◆注意する事ばかりで長くなった注意◆
これは
- 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
- 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
- 女体化
- 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
- 滲み出る変態性
を含みます。
そして私は
- 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
- あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
- 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
- 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在
です。
それでも見たい人は続きへGO! GO!
第三十六話 弐の夏『江凱の天耀観察日記 二』
「雪、遅いなぁ」
業務が始まる十分前には職場に戻って来ている雪が、この日はやって来る様子がない。
「探してきましょうか?」
「いや、私が行く」
『天耀様、雪に入れ込んでるな……』
と心で呟く太博に見送られ、天耀は雪の部屋や宮の庭を探し。しばらくして人面樹の木陰で横になっている雪を発見した。
一瞬倒れているのかと思って慌てたがすぐにそうではなく、ただ寝ているだけだと気が付きホッとする。
一方雪は天耀の気配に耳をピコンと動かすが、特に起きる様子もない。そして天耀もその姿が可愛かったので、あえて起こさないでしばらく傍に座って観察した。
だが、ウズウズし出す。
雪を膝枕してみたくなったのだ。
『膝枕、出来るかな……?』
簪に手を出そうとして組み伏せられた苦い体験を思い出しつつ、恐る恐る雪の頭に触れてみる。
柔らかい髪の毛を指ですくっても、起きる様子も襲ってくる様子もない。
なので安心して雪の頭を膝に乗せた。
『あったかい。お母さん……? でもこの匂いは違う。けど、嫌じゃない。むしろ好き……』
母の温もりとは違う温もりに、まどろんでいた雪は目を覚ます。
そして自分の顔を覗き込み微笑む天耀を見て、かぁぁぁぁああああっと顔を真っ赤に染めた。
「起こしてくださいよ!」
慌てて起き上がって、そう訴える。
「気持ちよさそうだったから。それに今は急ぎの用もないし、昨日は肩を貸してもらったから今度は私が膝を貸そうと思って」
その言葉に恥ずかしさと情けなさで俯いた雪が、うぅと唸りを上げた。
「人の気配に起きないなんて……従獣失格です」
落ち込む雪は『昔の自分だったらすぐに起きて動いてた。なのに最近たるんでる!』と反省する。
しかし天耀は朗らかに笑った。
「別にいじゃないか。神経を張り詰めなくてもこの宮廷は長閑なのだから。
それに、私の気配を感じても安心して眠っていられるって事だろ?
嬉しいよ」
口説き落とされた雪は、まるで茹でタコの様になった。
そしてその光景を、監視する江凱と遊びに来た麗雲&謡尾がそろって見ていた。
「あの二人は仲がいいね」
「そうだな。まるで恋人同士みたいだ」
嫌味っぽく言う江凱に対し「嫉妬かい?」と麗雲はニコニコ答えて、江凱は慌てて「ちげーわ!」と否定した。
◆
こうしてここ数日弟に張り付いていた江凱であったが、とある資料を見ていた。
それには江凱が部下に調べさせていた、雪の情報が記されている。
「なるほどね」
そして江凱は考える。
天耀と雪の少女漫画のような場面と、得た情報と、雪の外見を。
しばし考えを巡らせた後……江凱はとある物の購入を部下に命じた。
一方。江凱から見張られていたと最後まで気が付かなかった天耀は雪を膝枕した数日後、とある建築職人に会っていた。
その職人に天耀はまず、大雨で崩れてしばらく放置していた自分の宮の石垣を直してもらうように依頼をし。
次に、父が無駄遣いをしていないか父の金の出入りが記された帳簿を調べている時に、よく分からない宮廷内の修繕費があったから話を聞きに来たと伝える。
いつ頃の事だったかを説明すると、職人もすぐに特殊だったから覚えていると話しつつ
「宮廷内のどこかだとは思うんですがねぇ、正確な場所が分からないんですよ」
と答えた。
というのも。
宮廷の一角にある鍵付きの戸をくぐって、高い塀に囲われた道をしばらく進み、階段を降り、長いトンネルの様な暗い場所をランプを持って抜け、階段を上がり、鍵付きの戸を開けて鉄格子がされている窓の部屋へ出て、更に庭に繋がる鍵付きの戸を開けた先にある場所。
だったから。だそうだ。
そこは石壁で囲われた箱庭のような場所で、出入り口は自分が通って来た一か所だけ。
石壁には出入り口も、足を掛けて上るような物も何もない。
宗現からは「私の秘密基地だ」と言われ、この職人を筆頭に幾人かの口が堅い職人を集め、建物を修繕したとの事だった。
ちなみに通路は広く、資材の持ち込みは比較的楽にできたそうだ。
「でも、何か人の気配のような物を感じましてね。臆病な奴は幽霊だなんて言ってましたが俺達は……、いや。これは余計な事でした」
そう言って「ガハハ!」と、職人はごまかすように豪快に笑う。*3
そして天耀はというと、その情報を聞いて口元に手を当て考え込んでしまった。
『父上の、秘密基地か……』
おまけののどケモ『蘇月とかき氷』
ガラガラとリヤカーで氷を一人で運んできた宗現は、箱庭の出入り口で倒れていた。
出入口の戸は、開いていた。
蘇月は音に気が付き外へ出て、倒れた宗現を見つけると慌てて通路の扉を自分の懐から取り出した鍵を使って閉め、宗現を寝台に運び、宗現が持ってきた氷をかき氷機で削ってかき氷を作ると、ちょうど目が覚めた宗現に渡した。
もちろん自分の分もあり、寝台の隣に椅子を置いて、仲良く一緒にかき氷を食べる。
「夏はやはりこれだな」
シロップとして掛けたのは、練乳と蜂蜜だ。
「おいしいです」
ここには妙に歪で、でも長閑な時間が流れていた。
第三十六話『江凱の天耀観察日記 二』終
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