Dへの扉

謎生物、地球でやりたい事をする

長閑な国の王とケモノ 第四十一話 弐の夏『墨、吊られる』

これは『著者:藤間麗 / 出版社:小学館』が権利を有する漫画『王の獣~掩蔽のアルカナ~』の非公式二次創作物です


◆注意する事ばかりで長くなった注意◆

 これは

  • 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
  • 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
  • 女体化
  • 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
  • 滲み出る変態性

 を含みます。
 そして私は

  • 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
  • あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
  • 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
  • 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在

 です。
 それでも見たい人は続きへGO! GO!


第四十一話 弐の夏『墨、吊られる』

 天耀と藍月が腹を割って話をした次の日。
 天耀は太博にいつも通り情報共有をした後*3、そう言えば。と、とある事を思い出して旺眞に会っていた。
 そして、宗現がいつから旺眞から本を借りるようになったか? を聞く。
 何故かと言えば、宗現は元はそこまで彼女に本を借りていなかった気がしたからだ。
 すると旺眞は、六年前、ちょうど蘇月がいなくなってしばらくたった後くらいから、頻繁に結構な量の本を借りるようになったと答えた。

 旺眞の宮を出た後。
 天耀は江凱に会いに行き、挨拶の言葉もなしに怒りの逆エビ固めをお見舞いする。
「江凱兄上にはお仕置きです! どうして貴方はああいう事をするんですか!」
 この日はちょうど墨も傍に居なくて、江凱は天耀にされるがままになっていた。
「だって仕方ないじゃん! お前が雪に対してあからさまに女扱いしてるんだもん! それで調べてみたら蘇月かその姉かって可能性濃厚だったんだもん!」
「だもんじゃないです! 私の宮にあんな罠まで仕掛けてっ!」
 天耀は江凱をキリキリ締め上げながら、自分の軽率な行動を反省しつつも『こういう所がなければ素直に憧れの兄だと言えるのに』などと考えた。
 一方江凱は『子供の頃を思い出すな……』などと思いつつ
「そうだけども! でも、ちょっとからかっただけじゃん!」
 と、言い訳をする。
「ちょっと? あれがちょっと?!」
「そもそも罠だってあんなに上手く行くとは思ってなかったし、雪の体は触ったけどちゅーとかしてないぞ?
 それに胸は見たけど、元から少しだけ触る以上の事をする予定なんてなかったんだって!」
「はぁぁぁあああああ?! 触るだけでも大罪です!!!」
「ギブギブギブ。痛い痛い痛い……」

 そうして、しばしじゃれ合った後。

「お詫びと言っちゃぁなんだけど、俺もお前らがやってる事に協力するからさ。
 雪をからかってる時に聞いたけど、蘇月がこの宮廷に居ないか探してんだろ?」
「まぁ、そうですけど……」
「なら可愛い弟が惚れた女の為だ! 一肌脱いでやんよ」
「惚れ……!」
 顔を赤くさせる弟を『可愛いなー』と思いながらも
「ま、俺も今まで蘇月を探してきたしな。協力しねぇ理由がねーのよ」
 と言い放つ。
 実は江凱、今までコネやら伝手やらを結構使って海外まで蘇月を探していたのだ。
 しかしそれらしい白色狐の亜人情報に出くわさなかった。
 この世界は、子供の亜人が一人、もしくは二人で大人の手助けもなく生きて行けるほど優しくはできていない。
 なのに、これと言って情報が出てこないというのも可笑しな話だが『ま、灯台下暗しなら説明が付くな』と思う。
「というか、江凱兄上も蘇月を探していたんですか?!」
「俺だけじゃねーけどな。あと、お前の為じゃねーぞ」*4
 ムッとした顔になる天耀を見て江凱は楽しそうに口をニヤケさせた。
「ま、取り合えず色々と情報聞かせてくれね?」
 というワケで。

 藍月と蘇月は宗現が愛した亜人の女性・金華と彊虎の子供で、藍月は蘇月失踪後、蘇月は誘拐されまだ宮廷の中にいるのではと疑っていたが宮廷に入って探せず。
 その後宗現の親友の孔先に出会い事情説明後。彼の提案で男のふりをして孔先の元で宗現の私兵をし、そして六年掛けて天耀の一時的な従獣としてやって来て妹の行方を調べた。
 そして太博は六年前に藍月とやり取りをしていた事があり、その時の情報から初期に雪=藍月では? となり天耀に相談し、天耀の私兵を使って情報収集をし、天耀も雪の性別など確かめるべく行動に移しつつ、改めて蘇月失踪事件を思い返すと不審な点を見つけ、再調査を始めた。
 その中で宗現が疑わしくなったので、彼の帳簿も調べていた。
 こうして雪の右腋にホクロがあった事とその他情報で雪=藍月と確定し、どうすれば警戒されずに自分達が正体を知っているか伝えられるか? むしろもうしばらく黙っていた方がいいか?
 などなど考えていた矢先、江凱の罠により藍月は傷ついてしまった。どうしてくれるのだ!

 と、天耀は江凱に伝える。
「だから悪かったって!」
『粘着質な所があるよな~』
 と江凱はため息を付いた後、頭をかきながら口を開く。
「所でよぉ、璃琳から蘇月に付いて何か聞けたか?」
「いえ、特には……」
「ま、そうだろよ。それでさ、俺もまだ言ってない事があるんだが」
「は?! 言ってくださいよ! 何の為にあんな茶番を繰り広げたと思っているんですか!」
「まぁ怒るな。これから教える。ただし」
 江凱はある条件を出した。

 天耀の宮のとある建物にて、墨が罰として梁から吊られていた。
 ミノムシの様にロープを撒かれ、彼はプラプラしている。
「おぉ、いい眺めだぜ!」
 ちなみに罪状は『夏至祭のパルクールの時に、故意に他選手を妨害した罪』である。
「あの時雪が動いてくれたから大事にはならなかったが、逞牙が大怪我してたかもしれねーんだぞ。
 逞牙が怪我したらあれだぞ? 旺眞姉上は俺の事まで苦手になって家族の行事ですら出て来なくなる所だったぞ」
 天耀の宮で何が行われているか全く知らない旺眞がくしゃみをし、逞牙は風邪かと心配した。
「まぁ、ますます何かあるたびに天耀様を頼って、江凱様が嫉妬に狂ってしまいますね」
 墨はプラプラ答え
「こんな状況で主にそんな口をきくたぁいい度胸じゃねぇか!」
 と江凱が吼える。
 そしてそんな光景を、天耀、藍月、太博は、若干引き気味に眺めていた。

 遡る事数日前、江凱から出された条件は『墨を天耀の宮で吊る事』であった。
「何故?」
「理由なんて何でもいいんだがな、取り合えずパルクールの時に墨がご主人様の事も考えずに一人突っ走って悪い事をしたのを罪状にしよう」
「罪状にしようって……。いや、そうではなく吊るす必要性を聞いているのですが?」
 パルクールの妨害は、墨の単独で行われていたのか? と思いながら天耀は聞いてみるが江凱は特に答えない。
 その代わり、楽しみだと言わんばかりに顔をにやけさせていた。
「じゃぁ、準備が出来たら連絡するから」
 と、江凱は天耀の肩を叩いて手をひらひらさせると、準備をする為に弟を置いて部屋から出る。
 といってもどこに吊るそうかとか、ロープは何にしようかなどの他に、程よいタイミングで墨がパルクールでの事でお仕置きされてると、璃琳の耳に入る様にするだけだが。

 こうして、今この現状が出来上がっている訳である。
 ちなみに墨は黒いし江凱のセンスで黒い服を着せているので、熱中症にならないようにちゃんと日陰に吊るしている。
 そんな中、江凱は『そろそろだな……』と考えていた。
 すると遠くから馬の走る音が響き、段々とこちらに近付いてくる。
「お、来たな」
 一行が音のする方を見れば、そこにはスカートをひらひらさせて馬に乗ってやって来る、必死の形相の璃琳がいた。

 

第四十一話『墨、吊られる』終

 

 璃琳たんが乗馬技能を持っているのは一応理由があり。

 仕事とか商品開発とかの相談等で、いちいち馬車を使うのが面倒だから。

 である!

 あと、跨いで座るバージョンと横に座るバージョン両方でいける。

 

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次回

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 割高にはなるが連載中なら最も早く王ケモが見られる。
 また、マイクロ&単行本で修正された箇所が電子版でも元の状態で見られると思われるので、単行本とセットで買って変化を楽しみたい人向け。

 

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 1巻に大体4話入ってる。(1話分のページ数による)
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*1:なお、小説を賞に応募した事もあるが1次審査すら通過した事はなかったし、評価シートありの所では常に構成の評価が最低ランクだった

*2:試し読みや読者の感想等も36話くらいでよく見なくなり、大して分からない

*3:特に描写してなかったが、ちゃんと藍月・蘇月周りの得た情報は太博と情報共有しているよ

*4:正確には、「お前の為だけじゃないぞ」