Dへの扉

謎生物、地球でやりたい事をする

EVE#035『御影家のお正月』

注意

  • この物語の元となったのはとある版権物
  • 後に矛盾が生まれる可能性アリ
  • 色々あってこの物語はいらない子となった為、突然終了の予感
  • 私は漫画や小説などを作るのは得意じゃない
  • これは創作物だ。実在のものとは一切関係ない

 

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 御影荘は年末年始忙しい。
 だからバタバタと過ごしてお正月も明けて暇になった頃、旅行から詩葉と武蔵が帰って来て、御影家恒例の時期がズレた年末年始が始まった。

 今日は大晦日の日! と、金曜の夜にみんなで年越しそばを食べて翌日。
「はい、お年玉よ~」
 詩葉と武蔵はお年玉を子供達に配る。
「ホーにもやろうね」
 と武蔵がホーにお金の入った包みを渡したら、詩葉が「あらお父さんったら」と笑った。
 それから御影家の面々は神社へのお参りは明日行く予定だしと、寒くなってからリビングに出された大き目のコタツ×2に集まり、おせち、お雑煮、おしるこを食べ、テレビを見たり動画を見たりとのんびり過ごした。
 今日から数日間は、そうしてダラダラ過ごす予定だ。
 ただ、サチは学校があるのであまりダラダラ出来ないが。

「そろそろゲームでもしようか」
 昼前。そう言って武蔵がコタツから出て。
 しばらくするとテーブルゲーム関係の箱や本を沢山抱えて戻って来た。
「レンちゃんの好みが分からなくてね。色々持ってきたんだけど……」
「ん~? TRPGは分かるよ」
 レンはルールブックを手にして答える。
「じゃぁ、それをしてみようか」
「では、私がKPを務めますね」

 レンが手に取ったルールブックは町内で起きたちょっとした事件を二人一組で解決する。という物で、ボクはスマホ片手にシナリオを探し。
 何作か手頃な値段の物を購入すると読み込み。
 しばらくすると
「良さげな物があったので、これで始めますね」
 と、プレイヤーの立場や推奨技能を読み上げる。
 そしてレンはシンとパートナーになってキャラクターを作り、2時間ほど遊んだ。

 夕食前。
 皆でダラダラとボードゲームなどしながら過ごしていた時。
「そろそろ、アレがやりたいわね……」
 と詩葉が言う。
「アレ?」
 レンが聞き返すと、詩葉は「ちょっと待っててね」と部屋に戻り、しばらくすると画用紙と色とりどりのペンやマスキングテープ、そして文房具を持って戻って来る。
「画用紙で好きなマスを皆で作る、御影家恒例の手作りすごろくよ~!」
 そう言って画用紙を配った。
 レン達はそれを切り取り、お題を書いて皆のと合わせてマスを並べ、ズレない様にマスキングテープでテーブルに貼り付け、すごろくが完成した。
 サイコロはさっきまでやっていたテーブルゲームの物。コマはテーブルゲームにあった物や自前の小さなぬいぐるみや小物を使った。

 こうしてワイワイと夕食を挟みながら遊び、しばらくたった頃。
「喉が渇いちゃった」
 レンはそう言って『18番を歌う』というマスに止まってしまい渋々昔の歌を歌うイツの歌声を聞きながら席を立ち、キッチンに向かう。
 そして冷蔵庫を開けて中を覗いた。
 お茶でもいいのだが、甘い物が飲みたい気分だったのだ。
 すると見慣れない青い何だか綺麗な瓶に入った飲み物が目に入った。
 好奇心に駆られたレンは正月に浮かれたのもあり、特に表示をよく見る事もなくジュースかな? とコップに注いでグビグビ飲んでみる。
 炭酸っぽい感じだが……。
「これ、お酒だった……」
 一応、レンが元居た場所では18歳から飲酒OKだったが
『この国は違うよな……?』
 となったレンは瓶を元に戻し、いつもの果汁100%リンゴジュースをコップに注ぐと何も言わずに戻って来る。
「もう、いいだろ」
 イツはそう言って歌うのを止めた。
 何だか恥ずかし気だ。
「イツさん、上手でしたよ」
 サチが笑顔、とうかホクホク顔でそう言う。
 ちなみに普通に上手だったので、慰めている訳ではない。
「さ、次はレンちゃんよ」
「おー!」
 レンはそう言ってシンと詩葉の間の自分の席に座り、勢いよくサイコロを振ると自分のコマである埴輪フィギュアを出た数進めた。
 そしてマスに書かれている事を読み上げる。
「『隣に座っている人にキスをする』だってさ」
「あ、これアイだろ?」
 文字を見てフタがそう突っ込むと「面白いかなって」とアイが悪戯っぽい笑顔を向けた。
「場所はどこでもいいからさ」
 そんなアイの言葉を聞きながらレンは特に動揺するわけでもなく平然としているが、隣に座るシンはあからさまに動揺した。
『レンちゃん、僕にキスするの!!! ……いや、母様の方に行くかな? 動揺、全くしてないし』
 シンがそうやって冷静さを取り戻した時、レンはシンの唇にキスをした。
 酔っていて冷静な判断力がやや可決したレンにとって、この程度の動作はたやすかったのだ。
 そして顔を離してシンの顔をまじまじと見つめ。
「あれ? シン、顔が変じゃない?」
「えぇ?!」

 御影家が騒がしくしている中、付けっぱなしのテレビではEVEに対しての重大発表があるとニュースが流れていた。

 

***

 

 御影家のお正月中、シンの顔が元に戻り。
 その時に流れたニュースで、女性が生まれないとされたこの時代にも、女性が生まれていた事。
 その生まれた女性は皆、新人類である事。
 そしてEVEは、研究機関が捕獲した新人類の女性の遺伝子を操作し作り上げた、新人類を産まない女性である事が報じられた。
 更にその真実を知る者はごくわずかの旧人類で、その旧人類が新人類に乗っ取られる事を恐れ、悪あがきをし、そして世間には今までひた隠しにされてきた事実が世界に発信され。

 それからしばらくして、ボクは御影家からひっそりと姿を消した。

 御影家ではそんな彼を心配していたが、何となくいつかこうなるのではないか? と思う者もいた。

 そして月日は流れ……。

 


 

秘匿情報公開

 シンはボクと一緒にトモを探しに行って襲われた時。致命傷を負って死んでいたのだが、偶然その場に干渉した裏世界の住人『蝶々蜘蛛』の力で生き返った上、蝶々蜘蛛の粋な計らいで死神さんまで召喚してもらえた。
 ただし蝶々蜘蛛からホンワカした顔にされた上
「お姫様からキスされないと、ホンワカ顔のまま20歳の誕生日で死んでしまう」
 というゲーム参加を強制されたが。

 そしてこの事を知るのは能力をシンに対しうっかり使ってしまったイツだけだ。
 その後、イツがその事実を知っていると知ったシンは家族が心配するのが嫌だからとイツに口止めし、二人の秘密にしていた。

 シンはボクが良からぬ事をしていると何となく分かっており、それは自分のせいだと思っている所もある。

 ちなみにシンの能力の『起死回生』は、能力者本人がヤバい状態に陥った時にどうにかしちゃうチートみたいな能力である。

 

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