これは『著者:藤間麗 / 出版社:小学館』が権利を有する漫画『王の獣~掩蔽のアルカナ~』の非公式二次創作物です
◆注意する事ばかりで長くなった注意◆
これは
- 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
- 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
- 女体化
- 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
- 滲み出る変態性
を含みます。
そして私は
- 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
- あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
- 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
- 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在
です。
それでも見たい人は続きへGO! GO!
第六十六話 壱の秋『それから』
彼は目を覚ました。
そして随分と幸せな夢を見ていたなと、一人悲しげに笑うと周囲を見回す。
ここは、金華の絵が飾られた宗現の秘密基地の寝室だ。
彼の体は日に日に軽くなってゆき、無茶のし過ぎだと何度も言われていた事を思い出し苦笑いをした後。ゆっくり体を起こし。
「そもそも……」と、先ほどの夢を思い出しながら窓の外を眺めた。
***
蘇月が従獣に戻ると決め、宗現が倒れた後。
様々な事が起きた。
今回は、宗現を中心に見て行くとしよう。
--◇--
宗現は、この方が彼も幸せだろうという家族の願いもあり、秘密基地で療養する事が決まった。
なので急遽職人を招き、随分長い間閉ざされていた石壁に出入り口を設けさせ、人の出入りをしやすくした。
今では、家族がかわるがわる宗現の様子を見に来ている。
そして宗現は皇帝を引退した。
「自分の体がこのままでは持たないというのは分かっていたからな。
だから元々何事もなくても蘇月の事を息子達に白状し、後は任せようと思っていたんだ」
そう言う宗現が次期皇帝に指名したのは、江凱だ。
「麗雲は皇帝という感じではないしなぁ。しかし天耀は優しすぎるだろう?
皇帝ともなると綺麗事は言っていられない時もある。だから天耀には荷が重すぎると思ってな」
金華が見守る宗現の部屋にて。
宗現と二人きりでそんな話をされた時、江凱は「俺は優しくないってか?」と憎まれ口を叩いた。
「いいや、お前は優しいよ。
ただな、お前はちゃんと割り切って仕事ができるだろう?」
意地悪に微笑み、でも相手を信頼しきっている瞳で自分を見つめる宗現に「まぁーな」と、つまらなそうな顔をしつつも内心喜ぶ江凱は答える。
「ああ、ただし。兄弟で協力して国を取り仕切る様にな?」
「分かってるよ」
「あと……」
宗現はそう言ってあるお願いをしようと口を開いたが、それをする前に。
「あと、藍月も蘇月も閉じ込める様な事はしない。あいつら、特に藍月はつえーしな」
と江凱から言われ。
彼は安心した顔をする。
こうして宗現は一線から退き、江凱は凪の国の皇帝へと即位する事が決まった。
◇
宮廷内がバタバタと騒がしい中。
宗現は改めて謝りたいと、藍月を呼び出した。
「藍月にも蘇月にも、随分辛い思いをさせてしまった。
だから、私の事はいくらでも恨んで構わない。しかし、どうか彊虎の事は恨まないでやってくれ。
あいつは私の命令で動いていたにすぎないんだ」
その言葉に藍月は口をポカンと開け、しばし呆然としていたが。
「大丈夫ですよ。別に恨んではいません。貴方の事だって……」
と、そんなに気を遣わなくとも……と言いたげな顔で告げる。
「それにもし僕が同じ境遇になったら、蘇月を同じように閉じ込めていたかもしれないって思ったんです。
それから、貴方は今でも尊敬できる僕の元主です。
だから恨みません」
それを聞いた宗現の瞳から涙がこぼれ。慌てて藍月から目を逸らす。
「ははっ、年かな……」
そう言う宗現に「また来ますね」と、そっと藍月は席を立った。
そんな藍月は、時間が空いた時に宗現の様子を見にやって来ている。
まるで、娘の様に。
--◆--
彊虎が宗現の様子を見に来ると、戸が半分開いていた。
誰かが閉め忘れたのだろう。
宗現はベッドの上で体を起こし、窓の外を眺めている。
「宗現様、失礼いたします」
その声に彼は振り向く事もなく、ただぽつりと「彊虎、私は上手くやれていたのだろうか?」と呟く。
彼は二度と金華の時の様にならない為にと、彼女らを守る為に突き進んできたつもりだ。
だが、やはり未だに疑問が残っていた。
「私は間違っていたのかもしれない……。もし、金華が今この場にいたら、なんと言うだろうか……?」
宗現は常に迷っていた。それは彊虎にも分かっていた事だが、こうして面と向かって聞かれるのは初めてだ。
だからその問いに彊虎はしばし考えを巡らせ、口を開く。
「宗現様は宗現様ができる事を全力でやっていました。
確かに不器用な所もあったかもしれませんが……。金華様はそれを咎めても、恨んだりはしませんよ。
ただ、無茶のし過ぎだと怒りそうですね」
その答えに宗現は苦笑し。先ほど考えていた事を口にする。
「私は金華を愛していた。
いや、今でも愛している。
だが、時々こう考える時があるんだ。
もし。
もし、私が金華を愛さずにいたら……。
彊虎が金華を愛してやったら……。
もっと、幸せな未来があったのかもしれない。
と……」
彊虎はその言葉にしばし絶句し、やがて口を開いた。
「宗現様は今、幸せではないのですか?
今日だってこれから蘇月と璃琳様がお見舞いに来るんですよ?
他の子供達はもちろん、藍月だって会いに来てくれるではないですか。
嫁いだ子達も心配の手紙を寄越して、お孫様を連れてこちらに来る予定まで立てていますよ?」
彊虎の、ほんの少しだけ怒った様なその言葉に、宗現はハッとした顔を彊虎に向け。
「そうだな、すまない。私は今、とても幸せだ」
と、微笑んだ。
しばらくして、彊虎は宗現の部屋を出た。
去り際。ふと宗現の方を振り向くと、彼に寄り添うように座る金華が見えた……気がした。
彊虎は人は死んだら消えると思っているが、それでも今は金華が傍にいて彼に微笑みかけていればいいのにと思った。
第六十六話『それから』終
手紙に付いてだが。
隣国に嫁いだ玲蘭への手紙は割とすぐに届くと思う。
ただ明鈴は私の中の設定だと、凪の国などがある大陸の、凪の国から一番離れた場所の国に嫁いだ設定なので届くのも返ってくるのも遅いはずである。
しかし明鈴の性格を考えると、伝書鳩的な頑丈で素早く長距離を飛んでくれる鳥を使って手紙のやり取りをしてそうっていう。
金華さんの気配を作中散りばめておけばよかったって、これを手直しし始めた頃に思った。
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