◆注意する事ばかりで長くなった注意◆
これは
- 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
- 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
- 女体化
- 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
- 滲み出る変態性
を含みます。
そして私は
- 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
- あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
- 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
- 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在
です。
それでも見たい人は続きへGO! GO!
第四十六話 弐の夏『璃琳たん、いじめられる』
墨からの話を聞いた後。
正直、そこまでパワーのある情報が聞けるとは思っていなかった江凱は、度肝を抜かれていた。
「お前……」
『親父が来なければ蘇月の事殺してたんじゃないか?!』
江凱がその言葉を飲み込んだ時、声が響く。
「違うわ! 墨は嘘を付いてる!」
そう叫んだのは、璃琳だった。
吊られている墨が唖然とする中、璃琳は兄達に顔を向け語り始めた。
「ごめんなさい。あたし、私、黙っていた事があるのです。
宴の後、蘇月にあんな事を言われて悔しくて、部屋に戻る前に墨に泣きついて蘇月をイジメてもらうように頼んだのです!
だから墨は悪くない! 全部我儘で浅はかな私が悪いのです!
だから墨を放してください! どうか、過剰な罰は与えないで……」
璃琳の顔は青ざめていた。
墨は、突然の璃琳の嘘に思考がしばらく止まっていたが慌てて否定する。
「璃琳様の命令では……」
が。
「黙りなさい、墨! これは主人である、あたしの命令よ!」
『いや、主人は俺なんだけどな……』
江凱は我に返りつつそう思ったが特に突っ込まず、ため息を吐く。
「璃琳。一応確認するが、お前はこれでいいんだな?」
「構いません」
「じゃぁ璃琳。お前、罰としてここで好きな人を告白しろ」
藍月は意味が分からず「は?」と眉間に皺をよせ、天耀は「何故?!」と目を剥き、太博は口をパクパクし、墨は尻尾の先をピクピクさせて、この場はにわかに色めき立った。
「どういう事?!」
璃琳も意味が分からず混乱している。
「璃琳ちゃんは罰として好きな人を告白してくださいっ! もちろん性の対象として好きな人です! でないとお兄ちゃん墨を下しません!」
江凱がふざけた様子でまた言った。
「な、なによそれ……!!」
「璃琳ちゃんのお兄ちゃんは、有言実行の男です!」
「うぐぐぐぐぐぐぐぐぐ……」
璃琳は屈辱に震えながら口を開く。
「あ……あたしが好きなのは……ぼ……く……」
「聞こえませーん! もっと大きな声で言ってください!」
「あ、あたしは墨が好きー!!!」
璃琳の顔は耳まで真っ赤である。しかし告白された墨は呆けた顔をしていたが。
「だってよ、墨。もういいぞ降りてこーい」
と江凱が言うと、墨は自分のアルカナ『闇の手』でロープを千切って降りた。
『降りられるんかい!』
と、江凱以外に心の中で突っ込まれながら。
こうして、璃琳たんは罰として皆の前で好きな人を告白をする羽目になった。
あともちろんそれだけではなく、蘇月奪還の手助けを無償で行う約束もした。
◆
色々と情報が聞け、後日改めて落ちあい情報の整理と作戦を練ろうと解散した後。
藍月は暗い顔をして天耀と共に執務室に向かい歩いていた。
『宗現様が、蘇月を誘拐した犯人……』
まだ違う可能性はあると思いたいが、藍月にはその可能性が見つからない。
おまけに、宗現の親友で自身を手助けしここまで連れて来てくれた師匠の孔先が、この事件に関わっている可能性の方は見つけてしまった。
藍月としては、宗現と孔先の事を信頼し慕っていたので疑いたくないのに。
その上、憧れていた彊虎も恐らく深く関わっている。
そう、モヤモヤと暗い気持ちで歩いていたら、「藍月、大丈夫かい?」と天耀が声を掛けてきた。
「大丈夫……ではないですね、さすがに……。
宗現様……皇帝陛下は僕にとって信頼していた人物で、だから信じたくない気持ちが強いです」
藍月の耳がションボリ伏せられ、天耀はそんな彼女に慰める様に微笑んだ。
しばらく二人黙って歩いていたが、藍月は息を吐くと『いつまでもこんな風にしてられない』と気持ちを切り替え、そういえばと口を開く。
「あの、天耀様。天耀様は璃琳様が墨さんの事を好きだって知っていたんですか?」
というのも璃琳の告白の時、天耀達がさほど驚いていなかったからだ。
「うん、さすがにね。
でも、あの子は身分が違い過ぎて結婚は愚か恋人同士としてまともに付き合う事も出来ないのをよく分かっているし、そろそろ嫁ぐ話も出てるからこのままだと……」
「何だか、悲しいです」
「あの子はあの子で江凱兄上を皇帝にした後、結婚を取りやめてずっとこの宮廷で暮らす事を企んでいる気配はあるけどね」
「図太いですね」
一方その頃、璃琳&墨はというと。
「これ、塗るわよ」
璃琳の部屋にて、二人きりになった璃琳と墨は向かい合って座っていた。
そして璃琳は墨の袖を捲って、ロープで縛られ吊るされ出来たあざや擦り傷に消毒をしつつ塗り薬を付ける。
と言っても腕までだ。胴体の方はさすがに璃琳では確認する事ができない。
というか、こうして二人きりで会っているのも実は駄目だったりする。
璃琳の所の女官達は事情を知っている者で構成されているから、適度に離れた所で待機して邪魔をしたり口煩くはしないが。
そして墨は大人しく手当てをされながら璃琳の顔色をうかがう。
「璃琳様、なぜあんな嘘を……」
「黙りなさい! それに、あたしは皇女様よ? まともに罰を受けるとしても辺鄙な田舎に嫁がされるとか尼寺送りがせいぜいだけど、あんたは従獣とは言え亜人なのよ?!」
そう、同じ罪を犯したとしても、皇女の璃琳と亜人の墨では待遇が違う。
「まぁ、最悪首が飛ぶ可能性はありますよね。物理的に」
「そうよ! それに軽くても水攻めとか鞭打ちとか……とにかく拷問される可能性が高いの! 優しい天耀お兄様だって事が事だもの……」
天耀の意思とは逆に、そうしなくては示しが付かなくなる可能性はあった。
「ほおっておいてもいいですよ? 俺は別に構いませんから」
墨はそれよりも『蘇月の奪還』という危険が伴う可能性がある事を、璃琳が少しでもするのが嫌だった。
が。
「駄目よ! それは絶対駄目!」
璃琳は墨の頬を両手でバチンと挟む。
彼女の手に付いた薬の臭いが墨の鼻を刺激した。
「あんたはもっと自分を大切にしなさいよ! あんたが傷つくと……、あたしが嫌なの。どうして分からないの? 今までも全然……。さっきのあたしの告白、ちゃんと聞いてたなら分かるでしょ? いい加減気が付いて。何年あたしと一緒にいるの?」
璃琳の瞳に涙がにじむ。
「もう九年ですね」
「冷静に答えなくていいっ!」
薬で少しぬめる手で、璃琳は墨のほっぺを引っ張った。
それから手を放して、息を大きく吸って吐く。
「それに、蘇月はあたしにとって大事な親友なの。まだ、謝れてないし……。天耀お兄様の協力をしない理由はないのよ。それが、どんなに危険な事になってもね」
そして鼻をツンっとさせる。
「俺はそんな璃琳様の大切な親友を殺そうとしましたが」
「うるさいわね! あんたにそんな度胸はないわよ! せいぜい脅して誰にも事実を言わないようにする程度だったでしょうよ!
とにかく! あんたは余計な事考えずに、あたし達に協力してればいいの!」
こうして璃琳はプリプリしながら墨を追い出した。
◆
夜。
天耀はとある帳簿を眺めていた。
そして息を吐く。
「取り合えず、今まで得た情報。それにこれを突きつければ、父上も黙っていられなくなるか……」
第四十六話『璃琳たん、いじめられる』終
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