獣神恋々奇譚*14ページ目『無人島旅行二』

注意

  • この物語はとある版権物の影響で制作されている
  • 純粋な漫画でも小説でもない
  • 矛盾が生まれる可能性アリ
  • 私は小説や漫画等を描くのが得意ではない

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◆◆◆

 旅行に出発する日。
 家の戸締りをし、憑き物達に留守を任せ、陰達は荷物を持ってタクシーで空港に向かう。
 そして烈華・皇族専用の水空両用船が到着するのを待つ間、電子書籍を読む暝玉から少し離れた所でフレイは顔の固い陰に話し掛けた。
「緊張している様だな」
「はい。初めての旅行っていうのもあるんですけど、久しぶりに兄と会うので……」
「うむ」
 色々複雑な事情がありそうだなとは思いつつもそれには触れず。
「陰には不要かもしれないが、暝玉の家族と守護者の紹介しておく」

皇帝・宗現(そうげん)
 烈華で一番偉い、黄金ノ国の人間の皇帝。
 黒髪でルビーの様な赤い瞳をしている。
 妃はこれまでに三人居るのだが、鶺鴒は死別、芙蓉には浮気され逃げられ、最後の妃の柘榴はあちこちに出かけ色々と見聞きするのが好きな女性で、ほとんど家にいない。

「今回も柘榴様はいない。あまり女性に恵まれていない皇帝だな」
 子供の頃よく遊んでもらった叔父がそんな風に言われて陰は少しだけ腹を立てたが、その通りなので反論する事が出来ないのであった。

宗現の守護者・夜咫(やた)
 白蛇系妖魔。白髪に赤い目をしている。

「女の噂が全くない男だ。一部界隈ではもっぱらBLネタにされているが、俺の見立ては違うな」
 陰はフレイの妙な解説を聞き流しながら、子供の頃に宗現に付いて来ては陰達と遊んでくれたとか、元は父親の瑠璃に付いていた守護者だと聞いたとか考えて尻尾を揺らした。

鴬(うぐいす)
 不幸な事故で母親・鶺鴒を亡くし、それが切っ掛けで神の能力である強い治癒の力を開花させた魔人の第一皇女。
 鴬色の髪と朱色の瞳をしている。
 守護者は狼系妖魔のアド。
 大変美しく国民からの支持も厚い。

「一見すると大人しいナイスバディの持ち主だが、肉食系お姉さんだ。しかも非常に一途だから俺では落とせない」
 余計な情報が加わったなと思いながら陰は苦笑いして聞いていた。

鴬の守護者・アド
 狼系妖魔。灰色の髪に黒い瞳、褐色の肌をしている。

「あとこいつは童貞だ」
「?!」
 謎のちょい足し情報に陰はびっくりしている。

炎龍(えんりゅう)
 強い神の力を持つ魔人の第一皇子。芙蓉の一人息子。
 燃えるような赤い髪と金色の瞳をしている。
 守護者は白狐系妖魔の陽。
 雨が降らずに困っている村民の願いを聞き入れ雨を降らせつつ豊作を約束する傍ら、若い女性を生贄として差し出させ女給として仕事させてる。
 暝玉と仲が悪い。

「あとこいつは皇子の傍らとある副業をしていてな、それはおいおい説明する。
 それからこいつには気を付けろ」
 炎龍様とは接点がないなと思いながら陰は「分かりました」頷いた。

炎龍の守護者・陽(よう)
 狐系妖魔。銀髪に青色掛った紫の瞳をしている。

「あとヤツは……。ああ、いいか」
「?」
 フレイが何かを言いかけて止めたが、陰は特に何も聞かなかった。

黒曜(こくよう)
 人間の第二皇女。暝玉の双子の姉で柘榴の娘。
 黒い髪と黒い瞳をしている。
 守護者は鳥系妖魔の旭日。
 暝玉と同じ年だが強い妖力の影響で八歳くらいの時に成長がゆっくりになってしまい、未だに姿が幼い。

「Sっ気のある美少女だ。胸は当然まだ小さいが、母親がそれなりに大きな胸なので恐らくその内大きくなるだろう。
 が、今の状態では俺の攻略範囲外だ。
 そして将来に期待すべき人物ではあるのだが、恐らく俺では落とせないかもしれない」
 また余計な情報が入ったなと思いながら、陰は黒曜様とも接点がないなぁ。と思っていた。

黒曜の守護者・旭日(あさひ)
 鳥系妖魔。緑色の髪をしている。

「スタイルが良く胸もでかい。浮いた話は聞かないし少々アプローチした事はあったが、少なくとも俺に興味を示さなかったな」
 フレイの唐突な告白に陰は困った顔を向けた。

 フレイの妙な情報付き解説が終わった頃、待っていた船が到着したので三人は乗り込んだ。
 すると宗現が家族と各々の守護者を連れて来て「自己紹介をしよう」と言い、まずは陰が初めましてとあいさつし、宗現がそれに続いてその後は夜咫、鴬、アドと年長者とその守護者という順で回って炎龍が自己紹介を終えた後。
 炎龍の傍に付いていた銀髪の美しい女性が前に出た。
『綺麗な人だな。お母さんにちょっと似てるかも? あれ? でもお兄ちゃんはどこ行っちゃったんだろう……?』
 陰がそう思っていると銀髪の女性が口を開いた。
「私は陽。炎龍様の守護者です。よろしくお願いします」
 薄く化粧をした顔はすまし顔。彼は軽くお辞儀をして後ろに下がり陰は口を開いて間抜け顔で固まっていた。
『お、お兄ちゃん?!』
 そんな陰の様子を見ながらツンッとした顔の黒髪の少女が前に出る。
「あたしは黒曜。不本意ながらそこにいる根暗の双子の姉よ。よろしく。あとこっちはあたしの守護者の……」
「旭日です。よろしくお願いします」
 サイドだけ長いショートカットの旭日はすまし顔で頭を下げた。

 こうして全員の自己紹介が終わった所でいったんお開きになり、皆バラバラに去ってゆく。
 ただ鴬は去り際小声で「後で私の部屋に来てね」と言い残して。

「フレイさん!」
 暝玉も部屋に引っ込み、フレイと二人きりになってから陰はフレイに詰め寄った。
「お兄ちゃん、陽のあの姿は何ですか?!」
「なんだ、元からああじゃないのか?」
 元から女装趣味なのかと思い特に何も言わなかったフレイは意外そうだ。
「違いますよ! お兄ちゃんはちゃんと男の人の格好をしてました!」
「そうか。だが俺が来た四年ほど前にはすでにあんな感じだった。ちなみに男とは思えぬ美しさだが、手は出していないから安心しろ」
「いいですよそういう情報は!」
「うむ。では、俺はもう行くぞ。この船は娯楽施設も充実してるから、陰も適当に楽しんでおけ」
 そう言ってフレイは行ってしまい、陰だけが取り残された。

◆◆◆

補足とか

 炎龍が雨や豊作をもたらしているのは、この惑星以外もあるかもしれん。

 

次回

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まとめ

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