◆注意する事ばかりで長くなった注意◆
これは
- 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
- 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
- 女体化
- 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
- 滲み出る変態性
を含みます。
そして私は
- 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
- あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
- 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
- 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在
です。
それでも見たい人は続きへGO! GO!
第六十二話『宗現三 再会』
金華を失った戦争から、二年目の壱の春。
かつての敵国とは、まだぎこちなくお互い腹の探り合いをしていると感じる部分はあるものの、仲良くやっている。
今年、玲蘭を王族の血筋の者に嫁がせるから、ぎこちなさが少しは改善するかもしれない。
そんな折だ。
蘇月が天耀の従獣として宮廷にやって来たのは。
金華を失った後から私は金華の墓参りには行くものの、二人の様子を見る事もなくなり。
金華の遺体が燃やされた葬儀の日、遠目に悲しむ二人を見てそれっきりだったが……。
久しぶりに見る蘇月は、随分大きくなっていた。
そして彼女は面接で、妓楼に入る姉を見受けしたいと言って従獣になったそうだ。
せめて……。
せめて彼女の願いは叶えてやりたい。
◇
私は蘇月が従獣になった後から、話し掛けこそしないものの度々彼女の様子を見ていた。
ある日、蘇月が私が金華に贈った簪の、飾りだけになった物を手に泣いていたから、とうとう我慢しきれずに話し掛けた。
彼女は私の姿にすっかり緊張してしまったが「固くならなくてもいいよ」と話を聞き出したら、あの日の金華の様に教えてくれた。
従獣になった訳、藍月と喧嘩をしてしまった事、離れて暮らすのが寂しい事を。
そして私は慰めの言葉を掛けながら狐の耳が生えた頭を撫で、蘇月が落ち着くのを待って別れた。
ただそれから、心配で距離を置く事も結局出来ず。
「私が会いに来ている事は、誰にも言わないで欲しい。皇帝としての立場を考えると、周りも色々うるさいのでな」
と言って、菓子を持って蘇月に会う様になったが。
◇
璃琳誕生日の日。
宴が終わった後、私は彊虎と共に会場から自室に戻っていた。
璃琳は今日の宴を喜んでいてくれた様だが、後半から機嫌が悪そうにしていた。
どうも天耀と一緒に買い物に行けないと、拗ねてしまったらしい。
あの子は少し我儘な所もあるが……。このままだと可愛そうなので、今度天耀に時間を作ってもらい一緒に買い物をしてあげる様に言っておこう。
そう思っていた時だ。
「陛下」
彊虎が足を止めて一方を見つめる。
「何か妙な音が聞こえまして……」
その言葉に、何故か心がざわめいた。
「見に行ってみよう」
そう、私は彊虎の言う音がした方に向かい……。
「蘇月!」
倒れている蘇月に駆け寄る。
いったい何があったのか。
彼女は意識を失っていて、腕を骨折していた。
私は彊虎に急いで医官の元に運ぶように言い……。
息を呑んだ。
彼女の怪我が、みるみる治ってゆく。
さっきまで苦しそうな息遣いだったのに、今は安らかな呼吸で蘇月は眠っている。
なんて事だ……。
私は蘇月の服をまさぐって、金華の簪の飾りがある事を確認すると彊虎に指示を出した。
「彊虎、蘇月の部屋から荷物を持って来てくれ。
蘇月が、失踪したと仮定して、その時に持て行く位の荷物を。
金目の物は全部だ。ただ、簪の飾りは持っているから探さなくていい。
私は蘇月を秘密基地に運ぶ。後で落ち合おう」
彊虎は最初戸惑う様子を見せたが、特に何も言わずに蘇月の部屋に向かってくれた。
そして私は誰にも見つからぬよう、蘇月を私の秘密基地へ運んだ。
なんて事だ。
蘇月の妙な方向に曲がった腕は、今は元の状態に綺麗に治ってしまっている。
しかもあんなに素早く癒していた。
どうして、こんな……。
蘇月のアルカナは、危険だ。
金華は……金華はこれを知っていたのか?
もし、金華が娘のこのアルカナに気が付いていたとしたら……。
この時、私はある可能性に思い至った。
私はずっと金華は敵に捕らわれ、心を病んでしまったのだとばかり思っていた。
金華は子がいた腹と自分の首を躊躇う事無く刺していたが、それは金華の気が触れてしまい、首を刺して死ぬ前に忌々しく感じた子を刺したのだろうとばかり思っていた。
しかし、違ったのかもしれない。
彼女は、腹の中にいる子に蘇月と同じ能力がある可能性を考えたのではないか?
だから万が一にも生まれて来ぬよう、まずは腹に刀を突き刺したのではないか?
これから生まれようとする子供に蘇月と同じ能力があれば、我が国にとって脅威になるから。
だから彼女は、この国を、私を想い、自ら死を選んだのではないか?
……それにしても皮肉な話だ。
金華と彊虎を掛け合わせようと言った連中の、目論見通りになってしまった。
そして……。もし、この事が奴らに知られると……厄介だ。
だが、私は今度こそ守り通す。
絶対に。
そう、心に誓った。
第六十二話『宗現三 再会』終
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