Dへの扉

謎生物、地球でやりたい事をする

謎生物・創作の軌跡8『終焉世界』

◆注意◆

 これは、脳内でグヘヘっていたりやたらと細かい設定を考えてはみたものの、それ以上には行けなかった物語の墓場です。

 

以下、言い訳などなど

 設定とか簡単な話の流れを考えるのは楽しいし好きだけど……

 文章やイベントを考えたり絵描いたり、ましてや客観的に見て相手に伝わるかって考えながら創作するとか高度すぎるよ。

 

 でも取り合えず自分だけでも具体的にモノを見てグヘヘる事ができる様に脳内で妄想した事が絵や小説や漫画やアニメやゲームとして具現化する魔法を手に入れたいようぅぅぅううううう!!!!!!

前回

ayano-magic.hatenablog.jp

まとめ

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 これは、遠い未来のお話。

 薄暗い世界から飛び立とうとする雛のお話……。


終焉世界

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1

 小さな2人が住んでいる世界は、周囲を壁に囲まれた薄暗い世界だ。

 ここには食べ物がない。

 水がない。

 常に薄暗く、虫や小さな動物が死んだ人間をもさぼり食べている。

 そしてそんな世界で2人は、食べられるものは何でも食べ、飲めるものは何でも飲んで生きていた。

 けれど最近は、いつまでも空腹と喉の渇きが収まらなくなっている。

「ここに居たら、私達死んじゃうね」

 赤毛のセリがポツリとつぶやく。

「うん」

 巻き毛のクコがそれに同意する。

「どうしようか?」

「……僕、探してみようと思うんだ。お話に出てくるあの国を」

 その言葉にセリが目を輝かせる。

「いいね、それ! じゃぁ、さっそく出発しよう!」

 セリはクコの手を取ると、先導して歩き始めた。

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2

 この世界には『幸せの国』という話が語り継がれている。

 それはこんな物だ。

 

『この世界の向こうには、明るく色鮮やかな床が広がり、透明な水が大きな水溜りに流れ込み、おいしい食べ物もたくさんある、そんな綺麗で誰もが幸せに暮らせる世界が存在する』

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  これを聞いた二人は『おいしい食べ物』に、大きなネズミの丸焼きくらいしか想像できなかったが 、クコはこんな世界があるならこれからも二人で生きていけるだろうと思ったし、それはセリも一緒だった。

 だから二人は『幸せの国』を探して駆け回っていた。

 しかし大人は無常である。

 

3

「無駄なのにね。そんな世界は無いのだから……」

「探してみれば、あるかもしれないじゃない!」

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4

「じっとしていればいいものを。そうすれば腹は減らない、喉も乾かない……」

「何もしないでじっとしてたら、死んでしまうよ?」

 クコは物に引っかかり中々動かない扉を一生懸命押しながら言った。

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5

 大人はいつも子供の夢を壊すような事を言うがこの世界でも例外ではなく、二人は周りの大人達に嘲笑われてばかりだ。

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 けど、二人は諦めなかった。

 ただ……。

 

6

 進む道は険しくて、行けども行けどもうす暗い世界が続くばかり。

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 そして、とうとう二人も動けなくなってしまった。

 今まで動けていたのが嘘みたいに体の力が抜けてゆき、二人がここで死ぬのかと覚悟した時だった。

 

7

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 二人の元に風が吹く。

 それは感じた事のない匂いを運んできた。

 

8

 どこにこんな体力が残っていたのだろうか?

 二人は風が吹く方の瓦礫をどかす。

 すると強い光が差し込んできて――

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9

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 目の前に広がっているのは見た事もない世界だった。

 けど、食べ物も飲み物も見当たらない。

「これが『幸せの国?』」

 不安になったセリがクコに問いかける。

 けど、もちろんクコはそれに答えられない。

 

10

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 二人は迷った。

 この先に向かって行ってもいいものかと。

 

 ……けど、それは一瞬だった。

 何故なら、答えは決まっているのだから。

 

 セリが真っ先に壁の外へと飛び出した。

「待ってよ」と、クコも後に続いて外に飛び出す。

 

 すると、自分達が居た世界が震えた。

 

11

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 それは巨大な卵だった。

 そう、セリとクコはこの卵の中で生まれ育ったのだ。

 

 その卵は、セリとクコを置いて空に飛んで行ってしまう。

 二人はしばしそれを見つめて……。

 

 そして歩き出したのだった。

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解説

卵の正体

 この惑星の人類は繫栄していた。

 ただそれも過去の事。

 人類の繁栄と共にこの星の環境は徐々に悪くなっていき、やがて人々が住める場所も少なくなっていった。

 そんな中、ある計画が始動される。

 それは巨大シェルターを作って、再び人類が住める環境になったら外に出ようという物だった。

 そのシェルターは大きな卵の形をした飛行物体だ。

 しかしその卵の中に全ての人間は入りきらなかった。

 だから人類は人類を選別して必要な人間だけ卵の中に入れて、再び世界が安定するまでまるで孵化を待ちわびる雛の様に待っていた。

 最初は何の問題もなく暮らせていた。

 卵をメンテナンスする技師がいて、複数の人間を取りまとめる人が居て、人口の管理もしっかり行い、綺麗で安全な水と食料も作られていた。

 ただ、長い歳月が流れると共に事情が変わってゆく。

 住居である卵に修繕できない箇所が増えてゆき、やがて水や食料も減っていった。

 そして技術者も段々といなくなっていった。

 そしてこの卵の中の住人は、外が今どんな状態なのか知る術を失った。

 そして彼らは何故この世界にいるのか、忘れていった。

 

小ネタなど

 元の絵はアナログで描かれてて、それを後にデジタルで中途半端に修正した。

 

 20年くらい昔、『魔法戦士リウイ』のミレルってキャラがスラム出身で

「私が食べてた肉は豚や鳥なんかじゃなかった!」

 って、貴族か何かの裕福な出の女性に啖呵を切るシーンが印象的で、その影響で虫やネズミを食ってたという設定が生まれた。

(ちなみに魔法戦士リウイの内容はうろ覚えなので、違ってるかもしれないよ)

 

 あと、この後二人がどうなるのか? だけど

 遠くにオアシスがあるしラクダに乗った人も居るから、一見すると上手くいけば生き延びる事も可能そうに見えるのだが……。

 

 実は

 

 2人が行きついた世界は、誰もが幸せになれる世界ではない。

 そして2人は、この外の世界において普通の枠には収まらない可能性がある。


 何故なら、2人は卵の中の劣悪な環境が当たり前という場所で今まで生きて来たから。

 そんな世界で2人が口にしてきたモノは、ネズミやゴキブリだけではなかったのかもしれない。

 

 大人達が疲弊した世界で何故か生き延びてしまった子供は、外の文明的な世界に馴染み生きる事ができるのだろうか……?

 

 っていう隠し含み設定もあったりする。

 


 

次回

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