◆注意する事ばかりで長くなった注意◆
これは
- 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
- 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
- 女体化
- 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
- 滲み出る変態性
を含みます。
そして私は
- 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
- あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
- 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
- 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在
です。
それでも見たい人は続きへGO! GO!
第八話『弐の春 天耀の回想~蘇月の失踪~』
六年前の参の夏・終わり。
璃琳十歳の誕生日祝いが終わった夜。帰り道の途中で蘇月が「少し疲れたので、夜風に当たってから帰ってもいいですか?」と言い別れたのを最後に、姿を消した。
翌朝、蘇月がいない事に気が付き宮内は慌ただしくなったが、彼女の部屋から荷物の一部とお金が消えていた事と部屋が荒らされていなかった事から、早くに失踪ではと予想されていた。
宮廷と街との出入りは簡単にはいかない。が、特に何事もない平時の時は、出入りする荷馬車の荷物をそこまで詳しく調べていない。
なので体の小さな蘇月は荷物に紛れて宮廷の外に出る事が可能だし、私が蘇月と別れてから騒ぎになるまでの間に荷馬車の出入りはあった。
もちろん失踪と確定した訳ではないし、私はこの時まだ事件や事故に巻き込まれた可能性も考えていた。
ただ蘇月が家族が恋しくなって帰った可能性もあると、太博を蘇月の唯一の家族で姉の藍月の元へ向かわせ、妹の失踪を知らせる事と帰って来ていないかを聞きに行かせたが。
しかし太博の報告では、蘇月は藍月の元にいる様子がない。
なので藍月が嘘を付いている可能性も考慮しつつ、しばらく定期的に話を聞くついでに様子を見ようとなった。
それから六日後。
事件・事故の線を考えて宮廷内で情報を探る私の元に、一通の手紙が届く。
その手紙には蘇月の筆跡でこう書かれていた。
『私は私の幸せの為にしなくてはいけない事が出来ました。
だから天耀様の従獣はもうできません。ごめんなさい』
私はそれを見て蘇月は失踪したのだと思い更に、その原因は私にあるのではないか? 知らず知らずの内に蘇月を傷付けてしまったのではないか? と、思い悩んだ。
それは心当たりがあったからだ。
蘇月は妓女になる姉を見受けしたくてお金を貯めていた。その為に、従獣になった。
しかし亜人の見受けは基本はできない。
私は従獣選びの日、蘇月から「姉の見受けがしたいから」という従獣になりたい理由を聞いて、「亜人は基本見受けできない」という事を知っていたが……口には出さなかった。
何故なら絶対ではないからだ。
それに私が口添えすれば、体を売る前に開放する事は可能かもしれない。
だから私は全力で蘇月の為に動こうとした。
しかし、蘇月がどこかで姉の見受けが難しい事実を知ったらどうだろうか?
私が、その事を知っていたのに黙っていたと知ったらどう思うだろうか?
太博には初めに余計な事は言うなと口止めしておいたが、別の所から蘇月の耳に入った可能性はある。
そして蘇月がもし亜人の見受けが難しい事や、私がその事を黙っていたという事実を知り悪い方に感じてしまったら……。
それが失踪に繋がるかもしれない。
私はそう考えたから、自分は嫌われてしまったのかもしれないと思っていた。
更に例えそれが私の考えすぎだとしても、失踪に繋がる事はある。
蘇月には好きな人がいたが、それは人間だった。しかも身分が良い。
もちろんそれ自体は変じゃない。それに人間と亜人の恋愛話は少なくないのだ。
しかし、結婚まで漕ぎ着ける者はほぼいないだろう。
ましてや人間の方が身分が高ければ、結婚など夢のまた夢。そもそも恋人として付き合うのも憚れる。
なので彼女は幼いながらにも身分の違いを考え、相手に気持ちを言うまいとしていた様だった。
それに結局亜人は人間の徹底した管理下にある道具だ。
蘇月はアルカナを持っている故に、いずれは好きでもない男と子供を作る事になっている。
それはあの子にとって、とてつもない苦しみを与える行為だろう。
だから私は蘇月からの手紙を読んだ時、事件と事故の線を消した。
それにこの宮廷内では誘拐などの人が消える事件は過去に遡っても滅多に起こっておらず、私が調べた限りでは最近もそんな話や予兆は出ていない。
なのでますます『これは失踪』で済ませ、違和感に気が付けなかった。
いや、気が付こうとしなかった。
蘇月はこんな事をする子ではないと、信じ切れなかったのだ。
それから数日後、私は事の顛末を手紙に書いて藍月に送った。
もし蘇月が帰って来たとしても、責め立てない様にと、気が変わったら戻って来ても良いと伝えてほしいと、そう付け加えて。
しかし返事として返って来たのは藍月の失踪だ。
私の心がズキリと痛む。
ただ……。
『二人は一緒にどこかへ行って、そこで幸せに暮らしているのかもしれない。
もしそうなら、これは良い事じゃないか』
とも思った。
「人の心の内など、分からないものだよ天耀。
今回の事は仕方がない。従獣はまた新しい子を付けよう」
落ち込む私を父上が慰めに来て、そう言った。
だが、私はもう新しい従獣を取るつもりがなかった。
それから。
私は蘇月と藍月を探し続けた。
二人の元気な姿を目にするまで、安心できなかったからだ。
そうしながら、私は待っていた。
蘇月がひょっこり帰って来るのを。
だから従獣の席は開け続け、蘇月の部屋を綺麗にしていつでも使えるようにしていたのだ。
彼女の気が変わって帰って来たら、温かく迎えてやろう……。
そう、私は来る日も来る日もひたすら待っていた。
だが、それは間違っていたのかもしれない。
早朝。
朝焼けに染まる空を見て、天耀は決意した。
蘇月が何を思い、どうして姿を消したのか?
あれは本当に失踪だったのか?
それら全てを明らかにする。と……。
第八話『天耀の回想~蘇月の失踪~』終
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