◆注意する事ばかりで長くなった注意◆
これは
- 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
- 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
- 女体化
- 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
- 滲み出る変態性
を含みます。
そして私は
- 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
- あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
- 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
- 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在
です。
それでも見たい人は続きへGO! GO!
第五十五話 参の夏『蘇月奪還作戦二 門のない宮』
人間へと変装した藍月がまんまと後宮に入った後。
しばらくしてから璃琳は「ラーラに後宮を案内したいの。二人で大丈夫よ」と普段自分に付いている女官を置いて、曰く付きの場所へと進む。
「あたし、あの場所嫌いなのよ。だからなるべく早く事を済ませましょう」
「璃琳様、幽霊とか怖いんですね」
藍月が『可愛い所もあるんだな』と思ってそう言うと「違うわよ!」と彼女は即座に否定しつつ、そこにまつわる話をしてくれた。
■門のない宮
後宮の外れ。
高い石壁がそびえ立つ人気のない後宮の『曰く付き』の場所には、こんな噂がある。
この石壁の向こう側には、気が触れた妃が閉じ込められていた宮がある。
そしてその妃の幽霊は、今も彷徨っている。
と……。
もちろん中にはそんな噂を信じずに、石壁の向こうには何もないという人もいる。
しかしこれらは事実ではない。
宮は確かにあるのだ。
そして実際にいたのは、愛する男を殺された哀れな皇女だった。
◇
昔。この国に美しく、歌の上手な皇女がいた。
その皇女は、ある日恋をした。相手は兄の従獣の男だ。
そして従獣も皇女を愛し……。
やがて彼女はその従獣の子を身ごもってしまう。
しかし、それは不幸の始まりだった。
父である皇帝にその事が知られて、従獣の男は皇女の目の前で残忍な方法で殺された。*3
この時皇女は何度もやめてと懇願し、泣き叫び、そして事が終わった頃には彼女の喉は枯れ果て、皺枯れた声しか出せなくなってしまったのだった。
それから皇女は出入り口のない石壁に囲われた宮に閉じ込められた。
そこで子供を産み……。生まれた獣の耳と尻尾の付いた子供さえも、殺されてしまった。
愛しい男を殺され、生まれた子まで殺され、彼女はとうとう気が触れてしまい、夜な夜な皺枯れた声で子守唄を歌い石壁の中をフラフラと出歩き。
いつか、死んでしまったそうだ。
それから。
この場所で幽霊の話がよく出るようになった。
なんでもその幽霊は、美しい声で子守唄を歌いながら彷徨っているのだそうだ……。
◇
そして現代。
この話は皇族の恥として残り、今も一般的に知られる事はない。
だが皇子や皇女には『亜人と結ばれてはいけない』という教訓として一度は話をする習わしが生まれ、今も受け継がれているが。
そして幽霊が出ると噂のうす気味悪い後宮の外れに人は近寄らず、時折肝試しをして「幽霊が出た!」と騒ぐ女官や下女が出る程度である。
***
ちなみに。
璃琳は元々近寄ろうとはしない場所であったが、教訓としてその話を聞いた後も昔はそこまで怖くはなかった。
だが、今はここが大嫌いだ。
何故なら自分も、兄の従獣を好きになってしまったから。
自分もこうなるのではないかと、恐れる様になったから。
だから、そんな場所に行きたいとは思えない。
もちろん璃琳はその説明まで藍月にしなかったが、藍月は何となく事情を察して黙り。
しばらく静かに二人は歩き、とうとう曰く付きの宮までやって来たのだった。
「高い壁ですね。でも……」
藍月はそこらへんにある物をかき集め足場を作ると、近くの木にロープを結んでから丁寧に渦を作って纏め、端を自分の腰に括り付ける。
中に入った後、足場が無くても出られるようにする為だ。
「高さは足りるの?」
足場が少し低い気がした璃琳がそう聞くと、藍月は何食わぬ顔で「璃琳様、ここに立ってもらえますか?」
と、積み上げた足場の上を差す。
何気に運動神経がいい璃琳が嫌な予感を感じながらも、足場をよじ登って上に立つと。
「ロープに気を付けてくださいね。あと、ごめんなさい!」
と藍月は足場、続いて璃琳の肩を踏みつける。*4
「ふにゃ!」
そう璃琳が変な悲鳴を上げた時には、藍月は石壁の上に立っていた。
石壁の向こうは、まるで秘密の花園だ。四季折々の花々が咲き乱れている。
そして、宮も確かにある。
それを確認しつつ人が外にいないのも確認し、ロープを使いつつ静かに向こう側に降りようとした時。
「藍月! ちゃんと蘇月を連れて帰って来なさいよ!」
璃琳が目じりに涙を浮かべつつ、声が大きくなり過ぎない様にそう言い放つ。
しかし藍月は璃琳のその言葉に何も反応せず、石壁の向こう側に消えて行った。
◆
藍月は石壁の向こう側へと降り立つとロープを腰から外し『随分と綺麗な庭だな』と、改めてそう思いながら季節の草花で彩られた美しい、まるで夢のような庭を眺めた。
しばらくそうして、この箱庭の中に佇む屋敷を観察する。
窓は開けられ、中から人の気配がした。
『中に、入るか……』
藍月が音をたてずに慎重に中へと入ろうと一歩踏み出した時。
誰かが建物から出て来る気配がして、とっさに身構える。
そっと、戸が開く。そして中から銀髪の狐の耳と尻尾を持つ少女が顔を出した。
髪には赤い宝石の簪を挿している。
彼女は外から物音がした気がして、様子を見に出てきたのだ。
そして、庭に佇む銀髪の異国の服を身にまとう少女に気が付く。
お互いの目が合い、そして六年という歳月を経ても彼女らはすぐに気が付けた。
「藍ちゃん……」
「蘇月……」
しかしそこに。蘇月が出てきた戸から、もう一人の人物が姿を現した。
「久々の再開を邪魔して悪いが、藍月。話がある」
そう言って蘇月の前に立ったのは、白い虎の亜人・彊虎だった。
第五十五話『蘇月奪還作戦二 門のない宮』終
足場は木箱とか壺とか薪とか岩とか、なんかそんな感じのを積み上げて段になってる感じで、そのてっぺんに璃琳たんを立たせた。
ロープは
「こういう時、こんな使い方だった様な?」
とか
「これで安全に扱えるよな?」
とか考えて藍月さんに使わせたけど、ロープワーク(というのか?)をちゃんと調べた訳ではないから扱いを間違っているかも。
日傘は邪魔だから璃琳たんに預けてあるよ。
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