獣神恋々奇譚*28ページ目『冬至祭と温泉旅行三』

注意

  • この物語はとある版権物の影響で制作されている
  • 純粋な漫画でも小説でもない
  • 矛盾が生まれる可能性アリ
  • 私は小説や漫画等を描くのが得意ではない

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◆◆◆

 

 陰は早めに温泉を堪能し、おやつに暝玉の買ったお土産を食べ……。と、旅館を満喫していた。
 そして今は一人で旅館を散策し終えてゲームセンターに着いた所だ。
『こういうのは取れないからなー。見るだけ!』
 と、ユーホーキャッチャーを眺めていると。
「あれ、陽の妹じゃん!」
 と声を掛けられる。陰が声のした方に顔を向けると炎龍がいた。
「炎龍様! いつも兄がお世話になってます」
 と陰は丁寧に頭を下げると炎龍は笑顔で「いいよそういう挨拶は。それより」と、カップケーキを取り出す。
「これ、俺が作ったんだけど陰ちゃん味見してくれね?」
「炎龍様がですか?」
「うん」
 炎龍はニッコニコである。
 陰の方は『炎龍様もお菓子作りとかするんだなぁ』と意外だと思いつつも1個頂く。
「ハーブが入ってるんですね」
「分かる~? ちょっと個性を出してみたんだ」
 そう返事をしつつ、炎龍は早速アーケードゲームで格闘物を遊びだしていた。
「おいしいです!」
 陰はそう言ってお礼を言い、別れようとした時。
「そうだ。暝玉にさぁ渡してほしい物があるんだけど……。俺からだと受け取らないじゃん? 陰ちゃんから渡してくれね?」
「え、いいですけど……」
「皆で食べられるお菓子なんだけどさ。でも今俺の部屋にあるんだよなぁ。鍵を渡すから陰ちゃんが取りに行って、そのまま持って行って欲しいんだけど」
 そう言って素早く鍵を陰に渡し、ゲームを操作し続ける。
「お菓子はテーブルの上に置いてあるから。鍵は使い終わったら受付に預けておいて」
「えー、でも分かるかなぁ……?」
 不安そうな陰に「多分大丈夫」と、メーカー名と共にお菓子はバームクーヘンだと伝える。
 そのバームクーヘンが皇族御用達のお高い物だと分かると陰は急に張り切って炎龍の部屋に向かった。

『炎龍め……図ったな……!』
 陽はそう思いながら、こうなる事が分かっていたかの様に敷かれた布団の上にうずくまっていた。
 苦しいわけではないのだが、何というか理性が効かなくなる感じである。
 その理由があのカップケーキとこのお香にあるというのも陽は把握済みである。
『俺に対してこうしたって事は……』
 何やら嫌な予感がする。
 そうこうしていると扉の鍵が開く音がし「お邪魔しまーす」とオズオズ部屋に入って来る気配がした。
 陰だ。
『ま、マズイ……』
 そして陰は部屋に入りうずくまる陽を見つけて「お兄ちゃん?!」と駆け寄り、「大、丈夫……?」と陽にかぶさるように倒れてしまった。
「マズイ……」
 陽は理性が効かなくなりつつある自分を必死に抑えた。

 暝玉はウピウピでゲームセンタに向かっていた。
 陰は一人で散策に出かける時、最後にゲームセンターを覗いてから帰ると言っていたからだ。
 そしてウッピウピなのは、とある企みがあるからだ。
 その企みとは……。
 陰はどうせお金がもったいないからと、ユーホーキャッチャーをしないで見るだけであろう。
 そこに自分がやって来て陰の代わりに金を出して遊ばせてやる。
 ついでに陰の欲しい物を取ってやる事で、普段は割と間抜けに見られている自分もそうではないと見せ付ける事が出来る。
 という物である。
 ちなみに暝玉はユーホーキャッチャーをあまりした事がないし、得意でもない。
 だからせいぜい代わりに金を出して陰に遊ばせ喜ばせる程度しか出来ないのだが、その事はあまり深く考えずにカッコいい所を見せたい暝玉はルンルンでゲームセンターに向かった。
 のだが……。
 そこには格ゲーをする炎龍しかいなかった。
 暝玉はこの瞬間、何となく嫌な予感を覚えつつも兄に話しかけた。
「おい、ここに陰が来なかったか?」
 炎龍はわずかにビクリと震え。
「何か約束してたの~?」
 と尋ね返す。
「そういうワケじゃないが……で、来たのか来なかったのか?」
「う~ん。ゲームに夢中だったからなぁ」
 そんなやり取りをしている所に。
「陰が炎龍様の部屋に入るのを見ましたが、陰をそそのかしましたか?」
 と、気配を消して近寄って来たフレイに背後から声を掛けられ、炎龍と暝玉は驚いて叫んだ。
「わー! お前気配を消して背後に立つなよ!」
「そうだぞお前! そういう所がぜんっぜん可愛くないぞ!」
「っていうか、陰が兄貴の部屋ってどういう事だ?!」

「陰、取り合えず……変化だ……」
 理性を失いつつある陽はそう陰に声をかけ、二人で変化をしてチビケモ化した。
 取り合えずこの状態では間違いが起きないからだ。
 そして二人布団の上でモフり合う。
「うぅ、陰、俺は……。やっぱり陰の事が好きだ~。俺と結婚してくれー」
 理性が吹っ飛んでも体はチビのモフモフ。言ってる事まで可愛くなった兄をモフモフしつつ「お……お兄しゃん……」と、陰は特に返事をしないで兄の体に顔をこすりつける。
「うぅ、お耳……お耳がぁ」
 次第に、陽は陰のお耳をシャブシャブしたい衝動に駆られる。が、『超えてはならない事もある……』必死にこらえていた。
 そこに。
「うおー! 陰!!! 無事かぁ!」
 と暝玉達が駆け付け。
「うわぁぁああああ! 可愛い!」
 と、スマホで動画を撮り始め……。
「おい、そんな事してないで……早く陰を俺から離せ……」
 陽は恨めし気にそう暝玉に指示を出したのだった。

 

◆◆◆

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