注意
- この物語の元となったのはとある版権物
- 後に矛盾が生まれる可能性アリ
- 色々あってこの物語はいらない子となった為、突然終了の予感
- 私は漫画や小説などを作るのは得意じゃない
前回
川遊び
雨ばかりの季節も終わり、そろそろ学校が夏休みに入ろうとしている頃。
レンは仕事中、『虫取り網も虫かごも荷物に無かったよな……』などと思いながらけたたましく鳴くセミをボケーと見つめ。
でもと、御影家の人々の姿を見たらある事を聞こうとしていた。
「泳ぐ場所?」
「うん」
シンに聞き返され、レンは頷く。
「プールはあるよ。あと、川かな? ここは海無県だからねぇ」
そう答えてから
『レンちゃんを海に連れて行ってあげたいなぁ。
でもそろそろ忙しくなるし、もう無理だよね。
それにここから二人で海に行くなら泊まった方がいいけど、お泊りはまだ早いし……』
などとシンが考えていると。
「泳げる川があるの?」
レンは以外、と言いたげな顔でそう聞いてきた。
「あるよ、ここの裏山に。ちょうど流れが緩やかで深い場所があってね。あと魚も釣れるよ」
「え? 行きたい!」
レンは目を光らせ、数日後。
女の子三人とホーと、引率にボクが付き添い行く事になった。
「うぅ、僕も行きたかった……」
女の子三人で楽しみたいという事でサチの学校が休みの日に行く事になり、念の為にボクが引率をする事になり。
そんな中、シンまで抜けると休日でもさほど混まないとは言え不安。
という事で、シンは行けなかったのだ。
「アハハ……。まぁそんなに落ち込むなよ。写真、沢山取って来てやるから。な?」
そうアイが元気づけ、萎れていたシンも「うん」と頷く。
「今日は水遊びするだけだから、魚釣りする時はシンも付き合ってよ」
レンは今日川の場所を覚えて別の日に魚釣りに行こうとしていたので、荷物を半分持たせよう程度で誘うと。
「うん、分かった~!」
シンは顔をキラキラさせて大喜びした。
と言う事で、レンは送られてきた荷物にあった水着を着てその上から服を着ると、裏山の川へ出かけた。
*
先頭を歩くボクの腰にはクマよけ鈴がガラガラと鳴っている。
「クマがいるの?」
「いや、熊はいないが猪がな。時々出るんだ」
「ふ~ん。食べられる?」
「時期になったらな」
ボクとレンのそんな会話に「レンって食べるの好きだよな」と小声でサチの肩に止まっていたホーにアイがヒソヒソ話し掛け。
「まぁ、レンは子供の頃から食べるのが好きだったからな」
と、ホーは呆れた顔で返した。
川に付き、早速レン達は水遊びを楽しんだ。
なお、レンは黒いボーイッシュなタンキニ、アイは肌の露出が多いセクシーな赤いビキニ、サチはピンクのフリルが付いた可愛いワンピースタイプを着ている。
ただアイは皆と遊びながらも、シンの為に防水性のスマホでレンを中心に写真や動画を撮っていたが。
そしてホーは浅瀬でバシャバシャと水浴びし、ボクはというと日陰の大きな岩に座ってラジオで音楽を流しながら皆を見ていた。
『別に猪避けをしなくても、気配で分かるがな』
とは言え、向こうから避けてもらった方がいいのでラジオを流している。
そして時折、スマホのカメラで写真を撮った。
*
散々遊んだ後。
「市営のプールなんだけど、近くに駄菓子屋があって泳いだ後はそこでおやつを食べるのがお決まりなんだ」
と、お昼に持って来ていたおにぎりを食べながらアイが近くにある市民プールの話をする。
「へー。行ってみたい」
「今度一緒に行きましょうか?」
「うん」
『ワシは堂々と付いて行けないな』
そうレン達の会話を聞きながら、米粒をついばみながらホーは思い。
『市民プールなら付いて行く必要はないな』
と、ボクは佃煮昆布おにぎりをもぐもぐやりながら思った。
*
帰宅後。
「イツ様、これをお渡しします」
ボクはスマホを取り出し、操作する。
するとイツのスマホにフォルダーが届けられた。
「では」
ボクがそう言って去った後、イツがフォルダーの中身を確認するとそれは今日の水着を着たサチの画像がたくさん詰まったアルバムで、イツはビビッてスマホを落としそうになる。
ただ……。
「……」
イツはそのアルバムを、自分のスマホに大事にしまっておいた。
川釣り
川で遊んでから数日後。
「レンちゃんは魚釣り、よくしてたの?」
川までの道すがら、シンはレンに聞く。
「うん。海に囲まれてたからよく釣ってた」
「川釣りはした事ある?」
「うん。川もあったから」
「そっか」
『海に囲まれてて川もある場所に住んでたのか。
……ハワイ?』
そんな事を話したり考えたりで二人は川に付くと、川釣りを楽しんだ。
レンは上手に釣れて、シンより多くの魚を釣り上げ満足そうだ。
更に。
「ここ、サワガニたくさんいるよね」
「綺麗な川だからね」
魚釣りの後はサワガニをせっせと二人で集め、帰宅した。
そして夕食の時間。
「おー、いただきます」
サワガニの素揚げと川魚のフライをレンは満足そうに食べ始め。
「しばらくは魚料理が続くね」
フタは冷凍庫に詰め込んだ魚の量を思い出し苦笑いし。
「ごめんね~。何だか止められなくて……」
レンがあまりにも楽しそうに魚を釣る物だから、そろそろ食べるのが大変になる量をレンが釣っても中々止める事が出来なかったシンは謝った。
そしてレンは。
「私はしばらく魚でいいよ? 好きだし。毎日塩焼でもいいけど」
と、悪びれる様子もなくモグモグとしていた。
スイカ割
「ご近所さんからスイカもらったよ~」
フタがそう言って袋に一つずつ入った大きなスイカを二つ、両手で持って掲げ、レンに見せた。
周辺は野菜を育てる人が多く、御影家は近所の人から野菜をよくお裾分けしてもらっている。
「おー、でかい」
「冷やして夕食に食べようか?」
「うん」
そしてフタは厨房の大きな冷蔵庫にしまおうとし、思い立つ。
「そうだ。そう言えばレンちゃんはスイカ割、した事ある?」
「スイカ割……、ない」
レンは首を横に振った。
「じゃぁ」
御影荘の休日。
御影家の庭にレジャーシートが敷かれた。
「目隠しして、こう棒をおでこに付けてくるくる回るのもあるけど、それすると難しくなるからね」
レンは目隠しをして棒を構える。
「もうちょっと右~」
「お、いいぞ!」
などと皆から誘導され。
「そこです!」
「分かった!」
レンは思いっきり棒を振り落とし……。
「ば、バカ! 軽く当ててヒビを入れさせるだけでいいんだ!」
「先に言ってよ」
レンは目隠しを外してから文句を言うボクにムスっとした表情を向けて、目の前のスイカを見た。
「木っ端みじん……」
スイカは力いっぱい振り落とされた棒により、グシャリと汚く三つほどに分かれ、その周囲には細かい欠片が散らばっている。
「まぁ、食べられるから」
フタはそう言って大き目のスイカの欠片を回収し切り分け、皆で食べずらくなったスイカを食べた。
ホーはシートに散らばった小さな破片を食べている。
ちなみにもう一個は普通に食べた。
かき氷
「レン。今日の夕食後にかき氷を食べるけど、何味が良い? あ、かき氷は知ってるか?」
午後、仕事中にそうアイに聞かれて「知ってる」とレンは答える。
「普段は全種類のシロップを、こう……色が混ざっても汚くない様に掛けて、最後に練乳を掛けて食べてた」
それを聞いてアイは「レンらしいな」と苦笑いを向けた。
「あ、そうだ。抹茶に小豆の和風のもできるけど……どうする?」
「え?」
レンは目を光らせる。
「和風の食べたい!」
「じゃぁ今日はそれだな。練乳掛けるか?」
「おいしい?」
「おいしいぞ」
「じゃぁお願い」
こうして。
「おいしい」
レンは食後に宇治金時・練乳掛けを食べた。
*
その後もレンは、花火やお下がりの虫取りセットを貰い虫取りをしたりと、色々やって御影家での夏を過ごしていた。
日記
今年の夏は友達と沢山遊んでる。
プールに行って帰りに駄菓子を買い食いしたし、一緒に花火もした。
裏山の探検をして、昔シン達が使ってたお下がりを貰って家でしてたみたいに虫取りもできた。
カブトムシも取ったし、黄色いスイカも食べたし、サチが夏休みに入ってからは宿題を手伝った。
あとなんか最近大きな花火もよく上がる。
綺麗。音が凄いけど。
家にいた頃と、全然違う夏だ。
それと、もうすぐ私の誕生日。
今年は皆がプレゼントをくれるって。
リクエストを聞かれたけど、何でもいいから当日まで教えないでって言った。
何が来るか楽しみ。
でもお父さん、今どうしてるのかな?
雑談
そう言えば、魚を釣るには許可が必要だったよな?
とかなったが、魚も釣れると聞いた時にレンは早速許可を取ったと思うわ。
次回