Dへの扉

謎生物、地球でやりたい事をする

長閑な国の王とケモノ 番外編『桜色の猫』

これは『著者:藤間麗 / 出版社:小学館』が権利を有する漫画『王の獣~掩蔽のアルカナ~』の非公式二次創作物です


◆注意する事ばかりで長くなった注意◆

 これは

  • 重度の中二病患者が作った黒歴史濃度の高い「アタイの考えたサイキョーの王ケモ設定!」
  • 原作のネタバレと世界観&キャラ崩壊
  • 女体化
  • 原作を読んでいる事前提だが、読んでいても意味が分かるとは限らない
  • 滲み出る変態性

 を含みます。
 そして私は

  • 小説・漫画・絵等を書くor描くのが得意ではない*1
  • あっぱっぱーだし中華風ファンタジーはもちろん書けん!
  • 王の獣は単行本7巻まで持っているが、それ以外は試し読みや読者の感想等で得た知識しかない*2
  • 王の獣のキャラが好きだがアンチという矛盾の存在

 です。
 それでも見たい人は続きへGO!GO!

番外編『桜色の猫』

とある猫の話

 僕には、性別がない。
「好きになった相手に合わせて、性を定めればいいと思ってね」
 僕をこうした張本人である神様はそう言っていた。
 そういう所がいかにも人間ではないって思う。

 亜人じゃない、ただの子猫だった僕が亜人になった後は大変だった。
 言葉もうまく喋れなかったし、人らしい暮しをするのもままならない。
 そんな僕を熱心に支えてくれたのが、神様とその妹と、それに本当のお母さんみたいな神様達のお母さんだ。
 このお城の人達はほとんど優しくしてくれたけど、この三人は特に僕に優しくしてくれた。だから大好きだ。

 そして僕は、どちらにもならなかった。
 だって、神様もその妹も好きだから。
 大好きだから。
 だから、どっちにもなれなかった。
 中途半端すぎるだろ……。
 でも神様は「いいんじゃないかい?」と言って笑う。
 こういう所も、好きだ。

 神様も神様の妹も僕以外を好きになってしまったけれど、それでも僕はこの二人が今でも大好きだ。

***

 ちなみに彼or彼女は主に女性に人気なのだが……。
「よ~びちゃ~ん!」
 数名の秋葉系オタク男子がそう言って謡尾に近付いてくる。
 謡尾は一部男性からの支持も厚いのだ。
 しかし謡尾は当然「キモイ!!!」と、邪険にしていた。

 

とあるお姫様のお話

 お姫様は、庭師の青年が好きだ。
 そして庭師の青年も、お姫様が好きだ。

 ある日、お姫様は数年前に戦争をした国の王族の血筋に嫁ぐ事になった。
 相手は粗暴だと聞いている。
 庭師は心配をしていた。
 その時だ。
「じゃぁ、私を連れて逃げてくれる?」
 お姫様はいつもの無邪気な顔でそう言った。
 そして、もしその気があるなら夜が明ける前に来てほしいと、とある場所で待ち合わせをしたのだ。

 お姫様はその日、少ない荷物を纏めて待ち合わせの場所で待っていた。
 何分も、何十分も、何時間も。
 でも、庭師の青年は来ない。
「もう帰ろうよ」
 夜も更けた頃。桜色の猫がお姫様の所にやって来て、そう言った。
 この猫はお姫様の事が大好きで、心配でずっと見ていたのだ。
「まだ夜が明けてないから、もう少し待つわ」
 お姫様は眠そうな目をこすってそう言い、猫は一緒に待った。
 でも、空が白みだして日が昇っても、青年は来なかった。

 お姫様が隣国に嫁いで行く日。
 庭師の青年は桜色の猫に、白いリボンが結ばれた包みを差し出しこう言った。
「彼女に、渡してほしいんだ」
「自分で渡せよ」
 猫はそっぽを向いてそう言う。
「いま彼女に会うと、彼女を不幸にしてしまいそうだから」
 庭師の青年は泣きそうな顔でそう言って、桜色の猫は黙って包みを受け取り立ち去った。

「これ、あげる」
 桜色の猫はお姫様に白いリボンの包みを渡した。
「何かしら? ふふ、ありがとう」
 お姫様は喜んで受け取った。


 それから。
 お姫様は嫁いだ先で上手くやっていた。
 粗暴だと言われていた夫も、彼女に優しくして……というか、どちらかというとマイペースなお姫様に振り回される日々を送っていた。
 しばらくして、子供もできた。
 家族で旅行も行ったし、時々実家に帰る事もあった。
 そして、あの包みはというと……。
「お母さま、今日もお花の手入れ?」
「ええ、そうよ」
 そう言って彼女は花壇の一角の花に水をやっていた。
 これは、あの包みの中に入っていた、この地域でもよく育つ綺麗な花々の種で作った小さな花壇だ。
 夫が、変わり者の妻が花壇が欲しいと言い不器用にも熱心に花を育てようとしているのを見て、こっそり腕のいい庭師を呼んで手伝わせ、そして出来た花壇である。
「この花壇はね、私が大好きな人達からの贈り物なのよ」
 お姫様は、朗らかな笑顔でそう言った。

 そんな彼女の寝室には、まだあの包みとリボンが大事に、大事にしまわれている。

 

『桜色の猫』終

 

前回

ayano-magic.hatenablog.jp

 

次回

ayano-magic.hatenablog.jp

 

関連記事

ayano-magic.hatenablog.jp

ayano-magic.hatenablog.jp

ayano-magic.hatenablog.jp

lunatic.hatenablog.jp

 

原作の広告(2023/7/24 電子版情報)

Cheese!(チーズ!)

 2019年3月号~2023年9月号に王の獣が掲載されている。
 全号購入可能。
 割高にはなるが連載中なら最も早く王ケモが見られる。
 また、マイクロ&単行本で修正された箇所が電子版でも元の状態で見られると思われるので、単行本とセットで買って変化を楽しみたい人向け。

 

王の獣~掩蔽のアルカナ~【マイクロ】

 56巻まで発売中。
 1巻で大体1話分くらいが見られる。(ページ数による)
 先行配信をしているサイトもある。
 連載中に雑誌より安く、単行本より早く王ケモを見たい人向け。

 

王の獣~掩蔽のアルカナ~

 12巻まで発売中。
 1巻に大体4話入ってる。(1話分のページ数による)
 時間が掛かってもある程度安くまとめて読みたい人向け。

 

*1:なお、小説を賞に応募した事もあるが1次審査すら通過した事はなかったし、評価シートありの所では常に構成の評価が最低ランクだった

*2:試し読みや読者の感想等も36話くらいでよく見なくなり、大して分からない