◆注意する事ばかりで長くなった注意◆
これは
- 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
- 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
- 女体化
- 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
- 滲み出る変態性
を含みます。
そして私は
- 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
- あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
- 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
- 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在
です。
それでも見たい人は続きへGO! GO!
第三十八話 弐の夏『罠 二』
夕方。
雪が天舞に言われた贈り物を回収しに出る頃。太博も、天耀が個人的調べ物の為に借りていた資料を返しに雪と共に執務室を出た。
いつもなら雪と太博で半分にして持つが今日はそうもいかず、太博は前が見にくくなるほどの資料を抱えている。
「途中まで持ちましょうか?」
二人共途中まで同じ方向に向かう予定だ。
だから並んで歩いているのだが、大変そうな太博に雪はそう申し出た。
しかし太博は「いや、大丈夫だ」と、前は見えづらいが持っていられる重さなのもあり断る。
しばらくして、二人の足が止まった。道の真ん中に資材が積み上げられていて、通れなくなっていたからだ。
どうやら石垣修繕工事で使う資材が置かれている様である。
なので少し遠回りになる脇道へと入った。
そこは池の脇を通る道なのだが、しばらく進んでから雪は足を止めて顔を横に向けた。少し離れた所にある木に、変な物が貼ってある。
それは『嘘吐き』という文字が添えられた、下手糞な亜人の似顔絵だ。
しかし雪はそれを見て嫌な気分になった。その絵が何だか自分を模している様に見えたからだ。
ただ『子供の悪戯……だよな*3』と言い聞かせ、視線を元に戻す。
「どうした? 雪」
少し先を進んでいた太博が雪が遅れている事に気が付き、足を止めて振り向き声を掛けた。
「すいません。変な落書きがあったもので」
そう言って雪は駆け足で後を追い、太博も前を向いて歩き出したのだが。
「待ってください太博様、危ない!」
雪が慌てて叫び、しかし雪の注意も空しく太博は地面すれすれに張られた紐に足を引っかけ転んでしまった。
しかも転んだ場所が悪い。ここは道が池の形に合わせてほぼ直角に曲がる手前で、目の前に池があるという場所だったのだ。
こんな所で前のめりに盛大に転んだものだから、太博の持った資料の一部が池へと吸い込まれ……。
しかし落ちる前に雪が俊敏な動きで資料の池ポチャを防いだ。
「うおぉ、雪。大道芸人みたいだぞ!」
太博はそう突っ込みながらも絶妙なバランスで、右手、左足、そして尻尾に資料を乗っけて池の際の浅瀬でバランスキープしている雪を助けた。
しかしこの池はあまり綺麗な池ではない。だから雪の足元、それに上着も裾が長くて下の方が泥水で汚れてる。
「これでは気持ち悪いだろう。それにみっともないからすぐに風呂で綺麗にしてこい。今なら下女たちが使う風呂が沸いている頃だ」
太博は謎の知識を使ってすぐに入れる風呂の場所を教えると、床が汚れるからと言って資料をいったん近場の部屋に置いて雪の着替えを持ってきてくれ、普段は下女が使う風呂場に二人でやって来た。
近くでは石垣工事をしていてうるさい。
太博はドアをノックし、返事がない事を確認して注意深く中を確認した。
タオル、籠、棚があるだけで特に人の気配はない。
ただ誰かが香を焚いたようで、彼には嗅ぎなれない香りが辺りに漂っていたが。
ともかく人がいないのを確認し安心した太博は、雪を中に入れた。
「では、私はあの紐を片付け資料を返しに行くが……。本来なら男は入ってはいけない場所だ。ちゃんと鍵を掛けて、出る時も余計な騒ぎにならないよう、なるべく人がいない時に出ろよ」
「分かりました」
太博が去った後、中に入り鍵を掛ける雪は『この香り、どこかで嗅いだよな……』
と思いつつも特に気にも留めず、素早く足を洗って服を着かえようと上着を脱ぎだした。
そしてサラシだけになった時、逆さの大きな籠に隠れていた江凱が勢いよく立ち上がり姿を現す。
「やっぱお前、女だったな!」
江凱はハッハッハーと、してやったりと言わんばかりの顔で半裸の雪を指さした。
これは全て、江凱の企てだったのだ。
+◆+
雪と太博は特定の日の決まった時間、二人で資料を返す為に宮を出ている。
だからこの日の夕方、雪に贈り物を受け取らせるようにした。
そうすれば太博は資料を全て持つ事になるし、ヤツの性格的に途中まで半分持ってもらう事もないだろうと予想してな。
そしていつも二人が通る道に裏で手を回して資材を置かせ、罠を張った池の周囲を回る道に行かせた。
太博はしっかりしているが、雪ほど危機に対応できない。おまけに資料が結構な量で前も見えづらい。
更に危機に対処できる雪は俺が描いて貼っておいた不穏な張り紙に気を取られ、恐らく気が付くのに遅れる。
するとどうだ? 太博は地面に目立たぬよう引かれた紐に足を取られて転び、資料は池ポチャの危機に陥る。
しかしこの場には雪がいる。どうにかなるだろう。
だが大切な資料の池ポチャを免れても、多少はあの泥だらけの池で体が濡れる事だろう。
そして太博は気を効かせて、風呂に入る事を勧めるはずだ。あいつの性格ならそうする。
しかし今すぐに入れる風呂場は限られている。そう、下女が使う浴室のみだ。
だからそこで張っていれば、服を脱いだ雪の姿が拝める。
もちろん、雪なら人の気配に気が付く事だろう。
しかし近くでは石垣工事をしていて大きな音が響いている。
そこに先日購入した媚薬効果のある脱法お香を焚いて待っていれば、多少は判断力を奪えるかもしれない……。
ただ、軍人の中にはコショウや催涙弾や媚薬などに体制を付けた強化型亜人が居るそうだから、万全ではないがないよりましだろう。
+◆+
という寸法である。
そしてそれは成功してしまった。
「所でさぁこの香、女の亜人によく効く媚薬なんだが……あまり効いてない感じ?」
「あぁ……僕はそれなりに危険な任務を受け持つ事も多いので、コショウとか、こういう類の物ならある程度の耐性があるんですよ」
しかし完全には防げておらず、程よく気持ちいいという事は江凱が喜びそうだから黙っておいた。
「ふ~ん。そっか。で、お前って蘇月? それとも蘇月の姉? 二人とはまったく関係ない男装の女。ではないよな?」
「姉の方です……」
色々と調べられ、ある程度の推測までされていたんだなと思いつつ雪は答える。
「ここには何しに来たんだ? 親父の依頼だけが理由じゃないよな?」
「妹を探してるんですよ。ここにまだ残っているかもしれないと思って……」
彼女が、蘇月はまだ宮廷にいるかもしれない。と思っていた事に江凱は気になりはしたが、ひとまずその事は置いておく。
「天耀ってこの事知ってるの?」
「いえ。天耀様達は知りません」
『え、そうなの?』
と、江凱は思ったがおくびにも出さずに、意地悪な欲求を満たす為に口を開く。
「……じゃぁ、どうしようかね? お前が女だって事、黙っててやるからちょっと遊ばせてくんない?」
「黙っててくれるなら」
一応、雪には今江凱を殺す手段を持ち合わせている。
しかし雪は当然皇子を手に掛けるつもりはないし、そもそも殺人事件等は騒ぎになるからハナより起こすつもりもない。
だから目を伏せて江凱の提案を受け入れた。
第三十八話『罠 二』終
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