Dへの扉

謎生物、地球でやりたい事をする

長閑な国の王とケモノ 第五十四話 参の夏『蘇月奪還作戦一』

これは『著者:藤間麗 / 出版社:小学館』が権利を有する漫画『王の獣~掩蔽のアルカナ~』の非公式二次創作物です


◆注意する事ばかりで長くなった注意◆

 これは

  • 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
  • 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
  • 女体化
  • 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
  • 滲み出る変態性

 を含みます。
 そして私は

  • 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
  • あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
  • 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
  • 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在

 です。
 それでも見たい人は続きへGO! GO!


第五十四話 参の夏『蘇月奪還作戦一』

 幼い璃琳は泣いていた。
 憎たらしいカラスに父から贈られた髪飾りを盗まれたのだ。
 父はそんな彼女を慰め、一緒に髪飾りを探してくれた。
「そういえば、カラスの巣がこの辺りにできたと聞いた」
 そう言って父は璃琳を手を引き、ある木の前にやって来る。
「ちょっと見て来るよ」
 父が木に登ると、カラスはけたたましく鳴いて父を襲った。
「お父様!」
 璃琳が心配して声を上げ、父は「いてて」と言いながら木から降り、カラスの攻撃から逃れるように璃琳を担いでこの場を離れ、キラキラと輝く髪飾りを差し出す。
 それはカラスに盗まれた、璃琳の髪飾りだ。
「お父様、ありがとう! 大好き!」
 璃琳は父に抱き着き、ようやっと笑顔を見せた。

『あの優しいお父様が、蘇月を誘拐だなんて……』
 璃琳はそう思い心を沈ませていた。
 しかし、何か事情があるのかもしれない。
 そう自分に言い聞かせ身支度を済ませると、お供の者と宮廷の外に出かけた。

 蘇月を奪還する為に。

 

■蘇月奪還作戦・各自やる事

●藍月&璃琳
 宮廷の外で落ち合い藍月を変装させて人間の友達として後宮に入れ、蘇月を見つけ出し奪還する。

●天耀&太博
 藍月達が後宮に入った後、宗現に会って蘇月監禁の証拠を突きつけ揺さぶりを掛ける。
 状況により宗現を人質として取り、彊虎の無効化を図る。

●江凱
 何かあったらすぐに兵を動かせるようにしつつも、作戦を悟られない様宮廷内でいつもの業務を行う。

●墨
 天耀に何かあったらすぐに助けられる様、彼らを陰ながら護衛する。
 また、応援が必要な場合は合図を行い待機している江凱の兵を動かす。


 以上である。*3
 しかし上手く行く可能性は低い。おまけに、こちらの情報が筒抜けの可能性も高い。
 なにせ藍月を監視しているのは恐らく、宗現が皇子だった頃は従獣の中で最も強いと言われ、諜報活動も得意としている彊虎だ。

 だがここ数日、特に変わった物の出入りはない。
 つまり、恐らくだが蘇月はまだ同じ場所に居ると考えられる。
 それに皇帝達が何かしてくる気配もない。
 もちろんそれは、罠なのかもしれない。
 しかし機転を利かせれば、藍月が蘇月を見つけ逃げるくらいの事はできるだろう。
 そう思い、皆は動き出した。

 情報を共有し、作戦を練って二週間ほど後の今日。
 建前として『天耀から休暇をもらい、宮廷の外に数日間旅行に出た』藍月は、璃琳が指定した衣料品店に入った。
 そこで服を着替えさせられ、かつらを被せられ、金持ちの付き人をする亜人の女性の様な姿になる。
 そしてやはり璃琳に指定された茶屋へと移動した。
 そこには藍月より早く宮廷を出た璃琳がお供を従えつつ、まるで金持ちの娘が遊びに出ているかの様な恰好をして、あんみつを食べている。
 藍月は璃琳から促されたのもあり、ごま団子を頼んで璃琳とお茶をし。会計を済ませると今度は二人そろって外へと出た。

 こうして二人は、まどろっこしい手順を踏んで宮廷の外で落ち合った。
 もちろん、今から行う『蘇月奪還作戦』が相手に知られないようにする為に。

 とは言え。
『彊虎おじさまを出し抜けるとは思えないけど……』
 本気になった彊虎に、かくれんぼや鬼ごっこで一度も勝った事がない璃琳はそう思う。
 しかし、それでも手を抜きたくはない。そしてそれは皆同じであった。

 ちなみに。
 ここは藍月が元住んでいた花街の近くではない。
 その近くだと藍月が見つかったとすぐに騒ぎになりそうなので、結構離れた位置、少なくとも今日一日は特に騒ぎにならない場所を選んである。
 そんな町を並んで歩きながら、璃琳はそっと藍月に話しかけた。
「ねえ藍月、下着の着心地はどう? きつかったり痛い所はない?」
 藍月は今まで、男物とサラシを着用して過ごしていた。
 なのでこの日の為に璃琳は女性物を用意しておいたのだ。
「そうですね。ちょっと落ち着きませんが特に変わりはないです」
「ならいいわ」
 藍月の体のサイズを念入りに調べ上げ、こうして下着を用意した璃琳は安心した後、得意げな顔をし。 *4
 それからしばらく歩いてとある衣料品店の前に付くと、二人はお供の者を出入り口に置いて中へと吸い込まれ。

 そして……。

 二人が宮廷に再びやって来た。
 そして天耀は偶然を装い、フラっと普段の皇女の姿をしている璃琳の元にやって来る。
「おや? 璃琳のお友達かい?」
 などと言いながら。
 璃琳の隣には、白いフリフリロリータ服を身に纏った日傘を差す異国の銀髪美少女がいた。
 靴は編み上げブーツ。裾が足首よりもやや上な短めスカート。袖口が広がっているパフスリーブの袖。
 そんなリボンとレースとギャザーがふんだんに使われた服を着て、頭には服とおそろいのボンネットを被り、やはり服とおそろいの白い日傘を時々くるくる回し彼女は涼し気な顔をして立っている。
「あたしのお友達の、ラーラですわ。遠く離れた外国から、はるばる遊びに来てくれましたの」
 しかしその正体は、もちろん藍月である。
 藍月は璃琳の異国の友達の令嬢・ラーラという肩書で、宮廷に入ったのだ。
 衣料品店にて二人して服を着かえた後、お供を変え、『お友達と二人で散策してます』という風を装ってから。
 そんな藍月だが、尻尾はふんわりしたスカートの中にしまわれ、耳はボンネットの中に隠れて、まるで人間の様に見える。*5
 そして彼女は身長が高めだが外国人として見るとちょうどよく感じ、更に素が良いのでまるでお人形さんの様な美少女へと変貌していたのだ!
 そんな藍月に、璃琳は嫉妬の眼差しを向ける。
『このお洋服、本当はあたし用に作ろうと思ってたのに……!』
 実はこの服。この作戦が始まる前から作ろうと思っていた、少しだけスカートの丈が短いゴシックロリータ服で*6、最初は璃琳が自分用に仕立てようと思い材料を用意していた。
 しかし作戦が決まり藍月を変装させる事になり、急遽藍月用に仕立てたのだ。
『でも似合ってるわね!』
 璃琳はそう思って、今度は色を変えて自分の物を作ろうと企み。
 天耀の方は「随分と綺麗な子だね。まるでお人形さんみたいだ」と何気に口説き
 そして藍月はその言葉を恥ずかしく感じたが『言葉が通じない』という設定を付けられているので、努めて涼しい顔をしている。
 それからしばらく天耀達は言葉を交わし。
「藍月、必ず蘇月を連れて帰って来てくれ」
 と、天耀は藍月にだけ聞こえる様にそっと声を掛ける。
 それに藍月は、微笑むだけだった。

 そしてそんな光景を遠目で見ていた墨はというと。
『俺が女だったら、璃琳様に付いて行けるのに……』
 と思いながら、女だったら一緒に着替えたりもできる。などとも考え、嫉妬で尻尾の先をピクピクさせていた。

 こうして、璃琳は後宮に申請していた『外国のお友達』を連れ後宮に入り。
 天耀と太博は事前に予定を入れていた宗現との謁見をしに行った。

 

第五十四話『蘇月奪還作戦一』終

 

 アニメの『カードキャプターさくら』でお正月に小狼桃饅頭作ってて
「私も食べたい!」
 してバーミヤンで一度だけ食べた桃饅頭を藍月さんに食べさせたかったんだけど、はてなの機能で偶然解説を見たら桃の節句の時期によく食べられるって出て来て
「喫茶店とかは、こういうのは期間限定で出すよね……」
 ってしぶしぶごま団子に変えた。

 藍月さんのフリフリ白ロリータ服だが。
 私の好み的に銀髪の子には黒ロリータ服なんだけど、藍月さんは真っ白にしてみた。
 でも、アクセントで青いリボンがあってもいいかも?

 

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次回

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*1:なお、小説を賞に応募した事もあるが1次審査すら通過した事はなかったし、評価シートありの所では常に構成の評価が最低ランクだった

*2:試し読みや読者の感想等も36話くらいでよく見なくなり、大して分からない

*3:私の知能的になんかこう、フワッとしてて締まりがない感じになりましたが

*4:ちなみにその下着はもらったのだが、女性物はこの一着しかなくサラシばかり使っていたらきつくなり、天舞に指摘されてちゃんと数着購入した

*5:ちなみにブーツは作戦に支障が出ない様、事前に履いて慣らしてある

*6:この国では、まだスカートの丈が長いのが普通