Dへの扉

謎生物、地球でやりたい事をする

長閑な国の王とケモノ 第四十話 弐の夏『二人の告白』

これは『著者:藤間麗 / 出版社:小学館』が権利を有する漫画『王の獣~掩蔽のアルカナ~』の非公式二次創作物です


◆注意する事ばかりで長くなった注意◆

 これは

  • 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
  • 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
  • 女体化
  • 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
  • 滲み出る変態性

 を含みます。
 そして私は

  • 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
  • あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
  • 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
  • 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在

 です。
 それでも見たい人は続きへGO! GO!


第四十話 弐の夏『二人の告白』

「出会ってすぐに藍月では? と疑っていて……だから女性として扱ってしまった事もあったのだが」
 天耀の部屋にて。天耀の風呂を借りて、ついでに天耀の服を借り、すっかり綺麗になった雪改め藍月は借りてきた猫の様に大人しくちょこんと長椅子*3に腰かけて、その隣に天耀も座っていた。
 ちなみにこうなるまで天耀は、疲弊した体を休めつつも下女に急いで風呂の湯を沸かさせ*4、いつもいる兵や女官達を遠ざけ、藍月を風呂に入れさせ、彼女の服を持ってくるのも手間だからと自分の服を用意している。
 そして今はダボっとした自分の服を着る藍月に悶えながらも、それ所ではないからと感情を抑えて接していた。
 藍月の方はというと、女扱いされてたという事実に頬を染めつつ。
「そうだったんですか……。僕、全然気が付きませんでした……」
 と、しょげて耳を垂れさせ服の中にある尻尾もシオシオさせた。
 そして『結局誰かに助けてもらってばかりだったんだな』と思う。
「いや、太博が今まで黙っていた事を藍月が来た事で話してくれてね。それが切っ掛けで色々気が付き、調べる事が出来たんだ」
 天耀は慰める様にそう言って微笑むと、顔を引き締める。
「さて、質問なんだが。藍月は孔先さんの協力でここに蘇月を探しに来た。で合っているかい?」
 それに藍月はコクリと頷く。
「じゃぁ、互いの情報を確認と共有したいのだが……大丈夫かな?」
「はい、大丈夫です」

 

藍月と天耀の情報確認・共有

藍月

生い立ち
 蘇月が失踪した時。宮廷に入れてもらえなかった後、藍月は孔先と出会って彼に事情を説明した。
 すると彼は、男として軍部に入り功績を残せば宮廷に入って妹を探せるかもしれないと言った。
 なので藁にもすがる思いで孔先の元で軍人として働いた。

蘇月の失踪について
 蘇月が自分に会わず、手紙だけ送って姿を消すのは不自然である。
 その手紙も普段自分に使われていた青い花の押し花がある便箋ではなかった。
 しかも天耀の宮へやって来た日、蘇月の部屋を調べるとあの頃の青い押し花の便箋がまだ残っていたので、切らしたわけでもない。

蘇月の友達
 蘇月は従獣になってから友達ができたと手紙に書いてよこしたが、誰だかは書かれておらず。
 嘘かもしれないが本当である可能性も考え、天耀との調査の時に口に出した。

蘇月を探す人は自分以外に複数人いた
 蘇月の特徴を伝え探していると、大体は「前にも聞かれた」と答えられる。
 初めはよく分かっていなかったが、自分が幼い頃住んでいた場所の住民や天耀達だと宮廷に来てから気が付けた。
 ただ、何となくだがそれ以外にも探している人がいるかもしれない。

 

天耀

今までやってきた事
 太博から、蘇月失踪時に城門にやって来た藍月の情報、そして雪が来てから何者かが入った痕跡が出た蘇月の部屋の話を聞き、雪は藍月・蘇月と何らかの関係があると考えそれを調べつつ雪の性別を確認しようと行動していた。
 そして、今まで得た情報で雪は藍月だとほぼ確定はしていたが、より強固にする為に脇の出る男の娘の服を用意し、ホクロを確認した。

 藍月が宮廷にやって来た目的についても、蘇月は誘拐されてまだ宮廷内にいると疑っているのかもしれないと思い、それからよくよく過去を振り返ると不審な部分もあったので、それをはっきりさせる為にも藍月の協力の為にも、蘇月の事を改めて調べた。

蘇月の行方
 現在宮廷内を独自に調査中である。

 

 天耀はそう伝えつつ『もう少し詳しく言いたいが、違っていましたという結果だったら藍月をガッカリさせてしまうだろうしな……』と思い、詳細は話さないでおいた。

「そうだ、藍月。あの簪の柄はもしかしてお母様の形見かい?」
「あ、はい」
 そう言って藍月は今もずっと持っていた簪を懐から出す。
「蘇月は赤い宝石の飾りを持っていたが、元はこの簪に付いていた物だね?」
「そうです……」
「良く見せてくれるかな?」
 天耀がそう言うと藍月は簪を差し出した。
 大切な簪を躊躇なく差し出してくれた事に喜びを感じつつも、それをおくびにも出さず手に取りよく見る天耀は
『高そうな代物だな……。こういうのは璃琳が詳しいのだが』
 と考えながら藍月に返す。

 こうして二人の情報確認と共有は終わった。
 が。
「所で藍月……嫌なら話さなくてもいいが、江凱兄上が良からぬ事を企んでいたのだと思うが、どうしてああなっていたんだ?」
 と、気になっていた脱衣所での一件を聞く。
「それは……、脱衣所に隠れていた江凱様にに女だとバレてしまって、黙っている代りに遊ばせろと言われたので……」
 そう聞いた天耀はハッとなり「そう言えばどこまでされた?!」と、食い気味に聞いてくる。
「どこまでって……その、体は触られましたけど特には……。胸は見られましたが」
 そう言って天耀から視線を逸らす。
『天耀様にも見られたんだよな……』となって、恥ずかしくなったのだ。
「そうか……」
 全然、全く、良い事ではないが、取り合えず貞操は守られたようで安心しつつも、天耀は急に真面目な顔で考え込んでしまう。
 その様子に『どうしたんだろう?』と藍月は視線を送ったが、実はこの時。
『藍月の胸は小さかったな……。これは遺伝なのだろうか? それとも男として過ごしてきた事による支障か?
 それならまだいいが、もしかして変な薬など飲んでいないだろうな? 月経は来ているのだろうか? あぁ、気になる……!』
 となっていて、居ても立っても居られず。
「藍月! 月経はきちんと来ているか?」
「へ? あ、はい。来てますけど……?」
 藍月はそう答えつつも。
『そういえば太博様が「天耀様が真面目な顔で何かを考えていたとしても、真面目な事とは限らない。そこは注意しろよ」とか言ってたな……』
 とか思い出す。
「それならいいんだ」
 ホッとする天耀だが「今は月経が来ない様に薬を飲んでいますけど」という藍月の言葉にやはり食い気味に彼女の肩を掴み「これからは一切飲むな!」
 と言って、藍月はビビりながらも「分かりました」と答えた。

 こうして。
 天耀は「まだ男のふりをしていなさい」と藍月に告げ、二人は別れた。

『別に、子供とか生まれない体になってもいいんだけど……』
 そう思ってお腹に手を当てつつも、藍月は自室に戻ると今までコッソリ調達して飲んでいた月経を止める薬を捨てた。

 そして。

『服、洗って返さなくちゃな。でも……』
 ずっとこのまま着ていたいなと思って、ベッドに突っ伏し乙女な顔をしたのであった。

 

第四十話『二人の告白』終

 

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 1巻に大体4話入ってる。(1話分のページ数による)
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*1:なお、小説を賞に応募した事もあるが1次審査すら通過した事はなかったし、評価シートありの所では常に構成の評価が最低ランクだった

*2:試し読みや読者の感想等も36話くらいでよく見なくなり、大して分からない

*3:牀(ショウ)だと思う

*4:薪焚き風呂を想定している