Dへの扉

謎生物、地球でやりたい事をする

長閑な国の王とケモノ 第六十八話『その後の彼ら』

これは『著者:藤間麗 / 出版社:小学館』が権利を有する漫画『王の獣~掩蔽のアルカナ~』の非公式二次創作物です


◆注意する事ばかりで長くなった注意◆

 これは

  • 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
  • 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
  • 女体化
  • 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
  • 滲み出る変態性

 を含みます。
 そして私は

  • 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
  • あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
  • 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
  • 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在

 です。
 それでも見たい人は続きへGO! GO!


第六十八話『その後の彼ら』

 そして、それから。
 宮廷内はもちろん様々な事が起きていた。
 本当に色々あった。
 なのでこれから、その中の一部を見ていこう……。


藍月と蘇月

 一緒に天耀の従獣をする事が決まり、彼女らは今まで住んでいた部屋ではなく、もう少し広い部屋をもらうと二人で暮らした。
 そして一緒にご飯を食べ、一緒に風呂に入り、一緒に寝。と、藍月と蘇月の二人は失った時間を取り戻す様に過ごしていた。

 しかし……。

「蘇月、今度の休みだけど……」
 藍月が休みの日に一緒に宮廷の外で買い物でもしようかと蘇月を誘う。が。
「あ、その日は太博様と買い物の約束をしてて……」
 頬を染めてモジモジとそう言う蘇月に、藍月はジェラシーを感じ。
「なんか! 蘇月と太博様って最近仲良過ぎじゃないか? 一応上司なんだからあまり変な感情を挟まない方がいいぞ」
 と、少し嫌味っぽく言ってしまい。蘇月もそれにムッとして。
「藍ちゃんだって天耀様と仲が良いじゃない!」
 と、変な所で喧嘩をしていた。
 もちろん、すぐに仲直りをしていたが。

***

 そしてそんな彼女らはその戦闘能力や知力が評価され、お互いの足りない部分を補い合う優れた美しい双子の従獣として後世に名が残っている。


璃琳

 璃琳は今日、一人で父の見舞いに来ていた。
 その時「この宮の話はな、実は嘘が混ざっているんだ」と、父が話し始める。
「兄の従獣に恋した皇女は確かにいた。
 そして従獣は皇女の目の前で残忍に殺された。
 皇女の喉も潰れてしまったとあった。
 しかし、生まれた子供は殺されなかったんだ。
 どうやら当時の皇帝も、過剰に罰を与え過ぎたと反省したようでな。
 この宮で二人は生きていたんだよ。
 だが、不自由な暮らしと愛した男を死なせてしまったという後悔の念をずっと抱いていた皇女は体が弱くなっていて、ある日風邪をこじらせ死んでしまったんだ。
 そして残った亜人の特徴がある子供は、子孫も残せないし亜人は王族だとは認められないのだからと、外に出された。
 という訳で、お前達に言い聞かせるのは少し盛った話なんだよ。だから怯えなくてもいい」
「怯えてなんかないわよ!」
 璃琳が強がって答え、こういう所が牡丹に似ていると宗現は微笑み。
「それから、お前はお前のしたいようにやってみなさい。私も出来るだけ力になるよ」
 と、背中を押してやった。

 その後、璃琳は皇帝となった江凱に『商売の事もあるので、ずっと宮廷に居たい』と頭を下げた。
 そして。

「璃琳様、無茶はしないでくださいよ?」
「様付はいいって言ってるでしょ! 今の私は貴女と同じ下女よ! それに大丈夫よこのくらい」
 そう天舞に言って、慣れない手つきで璃琳は雑巾を絞る。
 もちろん姿はいつもと違う下女と同じ格好。そしてここは天耀の宮。

 江凱からの条件は「一カ月天耀の宮で下女として暮らす事」だった。
 こうして璃琳は下女の下宿先に赴き、天舞は璃琳のサポート役として彼女と相部屋になる為一時的に部屋を変えた。

「璃琳様、大丈夫ですか?」
 休み時間になると墨が心配してそう様子を見に来て。
「大丈夫よこのくらい。あと! あたしに様は付けなくていいって言ってるでしょ!
 今は皇女じゃなくて下女なんだから!」
 と、墨を叱責する姿が良く見れた。

 そして一カ月後。
 彼女は兄の予想に反して音を上げる事もなく、条件を果たし……。
 熱を出した。
「璃琳様……」
 墨は心配げに璃琳を介抱している。
「そんな顔しなくていいわよ。この程度で結婚しなくてよくなるなら安いもんだし。
 あと!
 これからは、あたしの事を様を付けて呼んじゃダメよ?
 あんたはあたしが飽きるまで、ずっとあたしの恋人なんだから」

***

 彼女は他国に嫁ぐ事なくこの国に残った。
 そして墨と結婚をし、数年後。自分と同じ毛色の狐系亜人を産んだ。

 三人の家族写真は、歴代の皇帝や皇子・皇女に混ざって今も帝国博物館に飾られている。


太博

 彼は蘇月が帰って来てから、蘇月に対し過保護になっていた。

 ある日、休み時間がそろそろ終わろうという頃。蘇月が帰ってくるのが遅いと探しに行き……。
『蘇月が、ナンパされている?!』
 若い兵が数人、戸惑う蘇月を囲っていい寄っている。
「蘇月! 仕事に戻るぞ。お前達も仕事に戻れ」
 そう言って太博は蘇月の手を掴んで歩いて行く。
「あの! 太博様、助けてくれてありがとうございます……」
 思いも寄らず手を繋ぐ事になった蘇月は、頬を染めながらそうお礼を言い。
「あと、良かったら……お礼と言ってはなんですが、いつもお世話になってばかりなので今度ご飯を驕らせてください!」
 と、デート約束を取り付けていた。

 ちなみにこの後も太博は、足をくじいた蘇月を「アルカナをむやみに使うな」とおぶって天耀に羨ましがられ。
 転んだ蘇月を庇ってクッションとなり蘇月の胸に顔を埋める事になって、やはり天耀に羨ましがられたりとしている。*3

 それから。
 朝、早く起きてお湯を浴びてから朝ご飯の支度をしようとした蘇月の尻尾が目の前にあって
『モフモフだな……』
 と、太博は寝ぼけて手でモシャモシャしていた。


旺眞と逞牙

「逞牙、ごめんなさい。私、全然頼りなくて……。逞牙に迷惑を掛けてばかりだわ」
 皇帝が変わった事を告げる場に出席し、ちゃんと自分で喋ろうとしたのに緊張して喋れず。
 喋る事は紙に書いていたのもあり、逞牙が気を効かせて代りに喋ってくれた後。*4
 旺眞はすっかり落ち込んでいた。
『私、うじうじしてばかり。おまけにまだ子供の逞牙にお世話されっぱなしだわ……』
「こんなの、逞牙も嫌よね?」
 それを聞いた逞牙はちょっと怒り気味に答える。
「俺、そんな事を言う旺眞様は好きじゃないです。でも、旺眞様の事が迷惑だなんて思った事はありません!
 だから旺眞様は、そんな事気にしなくていいです。
 俺は旺眞様の従獣なんだから、旺眞様にできない事は俺がします!」
 逞牙はどこか誇らしげにそう言い切り。
 そして旺眞は顔をみるみる赤くさせて、それから嬉しくて目じりに涙をにじませ「逞牙!」と彼に抱き着いた。

 

彊虎

 彼はその後、主に新皇帝や皇子達の手伝いをするようになった。
 そして、時間があれば藍月と手合わせをしている。
 更に時々、藍月と蘇月と共に食事をするようにもなった。
 まだぎこちなさはあるが、彼らは家族の様な形に徐々に変わっていっている。

 そして、彼は一度も会っていないもう一人の娘に会いたいと思う様になり、会いに行く事が決まった。


江凱

 彼は皇帝となった後、亜人への締め付けを更に緩めた。
 というのも旺眞やその文通相手などの情報や研究結果により亜人は攻撃性が低い事が分かっており、締め付けなくとも人間との共存が可能であろうとなった為だ。
 更に宗現の代で行われた様子を見ながらの締め付けの緩和で、特に問題が起きなかった事も大きい。
 そもそも宗現は亜人に対する締め付けを行わなくとも共存ができるのでは? という可能性を見出し周辺諸国へ働きかけをしており、天耀の姉・明鈴や麗雲の妹・玲蘭が嫁いだのもその先駆けだ。
 なので自分達もその意思を引き継ぎ、『亜人=道具』という概念を少しずつ変えて行こうとなった。

 そして江凱は大陸の他の四つの国と、大陸の北にある島国からそれぞれ一名の妃を取り、更に自分の国からは評判のいい亜人の妓女を妃として後宮に入れたのだった。

 皇帝が亜人の妃を取った事に驚きつつも、宗現は嬉しそうにしている。
「ここまでするとは思っていなかったよ。私には、出来なかったからな……」
 そう言って宗現は寂し気に目を伏せた。
「何言ってんだよ。親父が地盤を固めてくれたから出来た事だっつーの」
 宗現はそれを聞き、嬉しく感じた。泣きたくなるほど。
「ま、親父はここで見てろよ。俺が親父の目指した世界を見せてやるよ」

***

 こうして江凱は革命をもたらした皇帝・宗現の息子であり、さらなる改革をもたらした黎明期の皇帝として名を遺した。

 

第六十八話『その後の彼ら』終

 

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 1巻に大体4話入ってる。(1話分のページ数による)
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*1:なお、小説を賞に応募した事もあるが1次審査すら通過した事はなかったし、評価シートありの所では常に構成の評価が最低ランクだった

*2:試し読みや読者の感想等も36話くらいでよく見なくなり、大して分からない

*3:ラッキースケベをしているよって話です

*4:なお、難しい文字などは読めなかったので旺眞の力を借りながらである。そしてその姿は可愛らしく、周囲をメロメロにさせていた