これは『著者:藤間麗 / 出版社:小学館』が権利を有する漫画『王の獣~掩蔽のアルカナ~』の非公式二次創作物です
◆注意する事ばかりで長くなった注意◆
これは
- 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
- 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
- 女体化
- 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
- 滲み出る変態性
を含みます。
そして私は
- 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
- あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
- 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
- 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在
です。
それでも見たい人は続きへGO! GO!
第六十五話『if』
戦争が終わって数か月後。
金華は家へと向かう馬車に乗っていた。
数か月前に出した子供達への手紙に兵達の傷を癒してから帰るから遅くなると書いていたが、元敵国の兵の傷も癒していたので予想より一月帰るのが遅れてしまった。
『きっと心配してるわね……』
そう思いながら、彼女は外の景色を眺めた。
数日と数時間後。ようやっと馬車が花街に入り、金華はここで止めてくれとお土産がたくさん詰まった荷物を持って馬車を降りた。
そしてゆっくりと、現実をかみしめるように子供達が待っている医院まで歩き出す。
その途中、子供達が好きな料理を作る為に店に寄った。
「すげぇ荷物じゃねーか! それに疲れてるだろう? あいつらの好物は俺も知ってるよ! 後で他の店にも言って食材を届けるから、真っすぐけえんな!」
そう店の亭主に言われ、金華は礼を言うと家に向かって真っすぐ歩く。
そんな彼女の姿を見た知り合い達は次第にざわつき。
「金華が帰って来たぞ!」
その言葉を皮切りに、家の中に居た者も外に顔を出し金華の元へと寄って来た。
そして皆、口々に彼女の無事を喜ぶ。
この町の者は皆、彼女がこうして帰ってくるのを心待ちにしていたのだ。
しばらくして。
小さな白狐が走って来る。
藍月と蘇月だ。
彼女らは「お母さん!」と、金華に抱き着いた。
「お母さん、全然帰って来ないから死んじゃったと思った」
二人は瞳に涙を溜めて母を見上げている。
「死なないわよ。手紙、届いたでしょう?」
「届いたけど……」
藍月と蘇月は予定日より大分遅れていて不安だったのだと、口々に言った。
「お母さん、沢山の人の傷を癒してたからこんなに遅くなっちゃったの。不安だったわよね? ごめんね、藍月、蘇月」
そう言って金華は二人を抱きしめ。
「さ、今夜は二人が好きな物をたくさん作ってあげるからね」
そう言って三人で帰った。
その日の晩は、二人の好物の酢豚……ではなく、酢鶏に鰹節入りチャーハンがあるご馳走だ。
そしてお土産を三人で広げて、久しぶりに三人で風呂に入り、そして三人で眠った。
||
金華は藍月と蘇月と共に、宮廷に招かれた。
当初から予定していた戦争で兵を癒した彼女への褒美だ。
藍月と蘇月は最初はソワソワしていたが、すぐに慣れていった。
そして藍月は段々と活発に宮廷内を探検する様になり、蘇月は振り回される形であちこち連れて行かれ。
ある日、迷子になってしまった。
「藍ちゃんのせい!」「蘇月だって何も言わないで付いて来たじゃない!」などと、迷い込んだよく分からない庭の中で喧嘩をし、やがて。
「「おかーさーん!」」
と、二人揃って泣き出してしまう。
そこに、二人の少年が通りかかった。
今日、たまたま後宮の外で落ち合っていた天耀と太博だ。
「泣き声……行ってみよう」
二人が泣き声のする方に向かうと、茂みの向こう側で双子の白狐がワンワン泣いていた。
「亜人の子供? あぁ、最近宮廷に招かれた……。迷子でしょうか?」
そう言う太博に対し、天耀は双子らをじっと見つめ。
「なぁ、太博……あの子ら、すごく可愛いぞ!」
泣いているその姿が可愛らしく感じた天耀がそう言って後ろに居るはずの太博の方へ振り向くと、既に彼の姿はなく。
「迷子か? 名前は言えるか?」
と、いつの間にか彼はさっさと天耀を置いて双子に話しかけ。
慌てて天耀も合流し、二人で彼女らを金華の元に届けてやった。
それから、藍月と蘇月は天耀や太博に遊んでもらうようになった。
更に彼女らは璃琳とも年が近いからか、いつの間にか仲良くなっていた。
もちろん、他の子供達とも仲良くやっている。
||
金華からある相談をされた。
それは藍月のアルカナの事だ。
そして、もしかしたら蘇月にもあるかもしれないと打ち明けられた。
私はひとまず蘇月にアルカナ検査薬を飲ませる事を提案し、飲ませてみた。
すると反応が出たので、蘇月に藍月と同じアルカナがあるかもしれないと説明し、危険性を十分教え込んだ上で、取りあえずは様子を見ようとなった。
||
誰かが噂していたのだろう。
彊虎が父だと知った藍月は彊虎に会いに行くのだと、「やめようよ……」と止める蘇月の手を引っ張って私達が仕事をする宮まで向かった。
藍月が彊虎に会いたいのは、もちろんそれだけが理由ではない。
藍月は、夏至祭の武道会の時に彊虎を見てから彼のファンになっていた。
だから元々会いたがっていたのだ。
そこへ自分達の実の父だという事実が転がり込んで来て、とうとう会いに行くのを我慢する事ができなくなったという訳である。
門番には「母から薬を届ける様に言われました」と嘘をつき、まだ小さな子狐なのもあって通してもらった。
しかし二人は途中ではぐれ。
蘇月は泣いている所を警備の者に見つかり、事情を説明したら私……と彊虎の元へ連れて行ってもらい。
そして藍月はあちらこちらフラフラし、自力で彊虎の前に姿を現した。
その後、迎えに来た金華にこっぴどく叱られすっかり耳をしならせしょげ返った藍月だが、私が「また会いに来ると良い。門番にも話を通しておく」
というと、嬉しそうな顔を向けた。
それから二人、特に藍月はよく遊びに来るようになった。
彊虎も嬉しそうだ。
||
藍月に続き蘇月も、予想した通りのアルカナを開花させ。しかし金華からの言い付けをしっかり守り、アルカナの制御訓練を行いつつ誰にも知られない様にしてしばらくたった頃。
天耀の従獣を決める年になった。
本来ならばアルカナのある亜人の子供を連れて来て面接をするのだが……。
「藍月と蘇月の二人を、天耀の従獣にして様子を見ようと思う」
私は金華にそう提案した。
天耀はさほど表に出る子ではないものの、しっかりした子だ。
藍月と蘇月も彼によく懐いている。
だから天耀にならば、彼女らを安心して預けられると感じたのだ。
金華もその提案を受け入れ、そして天耀も事情を説明すると快く引き受けてくれた。
こうして歴代の皇子として類を見ない、二人の従獣を持った皇子が誕生した。
||
そして、それから。
藍月と蘇月はこの宮廷ですくすくと育ち。
さして大きな問題も起こらず、長閑に暮らし……。
やがて、恋をした。
+◆+
……。
嘘だ。
いや。嘘ではないのかもしれないが、これは私の世界の話ではない。
きっとこれは、『もしかしたらの世界』の出来事なのだろう……。
第六十五話『if』終
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