◆注意する事ばかりで長くなった注意◆
これは
- 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
- 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
- 女体化
- 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
- 滲み出る変態性
を含みます。
そして私は
- 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
- あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
- 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
- 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在
です。
それでも見たい人は続きへGO! GO!
第六十話『宗現一 愛しい君へ』
私は十八歳で皇帝に即位し、それからは職務に追われ過ごしてきた。
そんなある日、治癒のアルカナを持っているが故に宮廷に招かれ、医官に付いていた金華と出会った。
◇
その日、彼女は泣いていた。人目を避ける様に。
私はこの時、職場の雰囲気をしっかりと確認したくて文官姿で一人出歩いていたから、相手がびっくりする事もないだろうと金華にどうしたのかと話し掛けたのだ。
彼女は初め躊躇っていた。しかし
「言うのが嫌なら言わなくてもいい。だが、嫌じゃなかったら聞かせてくれ。そうしたら心が軽くなるかもしれないだろう?」
と言ったら、全部話して聞かせてくれた。
彼女の母も治癒のアルカナを持っていた事。
彼女には会った事もない兄弟が沢山いる事。
そして……。彼女の母が無茶な繁殖の末に心を病み、自ら死を選んだ事。
更に彼女自身には母を上回る力があり、自分も母の様になるのではと恐れている事を。
「随分辛い思いをしてきたのだね」
そう言って私は彼女の狐の耳が生えた頭に手を置き、涙をぬぐってやった。
だが、彼女は恥ずかしくなったのだろう。
頬を染めてこの場から立ち去ってしまった。
でもそれから。金華は私の問診に同行するようになり、よく会い、よく話すようになった。
そして私は金華に約束をしたのだ。
「金華を、金華の母の様には絶対にさせない」
と……。
◇
金華と出会った頃。既に妃と子がいた私だが、少しずつ彼女に惹かれ。数年後には周囲に噂されるほど仲良くなった。
二人きりの時には、名前で呼んでほしいとねだった。
散歩に付き合ってほしいと、二人で花が咲き乱れる庭園を歩いた。
暑い日には、一緒にかき氷を食べた。
彼女に似合うだろうと夏至祭の日に赤い宝石の飾りが付いた簪をプレゼントし、彼女の髪に挿してやった事もある。
あの頃の全てが懐かしい。
だが、やはり周囲は良く思わず。後宮に新たな妃として迎え入れる事は叶わなかった。
そして。
私は最後まで、思いを告げる事もなかった。
◇
金華にアルカナを受け継ぐ子供を作るのが目的の、子作りが決まった。
相手は……。私の従獣、彊虎だ。
これはアルカナがある者の辿る、どうしようもない定めだ。
私はそれをなくそうとしていたが……。未だなくせず、一度は強制される事になっていた。
そしてこの二人に決定したのは、私の事が気に入らない保守派の嫌がらせ……。
も多少はあるだろうが、金華の人の持つ再生能力を部分的に高め傷を癒す治癒の力と、彊虎の変化という自身の細胞を変化させるアルカナを掛け合わせれば、もっと強力なアルカナが手に入るのでは?
という考えによるものである。
この考えは私のやり方が気に食わない連中によるものだったが、私は彼らと大きないざこざに発展するのを押さえる為、この案を飲んだのだ。
「すまない……」
金華への強制的な子作りが止められなかった事。
そして彊虎にこんな体験を二度もさせてしまう事で、私はすっかり気落ちしていた。
しかし、金華は謝る私に笑顔を向けてくれたのだ。
「宗現様、そんな顔をしないでください。
それに、貴方は約束を守ってくれました」
それから。
金華は彊虎との子をなした。
そして金華への強制的な子作りは終わった。
◇
金華の腹が大きくなり、どうやら中には双子が入っている様だとなった頃。
「宗現様。この子に名前を付けてもらえますか? 宗現様に付けてほしいのです」
そう言われ、私は喜んで引き受け。名前を二人分考えながら、彼女の子が誕生するのを楽しみに待った。
◇
璃琳が無事生まれ、そして。
私は知らせを受けると仕事を一旦置いて、とある部屋の前に向かった。
そして戸の前を行ったり来たりとウロウロする。
しばらくして、部屋の中から赤ん坊の泣き声が聞こえた。
声は、二人分あった。
「どうぞ、中に入ってください」
事情を知っている産婆が、落ち着きのない私を見て苦笑いで中へと案内する。
「金華さんは無事ですよ。子供も、元気な双子の女の子です」
疲れた様子の金華の隣には獣の耳をした赤ん坊が二人いた。
そして私が中に入ったのを見た医官達は、気を効かせ部屋の外へ出て行く。
「この子が上の子で、この子が下の子です」
「なら、この子が藍月。そしてこの子は蘇月だ」
と私は答える。
「どうだろうか? この時期に花を咲かせる植物の名前を入れてみたんだ。月は、金華を表現してみた。
い、嫌だったら無理をして使わなくてもいい!」
慌ててそう言うと、金華は笑って首を振る。
「いいえ。嫌じゃありません。素敵な名前をありがとうございます」
◇
金華が宮廷を出る日。
金華と私は荷物と籠に入った赤ん坊と共に、ベンチで馬車を待っていた。
そして私は別れる前にと、最後の贈り物を取り出す。
「見分けが目立たぬ位置のホクロだけでは不便だろう?」
そう言って渡したのは、双子の為の赤い二つのリボンだ。
私はそれを金華に手渡し、しばらく彼女の手を握った。
「あの、宗現様……」
そろそろ彼女の手を離そうかという頃。金華の提案で遠くで見守っていた彊虎に、最後に藍月と蘇月を抱っこしてもらう事になった。
彊虎は私の子供の世話ですっかり手慣れた手付きで、まず蘇月を抱っこした。
蘇月はスヤスヤ眠っている。
続いて手足を動かしながら周囲をキョロキョロと眺めていた藍月を抱っこし、そっと元に戻した時。藍月は彊虎の指を掴んで笑い。
彊虎も、柔らかい顔をして微笑んだ。
こうして、私は金華と別れた。
◇
私はその後けじめとして金華には会わなかったが、藍月と蘇月の様子は彼女らの誕生日プレゼントの金平糖を買う時や用事のついでに見に行く事もあった。
彼女らは彊虎に似た毛に金華に似た獣の特徴と顔立ちで、可愛らしく育っていた。
近所の男の子からちょっかいを掛けられるくらいに。
私が贈ったリボンも、髪に結んでいた。
嬉しかった。
第六十話『宗現一 愛しい君へ』終
宗現と金華の話のマイ・イメージソングは『ひとつ=運命共同体』だが、何となくで決めている。
(-_-)
そしてタイトルは『MALICE MIZER』の『ma cherie~愛しい君へ~』から取ったよ。
藍月と蘇月には会った事が無い母違いの姉がいるのだが。
その子は虎っぽい見た目の茶色い毛の亜人で、自分の父親は彊虎だって知ってるからそれを自慢してるんだけど
虎っぽい耳は狸系亜人の母譲りで、虎っぽい尻尾は猫系亜人のお祖母ちゃん譲りじゃね?
って言われてるっていう。
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