◆注意する事ばかりで長くなった注意◆
これは
- 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
- 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
- 女体化
- 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
- 滲み出る変態性
を含みます。
そして私は
- 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
- あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
- 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
- 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在
です。
それでも見たい人は続きへGO! GO!
第二十一話 参の春『春のお茶会二』
「正確には恋人同士ではなかった様だわ。陛下も金華さんも自分達の身分や立場を考えて、思いを告げる事は出来なかったみたいだから。
でも、両思いなのは二人でいる姿をほんの少ししか見ていなかった私にも分かったけれど」
天耀は母の桂花と会う時間を作り信頼のおける警備に見張られる中、父親の事を聞いていた。
「金華さんと雪は似ていると聞いたのですが、母上から見てどうですか?」
桂花はしばし考え
「確かに、そう言われると金華さんと雪さんは似ている気がするわね。でも、10年以上前の事だから……はっきりしないわ」
ちなみに桂花は普段の検診の他にも旺眞を見てもらっていたので、金華とは比較的頻繁に会ってはいた。
ただ今も桂花の記憶により鮮明に残っているのは、妃同士で会うと必ず金華の話題を出し、嫉妬し愚痴る牡丹の姿と、「ロマンティックね」と夢見がちな事を言う翡翠の姿。
それに……。
一人でどこかに行ったかと思ったらすぐに帰って来て、自分に抱き着いて泣きそうな顔をしている旺眞だ。
旺眞はその後から、あんなに懐いていた金華と目を合わさず、話さなくなっていった。
桂花は旺眞にその理由を尋ねる事は今もないが、恐らく金華が宗現と仲良くしている所を見たのだと思っている。
あの二人は幼い旺眞が何かただならぬ関係性を見抜ける程度には、愛し合っていたから。
「そうでしたか。今日は話をしてくれてありがとうございます」
「いいのよ、天耀。今度はお茶会で会いましょうね」
こうして天耀は後宮を出て……その帰り。宗現に出会う。
「やあ天耀。こんな所でどうしたんだい?」
そうニコニコ話し掛ける宗現の傍に彊虎はおらず、警護だけが付いていた。
「ちょうど時間が空いたので、母上に会っていました。もう少しで茶会も始まりその時会いますが、せっかくなので」
「そうか。あぁ、そういえば雪は茶会には出るのかい?」
「出ると言っていました。と言っても、茶を入れて振舞う程度ですが。今頃太博と練習してるんじゃないかな?」
そう言って頑張る雪を想像して天耀は微笑まし気に笑う。
「歌は歌わないのか?」
「歌、ですか?」
宗現の意外な言葉に天耀が聞き返すと、宗現はニコニコ教えてくれる。
「雪はな、男の割には声が高いだろう? だからからか歌が上手いんだぞ。あまり表立って歌わないが、童謡を歌っているのを私も聞いた事がある」
「表立って歌わないなら、恥ずかしいんじゃないですか?」
初耳情報に天耀は驚きつつも聞いてみたいなぁと思って。そして顔を引き締めると父の顔をまっすぐ見た。
「父上。先日、アルカナ持ちの子供を故意に作り、まだアルカナに覚醒していない子供を精神的に、肉体的に追い詰めアルカナを覚醒させていた組織を、壊滅させたそうですね」
この世界において、アルカナは重要だ。
亜人も人間も、アルカナを持っていれば軍事利用される事がほとんどである。
子孫にアルカナを継がせる為好きではない相手との子作りもさせられる。
もちろん貴族の子などは免除される事が多いが。
そしてそんな状態だからこそ、時に過剰に残酷に扱う組織も出て来る。
だから宗現は定期的に、そういった事をしている組織を壊滅させていた。
天耀ら子供達に頼らずに。
なので宗現の働きは大抵、全て終わった後に子供達の耳に入る。
今回は紅玉から話を聞いたので、いつもより早く父のした事を知り詳しい話を入手できたが。
「また、一人で多くの事をしていたと聞きましたよ。それこそ部下や私達に任せればいい事までやっていたと」
怒りモードに入った天耀を見て宗現は苦笑を返す。
「そんなに怒るな、天耀」
「怒りますよ! それに父上は働き過ぎです。そんなに頑張って倒れたらどうするんですか?! まだ次期皇帝も決まっていないのに。
とにかく、全部一人でやろうとしないでください。
貴方には優秀な部下も、私達もいるんですから頼ってくださいね?」
「いやぁ、すまんな天耀。次からはそうする」
しかしこのセリフを天耀は何度も聞いてきた。
どうも父は優秀なのだが、他人の手を借りるのが苦手なようだ。そのせいか、最近ますます頬がこけたように感じる。
天耀は心配はしつつも諦めたようにため息を付くと再び口を開く。
「そうだ、父上。少し聞きたい事があるのですが……」
「何だ?」
「私の前従獣、蘇月の事です」
「ああ、お前は最近あの子の事を聞いて回っているのだったな。耳にしているぞ。
ただ、私とあの子は接点があまりなくてな。茶会や祭りの時に目にした程度であまり分からないんだ」
「そうですか……」
「ではな」
そう言って去って行く父の背中を、天耀は見つめた。
何か引っかかりを感じて、嫌な予感に心をざわつかせながら。
◆
お茶会当日。
広間にはイスとテーブルが並べられ、そこに皇帝、妃、皇子・皇女に各々の従獣が集まった。
しかし彊虎は別件での仕事があるとかで席を外していたが。
そして謡尾が弦楽器を演奏し始め、最初に墨がお茶を入れた。
今年お茶を入れるのは逞牙、墨、雪の三人。
基本は上の子に付いている従獣から順番に入れていくという事になっているのだが、逞牙は従獣になったばかりなので本来なら二番目の墨が先に入れて、次に逞牙、雪と続く事になっていた。
ちなみにこのお茶会で出される茶葉や茶菓子は従獣が選ぶ事になっているので、墨はちゃんと自分で選んだ茶を入れて、自分で作った花の形を模した練りきりを振舞った。*3
もちろん逞牙と雪はそんな事は出来ないので、茶葉も茶菓子も主や側近が選んでくれたのだが。
こうして墨が茶と茶菓子を配り始めた所で今度は逞牙が茶を入れる。
優雅……とは言えないが、何とも可愛らしい仕草なので会場からは女官達の感嘆の声が漏れた。
そして逞牙が茶と茶菓子を配り始め、今度は雪がお茶を入れる。
いつもとは違う白色系の服で身を包み、背筋を伸ばし、優雅に見える仕草で茶を入れる姿は、まだぎこちなさが残るとはいえまるで黒執事……いや、白いので白執事という感じだ。
なので会場からはひそひそと女官達の「雪さんかっこいい!」という控えめな黄色い声援が上がる。
雪の方は耳がいいのでその声は届いているのだが、色々と集中して太博から教えてもらった事を頭の中で反芻し動いているので、その言葉を気にする事も反応する事もせず黙々と作業をこなし、そして毒見の段階までこぎつけて『あともう少しで終わるな』と少しだけホッとしていた。
しかしそんな気持ちは茶に口を付けた瞬間、吹き飛ぶ。
妙な味がする。そして雪はこの味を知っていた。
宮廷に来る前、宗現の下で働いていた時に口にした事がある。
そう、これは……。
毒だ。
第二十一話『春のお茶会二』終
ちなみに墨は黒色系の晴れ着を着ていたので、白黒で一緒に居る姿を見たいと一部女官がキャーキャーしてた。
あと黒執事とかの元ネタは『著者:枢やな / 出版社:スクウェア・エニックス』の漫画『黒執事』である。
自分では「有名だろ、ガハハ!」という気持ちであっても実はそうとは限らないと、『ルイズコピペ』の話題がツイッターでされていた時に再確認したので書いておいた!
ちなみにルイズコピペは世代によっては知らない人がいたって感じだった。
時は流れた物だなぁ……。
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