくりしていたのに……」
そんな天耀だが、実は雪が蘇月失踪の手掛かりのなさに落ち込んではいないかと、心配してやって来ていた。
「いえ、別に大丈夫です」
だらしない所を見られて恥ずかしいのと、花を飾ってた所を見られてはいないかとハラハラしつつ雪は答える。
ちなみに天耀は、雪が花を髪に飾っている所も遠目とは言えバッチリ見ていたのだが、その事には特に触れずに転がっていた花を手にし。
「綺麗だね。桃色で何だか雪に似合いそうだ」
と、微笑んで雪の右耳の下辺りに花を当てがう。
「うん。可愛いな、似合ってる」
そう言って、笑顔のまま『しまった!』と凍り付いた。
『これは、さすがに男にはしない事だった……!』
花を飾った方も、そして飾られた方も、照れて赤面し、しばらく黙りこくり……。
「天耀様の方が……」
先に沈黙を破ったのは、雪の方だ。
「天耀様の方がよく似合いますよっ!」
雪は本当は嬉しかった。
すっごくすっごく、嬉しかった。
似合わないと思った花を似合うと言ってくれたことも、こうして花を当てがってくれた事も。
でも、雪は心を鬼にして天耀から花を奪うと天耀の髪の結ってある部分に刺す。
「あと僕は、男らしくないかもしれませんが男です! こういう事をされると不愉快ですっ!」
そう捨て台詞を吐いて、亜人の身体能力を生かし素早く忍者の様にこの場から去る。
普通に去らなかったのは、恥ずかしすぎて一刻も早くこの場から立ち去りたい為だ。
残された天耀は
「そんな事、ないと思うけどなぁ……」
と池に姿を映した後、トボトボ執務室へ帰った。
そして、そんな天耀と雪の様子を見ていた者がいた。
それは江凱だ。
「男に花って……」
ドン引きの江凱だが、色々と考えを巡らせる。
『雪ってモノがないそうだが、細いし、体臭も男っぽくないし、それに天耀の雪に対するあの態度。もしかして、あいつ……』
ちなみに。
花を飾った天耀が帰って来た時、太博はギョッとしていた。が、天耀の髪から花を抜くと一輪挿しに活けて机に飾ってくれた。
◆
「璃琳の所に行っていたんだって?」
夕食前。麗雲達がいつものようにやって来て一人で居る天耀にそう聞いた。
「耳が早いですね……」
「所で天耀、あと二カ月もしないであの子の誕生日だろう? もう贈り物の相談はしてきたのかい?」
この兄弟達は、こういったイベント事のプレゼントは申告したり何が欲しいか聞くようにしている。
そして時々お任せコースを選ぶ事もあるが、大体は欲しい物を買ってもらう事が多かった。
「はい、私は一緒に買い物をして決める事にしましたよ」
「それなら確実だね」
そう笑顔で言った後、麗雲は何か思い出したように「そうだ」と言った。
「そういえば六年前も天耀は璃琳と買い物の約束をしていたね?」
「え? そんな事はなかったと思いますが……」
六年前、蘇月が失踪した年にそんな約束をしたかと天耀は過去を振り返る。
「そうかい? そのような話を聞いた気がするんだけどね……」
「れいう~ん。そんな昔の話はいいから早く行こうよ。天舞と一緒に食堂でご飯を食べるんでしょ?」
「はいはい。まったく謡尾はせっかちで困るよ」
去って行く麗雲達の後ろ姿を見て、天耀は思い出していた。
璃琳の誕生日祝いの宴があった、そして蘇月が失踪したあの日。
誕生日プレゼント選びとは別件だったが、確かに彼女から次の日に買い物をしようと誘われた。
しかし、断ったのだ。
この日は蘇月の誕生日祝いを一緒に買いに行くからと。
*◇*
「あなたは真っ白ね」
初めて話しかけた日。彼女はただただ緊張していて、まともに会話ができなかった。
でも、何度も会う内にあたし達は普通にお話しするようになっていった。
「今日からあたし達、友達よ!」
そう言うと、彼女は嬉しそうに笑った。
「また遊ぼうね、璃琳ちゃん!」
彼女はあたしと二人きりの時、あたしの事をそう呼んでくれた。
なのに、何であたし……。
「あのね、私の好きな人はね……」
彼女は他の人には内緒だよと中々教えてくれなかった好きな人を、あたしに耳打ちで教えてくれた。
そしてあたしは……。
*◇*
一人になった璃琳は昔を思い出していた。
そして呟く。
「あの子は、多分蘇月じゃない。恐らく……藍月」
蘇月は可愛い物や綺麗な物が好きだ。そして、姉もそうだと聞いていた。
だから今日は応接室を彼女らが好きそうな物で飾った。
そして観察していたのだ、雪を。
こうして璃琳は雪が物欲しげに室内の雑貨はもちろん、璃琳の身に着けるアクセサリーを見つめていた事を見破った。
更に璃琳は、蘇月は桃色が好きで姉の藍月は青色が好きなのも知っていた。
だからお土産のお菓子が入った袋のリボンを、あの三色にしたのだ。
立場的に天耀に先に取らせるよう促したが、天耀が性格的に先に雪に選ばせるだろうというのは予想済み。
もちろん、雪が男のふりをする蘇月だった場合は桃色は選ばないかもしれないが、それでも次に選ぶとしたら黄色。
あの子の好みなら、そうするはずだ。と……。
璃琳はため息を付いてベッドに突っ伏した。
「謝らなくちゃ、あたし。
ごめんなさい、蘇月……」
第三十四話『花の簪』終
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